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芥川龍之介 「不安」の諸相と美学イデオロギー
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芥川龍之介 「不安」の諸相と美学イデオロギー

藤井貴志【著】

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芥川龍之介 「不安」の諸相と美学イデオロギー

定価 ¥4,620

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 笠間書院
発売年月日 2010/02/28
JAN 9784305705044

芥川龍之介

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商品レビュー

3.5

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2025/12/10

芥川龍之介の作品に対して、従来「理知的」という評言があたえられ、芸術至上主義的な「美学イデオロギー」にもとづく解釈がなされてきました。本書では、こうした芥川解釈を解体することがめざされています。ただし、芥川にかんする従来の「神話」を裏返しにすることは、著者の意図ではありません。あ...

芥川龍之介の作品に対して、従来「理知的」という評言があたえられ、芸術至上主義的な「美学イデオロギー」にもとづく解釈がなされてきました。本書では、こうした芥川解釈を解体することがめざされています。ただし、芥川にかんする従来の「神話」を裏返しにすることは、著者の意図ではありません。あらたな「神話」化への誘惑を慎重にしりぞけながら、芥川を彼が生きた時代のなかに置いてその生涯と作品を読みなおす試みがなされています。 たとえば著者は、芥川が大学の卒業論文でウィリアム・モリスをとりあげたことに注目しています。いうまでもなくモリスは社会主義者ですが、この事実にもとづいて芸術至上主義者である芥川のかくされた側面を発見したと性急に主張することは、著者のとる態度ではありません。同様に、「理知的」な芥川との対比において、「情熱的」という位置づけがあたえられてきた江口渙をとりあげながらも、著者はわかりやすい対立図式のなかに両者を位置づけることをしりぞけ、ソレルの『暴力論』の受容史を参照することで、対立図式の二つの項が通底することを見ようとしています。 さらに著者は、芥川の「蜜柑」と「玄鶴山房」をとりあげ、マルクス主義の流行した当時の時代状況を踏まえつつ、芥川のテクストのうちにそうした時代状況から逸脱していく可能性を見いだそうとしています。そして、このような解釈のもとで、芥川の遺著にしるされた「ぼんやりとした不安」ということばの検討がなされます。「美的イデオロギー」にもとづく芥川解釈では、「ぼんやりとした不安」は芥川文学の非社会性としばしば関係づけられ、その限界を示すものとして解釈されることがあります。しかし本書では、むしろそうした「神話」からの逸脱を示すものとして、「ぼんやりとした不安」が解釈されることになります。 芥川の解釈を通して、文学研究という営みそのものの意義を考えなおすことをせまられるような、巨大な問いが押し寄せてくるように感じました。

Posted by ブクログ

2011/02/02

 思想史的な面から芥川龍之介にアプローチする研究書であり、ブランキ、モリス、ジンメル、ソレル「暴力論」、ロープシン「蒼ざめたる馬」、シェストフなど、言及対象は広い範囲に及ぶ。  例えば、三章では、大正期のジンメル受容を辿りつつ、芥川の一高時代以来の親友恒藤恭の著書『ジムメルの経...

 思想史的な面から芥川龍之介にアプローチする研究書であり、ブランキ、モリス、ジンメル、ソレル「暴力論」、ロープシン「蒼ざめたる馬」、シェストフなど、言及対象は広い範囲に及ぶ。  例えば、三章では、大正期のジンメル受容を辿りつつ、芥川の一高時代以来の親友恒藤恭の著書『ジムメルの経済哲学』(改造社、大正12年5月)におけるシュタムラー/ジンメルを主知主義/反主知主義とする構図が、当時の芥川評価にも重なるとしつつ、ジンメル社会学と芥川テクストを比較していく。  テクスト分析を含む論考としては、同時代の中産階級論を視野に収めつつ、「蜜柑」や「大導寺信輔の半生」を論じた六・七章がとてもおもしろい。「蜜柑」は、視点の逆転など短さにもかかわらず議論の切り口が多い短編だが、ここでも豊かな分析がなされている。  思想史と文学研究の接点をどのように開いていくか、この本は一つの形を示しているように思う。  参考:トゥギャッター「1910年代-1940年代の古書目録のようななにか」(http://togetter.com/li/35310)

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