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大島渚と日本
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大島渚と日本

四方田犬彦【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2010/03/20
JAN 9784480873620

大島渚と日本

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商品レビュー

4.5

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2013/07/10

2013年は、私にとって大島渚再発見の年になった。 リアルタイムで観たのは『戦メリ』以降。スキャンダラスな映画を撮り、TVで怒鳴っている変なジイさん・・・という印象しかなかった大島が今年1月に亡くなり、文芸座の回顧上映で初めて触れた60~70年代の大島作品は、ただただ衝撃的だった...

2013年は、私にとって大島渚再発見の年になった。 リアルタイムで観たのは『戦メリ』以降。スキャンダラスな映画を撮り、TVで怒鳴っている変なジイさん・・・という印象しかなかった大島が今年1月に亡くなり、文芸座の回顧上映で初めて触れた60~70年代の大島作品は、ただただ衝撃的だった。この本の冒頭で述べられているように、ひとつの個として「日本」に対峙し、「日本」を抉り通す凶器のような映画を撮り続けた映画人が、ほかにいただろうか。 大島が抉りだそうとしたものを、もっと観たい、もっと語りたい。と思っているときに発見した本書は、その欲望にかなり的確に応えてくれる。作家の生い立ちから始めて初期作品から順に・・・という決まりきった作法を踏まず、大島作品の構造をつかむために、まず常連俳優の顔ぶれから書き起こし、次にとりあげるのが、大島作品における歌だ。『儀式』や『日本の夜と霧』で、軍歌や共産党の労働歌が高歌放吟されるシーン、戦後日本における対立する諸イデオロギーがまったく噛み合うことなく共存し、そのままカオスになだれこんでいくさまは、まさに「劇的」であった。そして、思想的対立と矛盾を止揚することなく場に君臨して支配する「日の丸」という黒い太陽、そのような「日本」にとってのアブジェクションとしての「朝鮮」へと、議論は展開していく。 その研ぎ澄まされた様式美で評価されることもある大島作品だが、作家の「文体」に拘泥する通常の評論では大島の本質を論じることはできないと喝破し、権力と主体との関係をめぐる主題の変遷と断絶に焦点を据える。たしかに、過激な作風がつねに注目されていたものの、大島本人の「即物的現在における作品をつくらなければ、現在の人々を組織していくことはできないのではないか」「映画を撮り続けることは苦痛であり、映画監督を職業とすることは屈辱である」といった言葉を知ると、彼がいかに真摯に社会の中の映画作家としての自分の行為に意識的であったかに気づき、背筋が伸びる思いだ。四方田氏もまた、ありがちな評論のスタイルから離れ、論末で10カ条にわたり「大島が果たした革命的役割」を挙げるなど、評論家として真摯にこの作家と対峙している。 個人的にたいへん興味深かったのは、『夜と霧』論のなかで増村保造の『偽学生』を挙げて、大島が切り捨てたものに光をあてているところだ。一方で、大島におけるホモソーシャリティと「他者」としての女、レイプという問題に関しては、いささか議論が弱いような気も。『愛のコリーダ』で、2.26事件に揺れる世間に背を向けてセックスに没入するという消極的な決断をするのは男の方なのだ。 また、大島作品で印象的な武満徹の音楽や声の多重性に触れる議論もほしかったところだが、それは求めすぎというものかも。 それにしても、大島の最後の作品が『御法度』であったのは、自分としてはやはり残念だった。知的に挑発的な映画を撮っていた大島が、晩年にはほとんど映画制作ができず、表現の場をせばめられてしまったのは、社会全体にとって深刻なことだ。せめて大島の作品がちゃんと見られ評価される機会がもっとあればと思う。

Posted by ブクログ

2010/03/31

今年78歳、大島渚は1932年3月31日岡山県生まれの映画監督。 やだ、この怠惰な私は『愛のコリーダ』と『愛の亡霊』を、せっかく手に入れたのに、まだ見ていませんのことよ。 それにしても、本書の著者・四方田犬彦の強い意志と縦横無尽な動向により、昨年のうちに現代思潮社の著作集全4...

今年78歳、大島渚は1932年3月31日岡山県生まれの映画監督。 やだ、この怠惰な私は『愛のコリーダ』と『愛の亡霊』を、せっかく手に入れたのに、まだ見ていませんのことよ。 それにしても、本書の著者・四方田犬彦の強い意志と縦横無尽な動向により、昨年のうちに現代思潮社の著作集全4巻も出揃って、再評価というか改めてその意義を問う機運がせっかく盛り上がり高まって来たのに、肝心の作品そのものが、たとえば全映画22本をすべて購入しようとすれば多分4~5万はするでしょうし、頼みの綱のツタヤでは12本位しか揃えてもらっていないので、見ることそのものがなかなかむずかしい情況にあることは否めません。 あるいは、すべてリアルタイムで映画館で見た父でさえ、すでに記憶を喪失している作品や不鮮明なある部分をもういちど確認したいと言わせるほど、はるか40年前に見た映画は記憶の劣化が激しいのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ この感想へのコメント 1.オヤオヤもんど (2010/04/03) 戦場のメリークリスマスで坂本龍一さんとたけしさんに映画の世界に導いたんですよね、思い出深い一本です。 御法度以降、新作が、まだなのが気になります。 新宿泥棒日記を観ています、横尾忠則さんが紀伊国屋書店で万引きするシーンがあるんですよね… あと、おさるさんが出てくる映画、題名、何でしたっけ… 観た記憶なんですけど……あいまいだ…ゴメンナサイ… 2.薔薇★魑魅魍魎 (2010/04/08) あっ、私もその『マックス、モン・アムール』、お猿さんの映画を見ていないのに気がつきました。 どうも動物ものは、何故かとっつきにくくて敬遠していたのがあだになってしまっています。 本当はまたぜひ撮ってほしいのが真情ですが、ご病気の進捗状況をみると、残念ながらかなり無理そうです。それならば、口述筆記でもいいから、映画論とか映画にまつわるエッセイなど書いてほしい気持ですけれど・・・。

Posted by ブクログ