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野鳥八十三夜
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1985/11/01 |
JAN | 9784061918047 |
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野鳥八十三夜
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商品レビュー
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1件のお客様レビュー
ここでは仁部富之助『野鳥八十三夜』のみレビューする 特に興味深いのが現代との違い 第三夜、 >今から二十年前(1920頃)までは、煩いほど多かったスズメやカラスも、いつとなしにわれわれの周囲から遠ざかったことを誰しも気づくだろう。 今から20年前が1920年なので、これが書かれて...
ここでは仁部富之助『野鳥八十三夜』のみレビューする 特に興味深いのが現代との違い 第三夜、 >今から二十年前(1920頃)までは、煩いほど多かったスズメやカラスも、いつとなしにわれわれの周囲から遠ざかったことを誰しも気づくだろう。 今から20年前が1920年なので、これが書かれているのが1940年、鳥類保護について。鳥類の減少が濫獲と密猟にのみ帰するのは間違いで、耕地拡張、自然破壊による鳥類への圧迫ではなかろうか、と書かれている。ここで提議されているのが、禁猟区と猟区の設置、巣箱の給与。第一次世界大戦のインフレで漠然と設けた禁猟区や、地勢や林相やその他の諸条件を深く研究せずにはじめたので、「ちっとも鳥類がふえず」、維持費がなく、放棄の形だったようだ。 仙北地方ではカルガモのことをデロガモとといい、九月デロ、十月デロはカルガモが一番美味しくなる時期のことなんだそうだ。ただ、旧暦なので、現在では10〜11月。 こういう地元に老人にインタビューをおこなった際のメモ的なものが面白い。 ウグイスの雛を捕る時の心得(引用) 「一 子飼の目的でウグイスのヒナを捕るにもなかなか条件があって先ず美声な親鳥を物色せねばならぬ。したがって在方の者が売りにだすのは駄目だ。 二、美声の親を探し当てるだけでも一週間はかかる。 三、同じ苦労するならヒナのいる巣を探さねばならぬ。 四、せっかく探し当てた巣にホトトギスのヒナが入っていたのでは徒労に終る。 五、ホトトギスは胎生だとの説は真赤な嘘だ。 (中略) 一六、巣を発見してもまだ卵か、またはヒナが小さすぎるとしばらくそのまま置くが、その際は四方に煙草の粉をまいてヘビの害を防ぐ。 一七、ヘビという奴は人の足跡の匂いを嗅いで巣を探し卵もヒナも呑んでしまう。 (中略) 二三、ウグイスの風呂といい、この鳥が冬になると土で巣を作って蟄居越冬し、春の彼岸にみずから巣を破って出てくると古い書物にあった。しかしこれは真赤な嘘らしい。 今でも十分に通用する知見もあるが、やはり興味深いのは地域の伝承や、時代のわかる”噂”など、今ではなかなか知りようがなくこうして文章に残しておくことの意義を感じる。
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