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切断 ハヤカワ・ミステリ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 1991/09/30 |
JAN | 9784150717513 |
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商品レビュー
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1967年発表、ロンドン警視庁ドーヴァー警部シリーズ第4弾で、ポーターの代表作とされている。ユーモアミステリの一種だが、個人的にはブラックな笑いよりも、トニー・ケンリック張りの陽気なスラップスティックが好みなので、残念ながらクスリともしなかった。 ドーヴァーは旅先の田舎町で、岬...
1967年発表、ロンドン警視庁ドーヴァー警部シリーズ第4弾で、ポーターの代表作とされている。ユーモアミステリの一種だが、個人的にはブラックな笑いよりも、トニー・ケンリック張りの陽気なスラップスティックが好みなので、残念ながらクスリともしなかった。 ドーヴァーは旅先の田舎町で、岬から身を投げた若い警官を目撃し、成り行きで捜査する。自殺した男は、地元警察署長の甥だったが、普段から素行不良で、怪しげな連中と付き合っていたらしい。その中の一人となる元ギャングの男が、1カ月前に自宅庭で身体を切断された状態で見つかっていた。検死では他殺ではないと断定しているが、死亡後に体を刻まれた理由は不明。死んだ2人に関連性はあるのか。妙なトラブルに多々見舞われつつドーヴァーらは事件を調べるが、やがて町の女たちの異常な集団心理/行動に悩まされていく。 利己主義で無精者のドーヴァーは、嫌々ながらも関係者をあたり、真相に迫ろうと試みる。結構な策士でもあり、憐れな部下のマグレガーを囮にして、一旦は謎を解く「冴え」まで見せる。 驚いたのは、真相を明らかにせず、暗示したままに終えていることだ。つまり、完全には解決しないという荒業をやってのける。これでも、ミステリファンらは本作に高い評価を与えているのだから、懐が深い。 女流作家ならではの「男」という生態への痛烈な皮肉と攻撃。曲者ポーターの本領発揮といったところか。
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言いたい放題、やりたい放題、勝手気ままで、鼻つまみもののドーヴァー警部の引き起こすドタバタ劇。 本格ミステリー作品ではなく、ドーヴァー警部の傍若無人なキャラクター、周囲を巻き込んで繰り広げられるドタバタ劇を楽しむ作品。 ドーヴァー警部の推理は、捜査の課程で判明した様々な出来事を踏...
言いたい放題、やりたい放題、勝手気ままで、鼻つまみもののドーヴァー警部の引き起こすドタバタ劇。 本格ミステリー作品ではなく、ドーヴァー警部の傍若無人なキャラクター、周囲を巻き込んで繰り広げられるドタバタ劇を楽しむ作品。 ドーヴァー警部の推理は、捜査の課程で判明した様々な出来事を踏まえた上での意外なものだが、仮説に過ぎず、読者がこの推理をするのは難しい。 ドーヴァー警部が物証をつかむために企てた策略も、ドーヴァー警部らしい、身勝手きわまりないもの。 「ところで、真相は何?」 最後の最後で、煙にまかれてしまった気分。
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史上最低の名探偵ドーヴァー主任警部が活躍というか迷走するシリーズの第4作目。シリーズの代表作、傑作との呼び声も高い。 僕は、多分通読するのは4回目くらい。とってもおもしろくてどんどん読んでしまうのだけど、読み終わってハタと考えてしまう。結局、真相は何だったのか?と。今回読み...
史上最低の名探偵ドーヴァー主任警部が活躍というか迷走するシリーズの第4作目。シリーズの代表作、傑作との呼び声も高い。 僕は、多分通読するのは4回目くらい。とってもおもしろくてどんどん読んでしまうのだけど、読み終わってハタと考えてしまう。結局、真相は何だったのか?と。今回読み終わって思ったのだけど、今まで僕が「まさか、それは違うよね、ひどい冗談だよね」と思っていたのが冗談ではなくて、「こっちが真相だろうけど、今一つはっきりしないなあ」と思っていたのが冗談だったのかもしれない。 あまりにもブラックなユーモアにあふれていて、少し混乱してしまうというか、考えすぎてしまうのかもしれない。珍しくドーヴァー主任警部が主体的に犯人を追いつめる作戦を立てたりするから、眉に唾をつけてしまうのだ。 そう思ってみると確かに傑作。読者をミスリードするのではなく、逆に読者だけが真相に気がつくんだけど探偵たちはさっぱりわかってない、っていうのが大きな趣向なのかもしれない。でてくる登場人物も、みんなちょっとずつずれている人たちばかりだから、その中に放り込まれた主任警部は、マイナスとマイナスを掛け合わせてプラスになるような感じになるのかもしれない。 ひねりのきいた本格ミステリーを読みたい人にはおすすめ。ユーモアミステリとしても秀逸。かなり「黒い」けどね。タイトルも含めて。
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