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聖餐城 光文社文庫
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聖餐城 光文社文庫

皆川博子【著】

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聖餐城 光文社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2010/04/20
JAN 9784334747565

聖餐城

¥1,650

商品レビュー

4.2

22件のお客様レビュー

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2024/08/23

 タイトルを見て、ダークファンタジーだと思ったら、壮大な歴史小説でした。 世界史に疎いので、分厚さにまず畏れをなす。 17世紀のヨーロッパが舞台で、『30年戦争』(1618年〜1648年)の中を生きる主人公を描いている。 場所は、現在のドイツ語圏あたり。 旧教・カトリックと、新教...

 タイトルを見て、ダークファンタジーだと思ったら、壮大な歴史小説でした。 世界史に疎いので、分厚さにまず畏れをなす。 17世紀のヨーロッパが舞台で、『30年戦争』(1618年〜1648年)の中を生きる主人公を描いている。 場所は、現在のドイツ語圏あたり。 旧教・カトリックと、新教・プロテスタントの「宗教戦争」を発端に、領土争いや掠奪合戦で泥沼化。末期には王政に対する市民の蜂起にもつながっていく。 戦争で国土が荒れる、とはよく耳にするけれど、ドラマなどではややもするとナレーションで終わってしまいがちなところを、傭兵による激しい掠奪、放火、村人は面白半分に腹を裂かれたりして殺され、女はさんざん犯されて殺され・・・という地獄の光景をこれでもかと言うほど生々しく描いている。ぐちゃぐちゃの臓物が脳裏に浮かんだり、血のにおいがムッと鼻をつきそうである。  主人公のアディは、馬の腹の中に首だけ出して縫い込まれていたところを女商人に助けられたという生まれで、文字通り、何処の馬の骨とも知れない。 傭兵を稼業とする貴族・フロリアンに憧れて兵士となり、その青年時代・壮年時代のほとんどを戦争の中で生きて、成長していく。 戦争の行方をも左右する財力を持ったユダヤ人一家の、末息子・イシュアとの友情と絆。 差別階級の女性への変わらぬ思い。 しかし、アディの一番の忠誠は、常にフロリアン隊長に捧げられていた。 アディは過酷な運命の中にあっても、誠実である。しかし、彼が自分の思いに正直であろうとするほどに、愛する人たちを無意識に傷つけてしまうこともある。 アディ、イシュアに次ぐ三人目の主人公とも言っていいのが、イシュアの長兄にして、コーエン家の家長シムションである。 シムションは、悪い人物ではない。 常識的であり、商才もあり、ユダヤ人社会のために貢献したい気持ちも大きいが、どこか人間が小さく、姑息な手を使っては信用を失うなど、残念な人である。しょうがないなあ・・・と思いながら見守りたくなる。 高潔な英雄がいれば、こういう人物も必要である。 コーへン家の次男のバアルは、大人物ではないが手堅く生きている感じがする。 イシュアこそは・・・ファンタジーの登場人物の様相を呈している。身体的な弱味があるが、頭脳は極めて明晰で博学、占星術で戦の行方を占い、冷静で思慮深く・・・そして執念深い。アディに対して一途な思いがあるようだが、時にポロッとこぼす一言にも、戦闘に忙しいアディが全然気づいていない様子なのがやれやれ。イシュアはひねくれて見えるが健気でもある。 アディも、イシュアも、シムションも、戦争の中でそれぞれの夢がある。それは、生あるうちに叶うものなのか・・・ ———————————————— 余談になるけれど、この30年戦争(1618〜1648)の時代、日本では戦国時代が終わり、3代将軍家光(将軍在位1623〜1650)のもと、幕府が安定に向かっている時期である。 この家光の時代に日本は鎖国状態に入り、キリスト教の禁止令も出された。 この小説でヨーロッパの状況を知るにつけ、陸続きは大変だなあと思う。 遠く離れた島国でよかったと思うし、さっさとキリスト教と縁を切った徳川幕府は賢明だとも思えた。

Posted by ブクログ

2021/11/04

分厚い単行本でかなり威圧感があったが、中だるみする事なく、最後まで一気に読めた。 歴史的な背景と多くの登場人物はノンフィクションで、戦争の経緯だけでなく、当時の風俗や経済事情なども分かって楽しい。

Posted by ブクログ

2020/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三十年戦争のことをきれいさっぱり忘れていたので、馴染みのない地名、人名などを連発されると世界史の教科書を読んでいるようで前に進めず、最初の100頁位まで苦労した。 でも錬金術などのワードが出てきた辺りから俄然面白くなり、教科書的な記述は時々は調べ、時々は読み流し…という風にしてどんどんペースを加速させていった。 一番印象的なのは戦争の描写が見てきたような臨場感で描かれること。地理的にも年代的にも遠い世界を追体験させる文章はさすが皆川さんの一言。教科書的な記述は読者への配慮だと思うので、歴史を頭の中で整理し、理解を深めていればもっと楽しめたと思う。 正直、この物語の中であまり語られなかったこと(アディやイシュアの出生の秘密、イシュアの内面、錬金術関連…)の方に興味があったので少し物足りなさが残った。

Posted by ブクログ

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