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さすらう者たち
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2010/03/30 |
JAN | 9784309205373 |
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さすらう者たち
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商品レビュー
3.8
17件のお客様レビュー
文化大革命の少し後が舞台になっている。 1人の女性が死刑になる。 共産党に批判的なことを言ったからというのが表向きの理由だが、実際には、共産党に良く思われていない家系出身のボーイフレンドが評価されたくて彼女を売ったこと、党の偉い人が腎臓移植をしたかったので、適合しそうな彼女を死...
文化大革命の少し後が舞台になっている。 1人の女性が死刑になる。 共産党に批判的なことを言ったからというのが表向きの理由だが、実際には、共産党に良く思われていない家系出身のボーイフレンドが評価されたくて彼女を売ったこと、党の偉い人が腎臓移植をしたかったので、適合しそうな彼女を死刑にしたことが背景にある。 その死が理不尽だとして、地元の社会で抗議集会が起きる。集会の中心人物は危険を知っていたが、多くの人々は、無力な自分達が意見を言ったところで、無視されるのがせいぜいで罰は受けないかもと思っていた。しかし集会後に参加者は逮捕されて拷問を受ける。 その社会で、それぞれの立場で悲しみや秘密を抱えて生きる人々の群像劇。 一方的な暴力と理不尽な世界。まだ貧しく、お互いに助け合う力も十分ではない。 1980年ごろと考えるなら、今から44年前。父親が自身の過ちにより拷問され、障害者になった少年が出てくる。今なら50過ぎか。今の彼なら、振り返った時どう思うのだろう。 また、日本なら、1923年の特高警察から1967年の変化になるのだろうか。 登場人物たちの哀しさや、私たち全体を取り巻く社会のありようなど、考えが広がっていく。深くて大きい感動で、色々と考えてしまう。
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“ちゃんと彼らをみて”と本の向こうからイーユン・リーが語りかけてくる。“目をそむけないで“と。 だから僕は、痛みと哀しみに満ちた時代に生きる人々の物語を読む。 単純に共感できたり、入れ込める人物はいない。党という暴力装置に誇りと家族を奪われて擦り切れて行く老人、虐げられ世間に唾を...
“ちゃんと彼らをみて”と本の向こうからイーユン・リーが語りかけてくる。“目をそむけないで“と。 だから僕は、痛みと哀しみに満ちた時代に生きる人々の物語を読む。 単純に共感できたり、入れ込める人物はいない。党という暴力装置に誇りと家族を奪われて擦り切れて行く老人、虐げられ世間に唾を吐きかける少女、英雄に憧れる世間知らずの少年、蔑まれ軽んじられている小児性愛傾向がある青年。 だが、繊細に描かれた彼らの心の震えを追っていくと、僕の心も強く揺さぶられる。いつしか遠い見知らぬ誰かではなくなる。寝ぼけた価値観が蹴飛ばされる。 中国全土を混乱に陥れた政治運動「文化大革命」の終結が宣言されてから2年。中国建国初の民主運動として、首都で民主の壁運動(北京の春)が起きる。政治の思惑で許された束の間の言論の自由は、たちまち弾圧されていく。 そんな時代背景を纏って作中で渾江市民がとった行動は、1989年天安門事件、2014年雨傘運動、2022年白紙運動と続く隣国の苦しみに続いている。 ニュースが伝えることの後ろに、一人ひとりが抱える葛藤や怯え、迷いがあることに思いを馳せる。 リーが語る通り、人々は歴史の中ではなく、それぞれの今を生きているのだから。
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おそろしなるかな全体主義国家。 改革解放路線になったとはいえ、著者はこれを書いた後、中国に帰れているのかしら。
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