公立学校の挑戦 小学校 人間関係づくりで学力向上を実現する

河村茂雄, 粕谷貴志【著】

• 販売会社／発売会社: 図書文化社
• 発売年月日: 2010/06/20
• JAN: 9784810005622

商品レビュー

2011/12/26

真摯に受けとめ検証すべき内容

[onedream]

公立学校において学力向上のために必要な指導とは？公立学校での現状と限界、塾とは違うその存在意義とは。結局は授業づくりと同じく、いやそれ以上に子どもたちの人間関係づくりと良好な学級状態にポイントを絞ることから始めることを著者は説いています。

年々かわる子どもたちとその保護者の環境と価値観がマニュアルの紋切り型でコンサバティブな公立教師の限界を暗喩しています。

ならばどうすれば良いか？本書は公立学校の限界を突きあげて、言葉だけで鼓舞しるものではなく、教育実践モデル校を参照に公立学校で満足学級を作っていく体制作りから管理職のリーダーシップの在り方、意識改革を鋭く解説していきます。

冷静に解析のできる著者からの現状の公立学校の盲点を、公立学校関係者は真摯に受け止めて、それを真剣に検証していくべきであると、自戒を含め感じました。

2011/02/16

教師たちも学級状態も現状の把握が大切

[agerareagerar]

授業が成立しない状況や話しを身近にいくつか体験し、授業と学級体制づくりを改めしっかり考えたという思いから本書に出会うことができました。
著者のQ-Uの存在は依然から知っていましたが、なぜ「集団づくり」が大切か、学級集団が土台の考え方、さらに公立学校の現状と低水準になっている学校の問題点を客観的に理解することできました。
我が校、もちろん自分を含めた周囲の教師たちにも思い当たる点が数えきれないほど重なり合い、始め困惑し愕然としましたが、どうすれば問題を乗り越えていけるか、実際に問題を乗り越えた学校の例もいくつかあげ、その取り組み方と教師のモチベーションをしっかり押し上げてくれるので途中からこみ上げるやる気が湧き出るのを感じました。
著者の基盤にある「学級状態の正しい把握なくして効率良い指導ができない」という考えは全く同感できるものです。
いくら教師が日々頑張って指導したとしてもそこに結果が伴わなければ、教師の自己満足だけで被害は子どもたちに及ぶからです。
全国の学校の状況を把握されている著者だからこその大きな観点で解説されているので、どれ一つとっても説得力があり、ただの精神論ではなく裏付けされた実践可能な論理として教師の心に訴えかけます。

2010/12/05

問題意識を持って

[坂の上の坂]

学級崩壊やいじめ、不登校の問題をどうすれば解消していくことができるのか真正面から考えることが出来る良書です。
公立学校がおかれている状況を分析しており問題点をハッキリ理解することができます。
教育実践が低水準になっている学校の組織の問題点が今の自分の学校に当てはまることがショックであったが、
それを変革する方法論や機能させるための原因と対応策が数多く解説されているので
具体的に学校一団となって実践していくことができると思う。
公立学校の教師は学校ぐるみでこれを読んで問題意識を持つことを是非お勧めします。
地道な取り組みが多いですが学級集団が明らかに変わっていくのが体験できると思います。