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月と六ペンス(訳:阿部知二) 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 1970/04/16 |
| JAN | 9784003225424 |
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月と六ペンス(訳:阿部知二)
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商品レビュー
4
76件のお客様レビュー
今回最も印象に残ったのは中野好夫さんの訳文でした。奥付の初版日付は昭和34年。ということは、おそらく昭和30年代初めの仕事だと思われますが、実にこなれた訳文でいきいきとしていた。最近は改訳が流行りだけれど、これはこのまま現代でも違和感が無い。いや、すばらしい仕事です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『月と六ペンス』という題にはおそらく様々な対比が込められているのだろうと思います。例えば、夢と現、芸術と世俗、美とそのほか全ての安っぽさ、狂気と日常など。 「彼の生活は、ふしぎと物質的なものとは絶縁していたので、それで肉体が、ときどき精神に恐ろしい復讐をしているかのようだった」 「ストリクランドは漠然と、物質的なものの中に何か精神的なものを見たのだが、それがあまりにも異様なものだったから、不完全な象徴で暗示するしかなかったのだと思う」 この文を読んだとき、『月と六ペンス』とは精神と物体(肉体)のことかとも思われました。ストリクランドは絵を描くという精神的な行為だけを求めているけれども、それでも腹は空き、肉欲は湧き、病気にもなる。使命に燃える精神と現実にある肉体が葛藤しているような生き様だと思えてなりません。 ストリクランドの絵は終盤まで徹底して描写されませんでした。ストリクランドの死後やっとクートラ医師から語られる彼の絵の描写には息を飲みました。そして何度も読み返しました。 「凄まじい、肉感的な、情熱的なものであり、しかもまた一方では、そこに何か恐怖で圧するものがあって、彼をひるませた。それは、自然の隠された奥底を掘りおこし、美しく同時に戦慄的な秘密を発見した人間の作品だった」 「くすんだ青色で、優雅な彫刻をほどこした瑠璃石の鉢のように不透明だったが、それでいて神秘的な生命の鼓動を思わせるような、打ちふるえる光輝をもっていた。なまの腐肉のように、ぞっとさせる紫色もあったが、それでいて、ヘリオガバルスのローマ帝国のおぼろげな追憶を呼びおこす、灼熱する肉の情熱をともなっていた」 そんな作品を残したストリクランド。タヒチ島へ赴き彼のために筆を執った私。ストリクランドと反対の運命に生きたストルーフェ。彼の生き方と作品を見届けたアタ。 ストリクランドはどこまでも芸術への殉教者であったし、これはサマセット・モームの考える理想の芸術家なのだろうということも伝わりました。 とにかく文章が面白かったので全て読みました。また読み返そうと思います。
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20世紀初頭のイギリス・フランス・タヒチを舞台として、奇妙な画家ストリックランドの生涯をその知人の視点から描く。 ミステリーでもアドベンチャーでもないのに、次々に頁を追ってしまう。 確かに名作と呼ばれる一冊ではある。 解説はかなり詳細に記載されており、タイトルの「月」は理想、...
20世紀初頭のイギリス・フランス・タヒチを舞台として、奇妙な画家ストリックランドの生涯をその知人の視点から描く。 ミステリーでもアドベンチャーでもないのに、次々に頁を追ってしまう。 確かに名作と呼ばれる一冊ではある。 解説はかなり詳細に記載されており、タイトルの「月」は理想、「六ペンス」は現実の比喩であることや、女性蔑視表現は当時のモームの夫婦仲を示唆していることが指摘されている。
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