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日曜日の随想(2009)
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社 |
| 発売年月日 | 2010/03/25 |
| JAN | 9784532167370 |
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日曜日の随想(2009)
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『母は後ろ向きのまま、何かをしていた。何をしていたのだろう。もしかしたら、いいことばかりではなく、とんでもない悪事であったかも…などとわたしの妄想はふくらんでいくが、わたしを育てたのは、母であると同時に、あの暗がりであるような気がする』-『二月十五日、小池昌代』 好きな作家の文...
『母は後ろ向きのまま、何かをしていた。何をしていたのだろう。もしかしたら、いいことばかりではなく、とんでもない悪事であったかも…などとわたしの妄想はふくらんでいくが、わたしを育てたのは、母であると同時に、あの暗がりであるような気がする』-『二月十五日、小池昌代』 好きな作家の文章が読みたくて、この本を手に入れる。真っ先に読んでしまっても良いのだけれど、順番通りに読んでいってたどり着くのをじっと待つ。ああ、この人も書いている、あの人も、とうれしい出会いがある。印刷されたものは日々自分のかたわらを通り過ぎているはずだというのに。 同じような長さの文章でありながら、何とか余白を埋めているような感じが漂う文章があるかと思えば、さあいよいよこれから面白くなるよと思わせておいてお終いになってしまう文章もある。ずしりと重い、かっちりとした事実に根付いた話をする人もいるかと思えば、思いは伝えつつもさらさらと流れてゆく文章を書く人もいる。ばらばらで面白い。そんな中、好きな作家の人たちは、ちょうどよい文章を書いていることを発見する。 何が、ちょうどよい、のかと聞かれても、きっと上手く答えることはできないのだけれど、何を語ろうとしているのかな、という気持ちを上手に受け止めてくれる文章がそこにはある、と言えばよいだろうか。とりとめもないようなことを書いているようで、小さく、あくまで小さく、はっとさせる何かに突き当たる文章。それはとても限られた紙面では解き明かせないような大きな疑問符のつく問題であるはずなのに、あくまでさりげなく提示されている。小気味よい。 そして、それらの大きな疑問符のつく問題は解決されることは、もちろん、ない。にも関わらず、作家の中に確信に満ちた答えがあることが見通せる。その押し引きの加減も、また、ちょうどよい。アルミ缶の中の炭酸水ではなく、瓶詰めの炭酸水を飲む時のような気持ちのよさ。適度にぴりぴりと弾ける泡。飲み込んでしまえば、それで終わりなのだが、ほんの少し惜しいような気持ちを抱かせつつも、甘味の付いた炭酸飲料のようなしつこい後味もなく、人工的な渇きも刺激することはなく、消えてゆく。ちょうどよい、という気持ちだけが残る。 『そして恐ろしさのあまり記憶の奥底へと封印され、催眠術で子どものころの記憶を呼び覚ましてそんな事実が出てくる、なんてことを勝手に想像してみるが、実際のところはまったく手がかりがない。そういう、説明のしようがない感覚は、いったいどこからやってくるんだろう』-『五月三日、柴崎友香』
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