大仏男

原宏一【著】

• 販売会社／発売会社: 実業之日本社
• 発売年月日: 2010/03/23
• JAN: 9784408535685

商品レビュー

2019/09/03

売れない漫才コンビからの大変身青春コメディ。

事務所預かりからもクビになったカナとタクロウの漫才コンビは、霊能者ネタで一儲けすることを思いつく。

大仏卓郎の霊視相談は、予想に反し巷で噂になり、カリスマ性を増していく大仏男。

元事務所の若者も加わり、財界、政界、官界へつながりを広げ、金回りが良くなるにつれ、カナは自分が何をしたいのかを見失っていく。

大仏男の人気の陰で、私腹を肥やそうとしている汚い大人たちの野望に触れ、カナとタクロウは動き出す。

社会風刺でもありつつ、甘酸っぱい恋愛も描く、小技が光るお話。

2019/05/01

原ワールドですね。
どんどん　内容が　大きく膨らんで
最後は　はじける。
でも　ラストは　ほんわか　庶民的　幸せで　終了。
良かった　めでたし　めでたし。

2015/05/02

売れないお笑い芸人コンビ、カナとタクロウ。
タクロウは常に何も言わずにカナについていく。
ネタにしていた霊師相談が、霊媒師「大仏卓郎」となった時もホンモノになりきって、カナを助ける。

ネットで話題になり、瞬く間に大物を相手にする商売に拡大していき、引き戻れなくなった二人だが、今度はタクロウがこのまま突き進むことを提案し、カナを引っ張っていく。

つまりは、カナとタクロウの愛情物語なのだが、カナの必死さとタクロウの大仏のようなどっしりとした愛情がとんでもない詐欺話を人と人の関係の話に変えていく。

カナ目線が多く、もう少しタクロウ目線もほしかったなと思うが、一気に読めた。