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焼跡のイエス/処女懐胎 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1992/06/01 |
JAN | 9784101022017 |
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焼跡のイエス/処女懐胎
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焼跡のイエス/処女懐胎
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
石川淳『焼跡のイエス/処女懐胎』(新潮文庫、1980年5月)読了。 なぜか、いまさらながら石川淳を読んでみたくなった。 石川淳といえば、太宰や安吾、織田作とともに無頼派の作家。学生時代にむさぼり読んだ無頼派作家たちだが、石川淳だけは手に取らなかった(他意はない)。 本書は短編集である。 表題2作を含めて、「葦手」「山桜」「マルスの歌」「張柏端」「焼跡のイエス」「かよい小町」「処女懐胎」「変化雑載」「喜寿童女」が収録されている。 読み終えるまで、まあとにかく時間がかかった。 理由はふたつ。 ひとつは文字のポイントが恐ろしく小さい。これは年齢によるものだが、ちょっと暗いところで読むととたんに字が滲んでしまう。嗚呼。 もうひとつは、一文が恐ろしく長い。小生がこんな長い文章を書いたのなら、ただちに指導教授に叱責を受ける。一文で4~5行は当たり前。10行近くに及ぶ文章もあった。つながりを理解するのに四苦八苦。 で、たしかに表題2作は戦後の混沌とした社会の中での心証を映し出している点で印象深かった。 「焼跡のイエス」は闇市に現れた少年を追った作品。 戦争に負けると社会が無秩序になる。何もない中で必死で生きていく。ボロを纏い、顔は痣だらけで、全身にシラミと膿をたからせ、女に飛びつき人の財布を狙う闇市に現れた少年。石川はそこにイエスの生きた顔を見る。 あるんだろうな、と思ってしまう。 ミステリー風で面白かったのは、一番最後の「喜寿童女」。 語り部は古書立ち売りで一冊の本を手に入れる。妖女伝。そこには千人切りの芸妓お花の喜寿を祝う会を開催している最中に忽然と消えたと書かれていた。 妖女伝によれば、老妓お花は淫欲はそのままにして11歳の童女の体に戻されたと書いてあった。11歳の体に戻ったお花は、不老長寿のまま色と欲と金に生き続ける。 今とは違う表現の仕方に難渋したが、しばしタイムスリップしたような感覚にとらわれた。 たまにいいかもしれない。
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呑気な作家の黒木喬は、友人の仙吉に連れられる神楽坂の妾宅。 友人の銀二郎、知り合った梅子と妙子との交流を経て、それぞれの生活が変わりゆく。 /「葦手」 昔の知人に金を借りに行った主人公。 夫と妻との確執の場に合い、そして思い出すある真実。 /「山桜」 勇ましい流行歌「マ...
呑気な作家の黒木喬は、友人の仙吉に連れられる神楽坂の妾宅。 友人の銀二郎、知り合った梅子と妙子との交流を経て、それぞれの生活が変わりゆく。 /「葦手」 昔の知人に金を借りに行った主人公。 夫と妻との確執の場に合い、そして思い出すある真実。 /「山桜」 勇ましい流行歌「マルス」が聞こえる街。 死んだ新妻は危険ななりきり遊びに次第に嵌っていて… /「マルスの歌」 仙人の張柏端は、競争相手の禅坊主に沓を盗まれる。 さあ負けていられない、仙術合戦の始まりだ。 …そういえば、この私も靴を盗まれたんだ。 仙人ならず人間の身である私は飛行術で移動するわけにいかないんだけどね。 /「張柏端」 闇市に現れた少年、ボロを纏い顔は痣だらけ、全身にシラミと膿をたからせ、女に飛びつき人の財布を狙う。 だがメシアはいつでも下賤にまみれた汚辱の中から現れるではないか。 そう、あの少年の眼差し、あの苦患。その中にこそ見える一瞬のイエスの生きた顔。 /「焼跡のイエス」 通りすがりに見かけた芸者、後をつけた語り手は芸者の客になる。 そして芸者の肌に見つけた病の痣。 このような結縁のしるしを見かけたらすることは明確。 カトリックに帰依し結婚式を挙げパンを食おう。 多少の不便は我慢しなければならない。 彼女の肌に見つけた跡は神の掲示なのだ。 /「かよい小町」 高校を出たばかりの清純な貞子。 彼女に結婚を申し込む二人の男。 そして貞子の精神が起こした奇蹟。 /「処女懐胎」 戦後の怪しげな坊主と一緒に住む二人。 ワケアリ男女に会った語り手。 /「変化雑載」 1000人の男と寝たという芸妓のお花は七十七歳の祝いの席から消えた。 なんと老妓お花は秘術士により淫欲はそのままにして十一歳の体に戻される。 それから七十七年、不老長寿のお花は色と欲と金により世界を回ってゆく。 /「喜寿童女」
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うーん、この文体・内容いま一つしっくりこない。 濃密な作品ということは自明だけど、これは好みの問題ですな。 表題作などは良いのだが、いかんせん全体的にリズム感が性に合わない。 全然内容には関係ないが、何でこの作品を再読しようと思ったのか?誰かが新聞で触れていたからだったか? あら...
うーん、この文体・内容いま一つしっくりこない。 濃密な作品ということは自明だけど、これは好みの問題ですな。 表題作などは良いのだが、いかんせん全体的にリズム感が性に合わない。 全然内容には関係ないが、何でこの作品を再読しようと思ったのか?誰かが新聞で触れていたからだったか? あらゆる意味で不透明な感想に終始してしまった、、、
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