宗教と現代がわかる本(2010)

渡邊直樹【責任編集】

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 2010/03/04
• JAN: 9784582702866

商品レビュー

2010/07/20

今回は宗教とメディアに関するものが多い。

特集は「宗教と映像メディア」で今さらかというところもあるが、雑誌であるので堅苦しくもなく様々な観点からの宗教とネット・アニメ・映画・テレビとの関わりを伝えてくれる。
　これはどんな問題にも出てくる言葉になっているけどリテラシーを身につけないとね。というところは根底意識としてあるのだろう。
　宗教リテラシー、映像情報リテラシー、ネットリテラシー・・・。
なんだかめまいがしそうな世の中だけど、全ての情報には大なり小なりバイアスがかかっているのは常に考えておくべきだし、そもそもの事として何かを調べる際に引っかかってくる情報の量自体に大きな差がある。
お手軽な情報ばかり集めていると予想以上に偏っていたりするわけだ。

この雑誌は200７年から年に一度刊行されていて今年で4冊目となる。
宗教周辺を研究している人達が一般向けに揃うのもなかなか無いので、興味が有れば試しに読んでみるのも良いと思うけど、まあ一般向けだが一般向けじゃないよねという本なので特にオススメはしない（笑）

扱っている範囲は広いので、目次でも見て（長いです(￣Д￣；；）ピンと来ればどうぞ（アマゾンでも在庫有ったよ2007から全部！）

カラーグラビア
聖地と祈り　写真＝野町和嘉

対談
聖地の感覚・宗教と巡礼・原初的な信仰の力　植島啓司×野町和嘉

インタビュー
想田和弘　患者さんと健常者を隔てているカーテンを取り除く
聞き手＝渡邊直樹

人物ルポ　
水木しげる　宗教とアミニズムを分けるものは何か
文＝大泉実成

特集　宗教と映像メディア
宗教を解体していく映像メディア　井上順孝
ネット時代の聖を求めて　服部桂
宗教を映像で扱うということ　森達也
テレビと宗教リテラシー　石井研士
アメリカにおけるテレビと宗教　藤原聖子
イスラーム世界と映像メディア　保坂修司
日本映画と地獄の表象　四方田犬彦
宮崎アニメが秘める宗教の本質　正木晃
幸福の科学の映像メディア利用　塚田穂高
長生きが不幸になる時代　立岩真也
「薬物のばらまき」はなぜ起こるのか　熊木徹夫
社寺のルーツをめぐって　武澤秀一
浦上天主堂はなぜ
　「もう一つの原爆ドーム」になれなかったのか　高瀬毅
仏恥義理で愛羅武勇　都築響一
大学におけるカルト勧誘の実態　川島堅二
ニュース記事の中の「宗教」　江田昭道

レポート
オバマ政権の宗教的側面　上坂昇
聖戦と法悦の伽藍　伊東乾
宗教法人優遇税制がもたらしたもの　藤田庄市
勝間和代ブームに見る現代の自己啓発　小池靖
非常勤ブルース　佐藤壮広

テーマ
平和の人類学がめざすもの　小田博志
反ユダヤ主義からイスラーム嫌いへ　臼杵陽
国境を越えるイスラームの宗派教育　桜井啓子
アフガニスタンについて知っておくべきこと　鈴木均
バチカンとローマ教皇　秦野るり子
イスラーム金融とは何か　櫻井秀子
中国共産党によるチベット仏教弾圧の歴史　石濱裕美子
韓国の政治的な「死」をめぐって　川瀬貴也
南伝仏教と北伝仏教の食の違い　森枝卓士
ハワイの宗教受容　稲場圭信
東アジアからみた儒教復興の展開　秦兆雄
天皇・皇后結婚五〇周年の祈りと言葉　髙橋紘
苦悩に向きあう僧侶の言葉　玄侑宗久
臓器移植医療における「弱者」とは誰か？　安藤泰至
裁判員制度に戸惑う宗教者　磯村健太郎
仏像ブーム　副島弘道

2009年 データ集
2009年 国内ニュース・海外ニュース　岡本倫子
気になる人物の発言集・2009年の物故者　井上まどか
気になる数字・データ集　碧海寿広
2009 年 展覧会レビュー
映画・ビデオ・DVD　井上順孝
宗教がわかる Bookガイド　塚田穂高・髙橋典史
話題の用語解説・新語解説　平野直子

索引
『宗教と現代がわかる本 2010』の編集・刊行にあたって
　渡邊直樹