プリンツ・オイゲン・フォン・サヴォア 興隆期ハプスブルク帝国を支えた男

デレックマッケイ【著】, 瀬原義生【訳】

• 販売会社／発売会社: 文理閣
• 発売年月日: 2010/05/01
• JAN: 9784892596193

商品レビュー

2016/02/16

図書館ってありがたい。
オイゲン公について、また知りたくなって読んでみたけど・・・いろいろ重かった。

ホーフブルグの英雄広場にも銅像があるくらいだし、さぞかしご存命当時から大活躍されたのだろうと思っていたら、当然負けたら批判を受けるし、政治に口出せば嫌味を言われるし、かといって、口を出さなくても陰口たたかれるしといろいろ大変だった時期もあった模様。

戦争も強いし文化的なオシャレなおじ様のイメージを勝手に持っていたけど、そうでもなかった？のかも。

しかし本当にハプスブルグ家は運が強い。
オイゲン公側から見ると動きも遅いし、位が低くてもいいから有能な人を送ってよ！！っとイライラさせられることも多々あって、それでも結局600年以上生きながらえてしまうんだもの。

数々の戦争を勝ち抜いてきたのが、彼の功績だとすれば、彼無しでも機能する軍隊を作れなかったことが彼の失策というのがまたかっこいい。
そして、子孫を残さず、遺言もきちんと遺さなかったがゆえに数々の財産が逸材してしまったのも、また失策だとか・・・。でも、それはそれでやっぱりかっこいい気もする。

2016/01/31

オーストリアの名将プリンツ・オイゲンの伝記。彼が従事した対トルコ戦争、スペイン継承戦争におけるオイゲンの行動、オイゲンがオーストリアの外交政策の中心になってからの対ヨーロッパ外交について、この本で全体像を掴める。もちろん彼個人の行動だけではなく、頻繁に生じる資金不足によって軍の規律が崩壊し、かなりの制約がかかっていたことも容易に見て取ることができる。この伝記を読む限りでは、軍制の機能性が格段に劣っていたなかで、マールバラ公との協力によってスペイン継承戦争を闘いぬいたオイゲンの能力は賞賛されてしかるべきであろう。