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桐畑家の縁談 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2010/04/19 |
JAN | 9784087465624 |
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桐畑家の縁談
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商品レビュー
3.2
29件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
素敵な本と出会ってしまった。 淡々と進んでいくなかで、心に響く言葉がポロポロと落ちている。それを拾うのが、私だけの宝物を見つけているようでした。 『主人公というのは「すじ」や「セリフ」を設定してくれる優秀な作者あったこそ存在するのだ。ブレーンもなしに実人生に投げ出され、前にも後にも進まなくなっているなんて、ああなんてやっかいなんだろう。』 「人生は自分が主人公」という概念があるなか、目からウロコの言葉でした。
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姉の露子と、妹の佳子。 佳子が台湾人青年と結婚する事になり、その時期をめぐる露子と佳子の散文的な日々の記録。 「結婚」がテーマであるようであり、実際にはあまりそれにはこだわっていない本だ。 個人的に、露子の過去の恋愛(カメラマンの竹内)について心が傷んだ。女性の中には、こういう...
姉の露子と、妹の佳子。 佳子が台湾人青年と結婚する事になり、その時期をめぐる露子と佳子の散文的な日々の記録。 「結婚」がテーマであるようであり、実際にはあまりそれにはこだわっていない本だ。 個人的に、露子の過去の恋愛(カメラマンの竹内)について心が傷んだ。女性の中には、こういう経験、つまり、恋愛において、相手からの愛情を得ることができずに苦しんだ経験を持つ人はきっと多いと思う。私にも心当たりがある。 相手が竹内のように悪い男でなくても、そういう経験、依存心は、思いの外長期にわたって自分の心をを苦しめるものだ。 露子が大事にして、誰にも見せないでいたクロッキー。 それを中華食堂の中で、みんなで見て褒めてくれるウー・ミンゾンとその仲間。 露子にとって彼は、外国人を通り越して異星人のような存在。だからこそさらけ出せたのだろうか。 佳子がウー・ミンゾンと結婚を決めたことについて、佳子にとってウー・ミンゾンと出会う前の世界には、特に未練を残すようなものはなかったのだろう、という表現にも、はっとさせられた。 現代にあっても、女性にとって人生の一大決断と言うのは、「結婚」「出産」であったりすることがまだまだ多い。 私も、出産前と後では、人生や取り巻く環境が大きく変わった。変わってしまった。 夜遅くまで働くこと、週に何度も飲み会に参加すること、友人同士で旅行をすること。それらについて、楽しかった思い出も、もちろんある。でも、それらは私に出産を思いとどまらせる力はなかったし、それらに未練を残したり、それを諦めたくないと思えるようなものではなかった。 ウー・ミンゾンと結婚することは駆け落ちではないし、結婚によって佳子がそれまでの人生を捨てるのとは違う。それまでの人生の地続きの中に存在する出来事だ。そうであっても、きっとこの結婚によって、少なからず佳子の人生には変化を生じる。なんとなく読んでいてそれが分かるから、最後の蕁麻疹?も含めて、露子も私も、淡々としている様子の佳子を愛しいと思うんだろう。 この本には、自分の人生と照らし合わせて、それで忘れていたことを思い出してはっとするような、そんな文章が満載だった。 結婚にかぎらず、女の人生、生き方。 外国人との交流に関するところも、面白くてクスッと笑えた。 何気なく手に取った本だったけど、思いがけず良い本だった。
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妹の佳子が台湾人の瓶底メガネの青年と結婚すると言い出すところから始まる物語。特にドタバタした感じはなく、少し変わった妹と無職の姉である露子が少しこれから先について考える。露子は商社び勤めていたが退職し、デザイン会社に転職したが倒産。そのあとはぶらぶらしてる。妹の佳子は、日本語学校...
妹の佳子が台湾人の瓶底メガネの青年と結婚すると言い出すところから始まる物語。特にドタバタした感じはなく、少し変わった妹と無職の姉である露子が少しこれから先について考える。露子は商社び勤めていたが退職し、デザイン会社に転職したが倒産。そのあとはぶらぶらしてる。妹の佳子は、日本語学校の事務をしていて、そこで知り合った台湾人と恋人になり結婚することに。 なんというかこの台湾人がすごい。私、台湾人の知り合いいないからかもだけど、すごく明るいというかなんというか。日本語も碌に喋れないのに、ホテルのフロントのバイトに応募したり、バイト先の中華料理屋に友達をどんどん呼んで繁盛させたりとすごい。行動力すごい。佳子とのことだってそうだった。 そして、露子の恋もなぁ。忘れられないあの男。ひどいやつだけど、そうやって生きてきたんだろうし、今の恋人の渡辺邦夫もなんかなぁと思う。露子も幸せになって欲しい。 2021.6.13 読了
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