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親鸞再考 僧にあらず、俗にあらず NHKブックス1152
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親鸞再考 僧にあらず、俗にあらず NHKブックス1152

松尾剛次【著】

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親鸞再考 僧にあらず、俗にあらず NHKブックス1152

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本放送出版協会
発売年月日 2010/02/26
JAN 9784140911525

親鸞再考

¥330

商品レビュー

3.3

3件のお客様レビュー

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2015/05/28

赤松俊秀の『親鸞』(吉川弘文堂)に代表される従来の親鸞研究は、『親鸞聖人伝絵』や『恵心尼文書』などの史料によっていました。しかし著者は、こうした親鸞研究は、本願寺派の基本史料のみに依拠していると指摘します。親鸞の生涯にかんする史料としては、ほかに高田専修寺派の『親鸞聖人正明伝』や...

赤松俊秀の『親鸞』(吉川弘文堂)に代表される従来の親鸞研究は、『親鸞聖人伝絵』や『恵心尼文書』などの史料によっていました。しかし著者は、こうした親鸞研究は、本願寺派の基本史料のみに依拠していると指摘します。親鸞の生涯にかんする史料としては、ほかに高田専修寺派の『親鸞聖人正明伝』や仏光寺派の『親鸞聖人御因縁』があり、著者はこれらの史料についても、厳密な史料批判を経たうえで利用するべきだと主張します。本書は、こうした史料を参照しながら、新しい親鸞像をえがき出す試みです。とくに、親鸞が法然の命にしたがって、九条兼実の娘の玉日姫と結婚したという伝承が史実だと認定している点など、これまでの親鸞の伝記には見られない説が採られています。 また親鸞の思想に関しては、『歎異抄』に代表される「悪人正機」が親鸞の思想の中核だとするプロテスタント仏教的な見方に対して、法然がすでに同様の考えをいだいていたことを指摘しています。そして、弥陀の本願は「親鸞一人がため」と述べているところに、「個人」救済の思想が見られることに注目し、親鸞らの「遁世僧」が都市民のなかで多くの信者を獲得したことに関連づける見方が示されています。

Posted by ブクログ

2012/11/26

 最近では、梅原猛が、「親鸞は源頼朝の甥である」という大胆な仮説を提出しているが、ここでは、著者は歴史学者らしく、今まであまり省みられることのなかった史料も参照しながら、オーソドックスなアプローチで親鸞の実像に迫っている。  今までの親鸞伝は、教団関係者が覚如による『親鸞聖人伝絵...

 最近では、梅原猛が、「親鸞は源頼朝の甥である」という大胆な仮説を提出しているが、ここでは、著者は歴史学者らしく、今まであまり省みられることのなかった史料も参照しながら、オーソドックスなアプローチで親鸞の実像に迫っている。  今までの親鸞伝は、教団関係者が覚如による『親鸞聖人伝絵』に依拠したものが多かったが、これに高田専修寺の『親鸞聖人生明伝』や仏光寺の『親鸞聖人御因縁』などの史料を加えて、表題にもあるとおりの「再考察」を行っている。  「親鸞は、法然のはからいもあって九条兼実の娘である玉日姫と結婚した。建永の法難により越後に配流されることになり、恵信尼を同行した」という。親鸞が5年間の配流を解かれ、そのまま常陸稲田へと向かったという通説にも疑問を投げかける。「親鸞は、京都に戻って、正式に配流を解かれ、他界した玉日姫の墓参りもしたに違いない」というのである。親鸞が越後配流の後、帰京せずに直接関東へ布教に向かったという『親鸞聖人伝絵』の話には、玉日姫との結婚の事実を隠蔽しようとする意図が隠されていると断じる。 確かに『親鸞聖人伝絵』には覚如が親鸞の曾孫であることによる作為が入り込んでいるという可能性は否定できないであろう。  このほか、「悪人正機説」は最初に法然が口にしたことを親鸞が広めただけであるという事実や、親鸞が自分の息子善鸞を義絶した背景についても、様々な史料を引いて説得力のある考察を行っている。  著者は、あとがきで、「客観的な分析を試み、生身の親鸞の実像に迫ろうとした」と述べている。『親鸞聖人伝絵』にかかったフィルターを排除することにより、親鸞像の見直しに成功している。しかし、残念なことに、そこから新しい魅力ある親鸞像が浮かび上がって来ない。思想家としての親鸞は、読者ひとりひとりが新しく生み出すしかないのかもしれない。

Posted by ブクログ

2011/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 浄土真宗の祖のみならず、日本を代表する思想家、哲学者でもある親鸞。 その生涯を、これまであまり用いられてこなかった史料をもとに大胆に読み解く。 法然門下に入る前、何をしていたのか。 正妻は誰なのか、妻は何人いたのか。 夢告はあったのか。 越後流罪後、京に戻ったのか。 息子の善鸞を義絶した背景は何か。 大家が描き出す、新たなる親鸞の実像。 [ 目次 ] 第1章 親鸞像を読み直す 第2章 童子としての親鸞 第3章 延暦寺官僧としての親鸞 第4章 法然門下としての親鸞 第5章 越後配流と関東布教 第6章 帰京後の親鸞 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted by ブクログ

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