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シー・シェパードの正体 扶桑社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 産経新聞出版/扶桑社 |
発売年月日 | 2010/06/01 |
JAN | 9784594062149 |
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シー・シェパードの正体
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商品レビュー
4
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※このレビューにはネタバレを含みます
2010年刊行。著者は産経新聞東京本社外信部記者。 エコテロリスト、プロ活動家で構成されるシー・シェパードの活動実態を主催者ポール・ワトソンの経歴も含め、解説する。 基本は、①広範なメディア露出にて、大量の寄付金を集める。②その寄付金収集の方策として、被害者として振舞う、資料の捏造を含むキャンペーンと著名人の利用、時には逮捕勾留も被害者面をする方便として活用する、というものだろう。 これへの対応は徹頭徹尾、暴力行為に関する証拠の収集、特に映像証拠と暴力行為が行われている最中での即時開示しかない。 シー・シェパードの主張そのものは公開討論かつ平和的な話し合いという手法を用いるのであれば、議論の俎上に乗りうるものだろう。しかし、彼らの活動資金取得の手法はまさに、寄付金詐欺・出資金詐欺と同種の方法論を用いている。主張に正当性があるからといって、いかなる手段をとってもよいということではない。 本書を読んだ限りにおいて、個人的には彼らは寄付金交付者に対する詐欺師であるとの印象を持つ。 とはいうものの、鮪漁に関しては日本(殊に鮪を購入している日本商社の方略)はどうも偉そうなことは言えず、環境破壊的な漁をし、あるいはそれを援助・助長する関係にある(「世界マグロ摩擦」等に詳しい)。 一方、鯨はこれと違うようだが、それは鯨が「儲かる海産物」ではないという一点に由来するのだろう。 SSの次のターゲットが鮪ということを考えた場合、日本人の持つ利潤第一主義も一定の抑制を効かせる必要性は感じないわけにはいかない。
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環境保全、動物愛護の団体や人物と議論しても平行線になってしまう。 自分等ものうのうと牛肉を食べているのに、文化が違う自分以外は否定。 白人の日本人に対する差別的思想も感じた。
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私自身、かねてより、捕鯨問題に限らず強迫的なエコ思想の押しつけにはきわめて強い嫌悪感を覚えている。本書は環境問題をテーマにテロリストまがいの活動を続ける暴力集団「シー・シェパード」(SS)の実態について、その発足から現状にいたるまでを、入念な取材をもとにレポートしたものである。 ...
私自身、かねてより、捕鯨問題に限らず強迫的なエコ思想の押しつけにはきわめて強い嫌悪感を覚えている。本書は環境問題をテーマにテロリストまがいの活動を続ける暴力集団「シー・シェパード」(SS)の実態について、その発足から現状にいたるまでを、入念な取材をもとにレポートしたものである。 本書を通じて、SSのボスであるワトソンは、非常に頭の切れる人物であることがうかがい知れる。科学的根拠も、行動の論理性も、彼の活動においてはかなりの部分が無視される。必要なのは大衆の感情をつかむ話術と過激なパフォーマンスであり、それによって彼自身が「実行したい」と思い、かつ「実行しやすい」活動を進めている。まさに彼は政治家である。 日本と同じ捕鯨国のノルウェー等は、SSに対して強硬姿勢をとり、その活動を撥ね退けてきた。対して日本は、南極公海という遠方で、かつ反捕鯨国であるオーストラリア・ニュージーランドの近くで捕鯨活動をしているという弱みもあることでSSに対してやや及び腰であり、完全につけこまれている状態である。 本書で強烈に印象付けられたことは、SSの内情やワトソンの戦略性もさることながら、国際社会における日本の振舞い方に問題はないのか、という点である。地中海のマグロや、カナダのアザラシ猟などもターゲットにしているSSだが、どちらからも猛烈な抗議と厳しい対応を取られ、活動の縮小や停止を余儀なくされている。一方で、日本の調査捕鯨妨害活動は年中行事となっており、国内における伝統的なイルカ漁にも首を突っ込んでくる始末である。地中海のクロマグロ漁も、ほとんどが日本向けに輸出されているものだからターゲットにしやすいとの背景があるようで、SSはもはや環境をテーマに活動しているのではなく、日本をターゲットにしているともいえるのかもしれない。 問題は、あきらかに不法であるSSの活動を喜んで支援する国(あるいはその国の世論や政党)が存在し、その他の国も口出ししない、あるいはできないことがまず挙げられる。しかし、最も重要な問題はそうした一連の行為に毅然たる態度で臨むこともできず、甘んじて不法行為に堪え忍び続けている日本の態度であろう。 これは、矮小化した表現になるかもしれないが、「いじめ」の構図に他ならないのではないだろうか。 ミサイルで沈めるようなマネをする必要はないが、不法行為に対しては積極的に逮捕・勾留し、裁判にかけるくらいの対処は絶対に必要であると思う。 なお、私は鯨肉をほとんど食べたことがないのだが、正直おいしいとは思わない。これからも好んで食べることはないだろう。ただし、昔から食べる文化が存在し、ごく少数を食べるために取ることは自然の理にもかなっていることで、異文化の人にどうこう言われる筋合いはないと考える。食は文化であって、民族ごとに宗教感や自然感も異なるのだから、鯨を食おうが、犬を食おうが、さそりを食おうが、それで何百年何千年と暮らしているのなら、外の人は心の中でどう思うかはもちろん自由だが、あれこれ言う問題ではないだろう。
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