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桐畑家の縁談 集英社文庫
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桐畑家の縁談 集英社文庫

中島京子(著者)

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桐畑家の縁談 集英社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2010/04/19
JAN 9784087465624

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桐畑家の縁談

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商品レビュー

3.3

29件のお客様レビュー

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2025/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

以前、氏の『花桃実桃』を読んで、何だかライトだなぁーと感じました。 個人的にはそういうライトめな作品はそこまで好みではないのですが、前回の川上未映子氏の作品でも書いた通り、私、一年に数回ドカ買いしてそれを順次消化する、という具合の読書をしております。 それゆえ、中島氏の作品を再び読むことに(つまり数作まとめて買ったんです)。でこれまた川上氏の時と同様、今回(二作目)は結構いい! そう考えると、たった一つの作品でその作家全体を判断するっていうのはなかなかできませんね。 でも私、結構第一印象を引きずるタイプの人間なので、都度購入をしていたら、「二作目」に出会わない可能性は高い。速攻見切りをつける。その意味で、このドカ買い形式は自分の良くない性向を回避する、割かし良い購買方法なのかもしれません。 ・・・ で、本作『桐畑家の縁談』ですが、内容は前回読んだ中島作品と同じく、ほのぼの系・ライト系。 結婚にも踏み切れず、新たな就職活動もできず(絶賛無職中)、妹のアパートに居候する、外づらよさめで「青い鳥」を求める露子と、無骨?で真面目で他人のコントロールが効かない佳子がメインキャラ。 この妹佳子が台湾人の留学生と結婚することで起こる、周囲の騒動(というかざわめきくらい?)と露子の心象変化みたいなところが筋。 ストーリ展開的には、個人的にはふうん、でしたが、今回ふと気づいたのは中島氏の文章の上手さ。まあ作家さんなのでそりゃ上手なのですが、彼女のユーモラスな書きぶりはどうやって可能になるのか、読んでいて気になってきました。 とりわけ私が面白いと感じたのは「かき餅」のくだりで「十条のおじさん」を紹介する下り(P.127-128)。桐畑家は叙情派ではなく、他方十条のおじさんを桐畑家ではロマン派と呼んでいた。何しろ若い頃は詩集を自費出版してしまったり、お見舞いに行くと俳句のような文語調のお礼状が届いたりと。で、妹の佳子が先に嫁入りしたことから、姉の露子が「行き遅れ」の役をあてがわれてしまってしまい、偉く同情され、それが癪だという露子の心象を描く部分。 このあたりがねえ、実に見事に面白かったのですよ。 露子というのは、けっこう浮ついた、ふわふわした感じのタイプの女性なのですが、こうした方が予期しない小難しい表現を繰り出すとちょっと面白いんですかね。ロマン派、叙情派、行き遅れ、あてがわれる、とか。 高校の時に、ロン毛でパーマがかった髪型の先生がいたら、速攻であだ名が「バッハ」になる、みたいな。しかもその先生がロマンとか感情とかとかけ離れた、カチッとした数学が担当だったり。 何かを言い表すとして、直感的に「まさにそれ!」っていう表現が、まさかの方向(発言者、引用元)から飛んできたギャップ、このあたりの組み合わせが絶妙なのだと思います。 お笑いとかもそうですが、人を笑わせる、くすっとさせるって、実は簡単ではないですよね。その形式、表現にも興味が湧いてくる今日この頃であります。 ・・・ ということで中島氏の作品はこれで二作目。 先週は仕事が忙しくて心がささくれ立ち、こういう時はケータイで時間を無駄遣いする傾向があるので、時間を浪費する前に速攻本棚から一冊取ってきて読んだのが本作でした。一晩で読了 読み口や内容は非常にライトですが、その実よくよく見ると、表現や描写はカニカマのごとくぎちぎちに密度が詰まっているのだ、感じました。 ユーモラスな文章が奏でるように書けるって素敵ですね。その裏には数知れない推敲があるのではあるはずでしょうが。

Posted by ブクログ

2023/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

素敵な本と出会ってしまった。 淡々と進んでいくなかで、心に響く言葉がポロポロと落ちている。それを拾うのが、私だけの宝物を見つけているようでした。 『主人公というのは「すじ」や「セリフ」を設定してくれる優秀な作者あったこそ存在するのだ。ブレーンもなしに実人生に投げ出され、前にも後にも進まなくなっているなんて、ああなんてやっかいなんだろう。』 「人生は自分が主人公」という概念があるなか、目からウロコの言葉でした。

Posted by ブクログ

2022/06/12

姉の露子と、妹の佳子。 佳子が台湾人青年と結婚する事になり、その時期をめぐる露子と佳子の散文的な日々の記録。 「結婚」がテーマであるようであり、実際にはあまりそれにはこだわっていない本だ。 個人的に、露子の過去の恋愛(カメラマンの竹内)について心が傷んだ。女性の中には、こういう...

姉の露子と、妹の佳子。 佳子が台湾人青年と結婚する事になり、その時期をめぐる露子と佳子の散文的な日々の記録。 「結婚」がテーマであるようであり、実際にはあまりそれにはこだわっていない本だ。 個人的に、露子の過去の恋愛(カメラマンの竹内)について心が傷んだ。女性の中には、こういう経験、つまり、恋愛において、相手からの愛情を得ることができずに苦しんだ経験を持つ人はきっと多いと思う。私にも心当たりがある。 相手が竹内のように悪い男でなくても、そういう経験、依存心は、思いの外長期にわたって自分の心をを苦しめるものだ。 露子が大事にして、誰にも見せないでいたクロッキー。 それを中華食堂の中で、みんなで見て褒めてくれるウー・ミンゾンとその仲間。 露子にとって彼は、外国人を通り越して異星人のような存在。だからこそさらけ出せたのだろうか。 佳子がウー・ミンゾンと結婚を決めたことについて、佳子にとってウー・ミンゾンと出会う前の世界には、特に未練を残すようなものはなかったのだろう、という表現にも、はっとさせられた。 現代にあっても、女性にとって人生の一大決断と言うのは、「結婚」「出産」であったりすることがまだまだ多い。 私も、出産前と後では、人生や取り巻く環境が大きく変わった。変わってしまった。 夜遅くまで働くこと、週に何度も飲み会に参加すること、友人同士で旅行をすること。それらについて、楽しかった思い出も、もちろんある。でも、それらは私に出産を思いとどまらせる力はなかったし、それらに未練を残したり、それを諦めたくないと思えるようなものではなかった。 ウー・ミンゾンと結婚することは駆け落ちではないし、結婚によって佳子がそれまでの人生を捨てるのとは違う。それまでの人生の地続きの中に存在する出来事だ。そうであっても、きっとこの結婚によって、少なからず佳子の人生には変化を生じる。なんとなく読んでいてそれが分かるから、最後の蕁麻疹?も含めて、露子も私も、淡々としている様子の佳子を愛しいと思うんだろう。 この本には、自分の人生と照らし合わせて、それで忘れていたことを思い出してはっとするような、そんな文章が満載だった。 結婚にかぎらず、女の人生、生き方。 外国人との交流に関するところも、面白くてクスッと笑えた。 何気なく手に取った本だったけど、思いがけず良い本だった。

Posted by ブクログ

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