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海猫ツリーハウス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2010/02/10 |
JAN | 9784087713336 |
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商品レビュー
3
24件のお客様レビュー
2昔前に出た小説を今更読む。 ずっと視界に入るところにあって、引っ越してもそれは変わらなくて、もうこれは読むしかないだろと。 青森の海の近くの実家暮らしの25歳の亮介。頻繁に見る、ヘリコプターに吊るされぶらんぶらんと揺れている自分の姿の妄想に悩まされている。高校のあと弘前の服飾...
2昔前に出た小説を今更読む。 ずっと視界に入るところにあって、引っ越してもそれは変わらなくて、もうこれは読むしかないだろと。 青森の海の近くの実家暮らしの25歳の亮介。頻繁に見る、ヘリコプターに吊るされぶらんぶらんと揺れている自分の姿の妄想に悩まされている。高校のあと弘前の服飾専門学校に入ったが卒業を待たずに中退して以来、ずっと中途半端な状態。いつかは洋服づくりで身を立てたいと思うものの具体的な行動を起こさぬままに祖父母の農業と地元の先輩のツリーハウスづくりや雑用に紛れる日々。そんなとき、兄の慎平が帰ってきて。 兄弟の関係、地元のみんなとの関係、家族との関係などなど、丁寧に描いているのに重たくない。全編、会話は殆ど青森弁(八戸辺りだから南部弁?)でそれが唯一読み難い要素ではあるが、作品の味になっている。 驚いたのが、創作物の描写の巧みさ、再現性。ツリーハウスもそうなのだけれど、香子のミニチュアール、亮介が香子のために作るワンピースなどなどが、文章から目の前に立ち上がってくる。それらは魅力的で、実物を見てみたいと思わせる。この作家自身、文章以外にも何か作ったりしている人なのだろうか。こんな作品、もっと読んでみたい。亮介、頑張れ。 ちょっと検索してみると今も作品を少ないながらも出し続けており、この後出た作品では芥川賞候補にもなったことを今更ながらに知った。他の作品もちびちびと読んでみよう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
キャラも場所もいいのに、展開で苦手な小説になった。きっとおもしろく読む人もいるのだと思う。けれどもなかなかないなあこんなこと。 この小説に出てくる要素のなかの希望の部分(香子やツリーハウス)を一生懸命一生懸命削ぎ落とそうとしているように感じてしまう。僕にとってだめな裏切られ方をされた。
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25歳の亮介と、地元コミュニティで人気者の兄・慎平。 ふたりのヒリヒリとしたやりとりに心がざわつく。 ファッション・デザイナーを目指し、 実家の農業を手伝い、 「親方」の元でツリーハウス作りをする亮介の努力を 慎平はなぜ認めず、貶めるようなことを言うのだろう。 p111 ―兄弟...
25歳の亮介と、地元コミュニティで人気者の兄・慎平。 ふたりのヒリヒリとしたやりとりに心がざわつく。 ファッション・デザイナーを目指し、 実家の農業を手伝い、 「親方」の元でツリーハウス作りをする亮介の努力を 慎平はなぜ認めず、貶めるようなことを言うのだろう。 p111 ―兄弟だからだ― p112 ―兄弟なんて、言ってみれば生まれたときから 親の愛情を奪い合う敵同士みたいなものじゃないか― すとん、と腑に落ちた。 慎平のことも亮介のことも どちらの気持ちも、少しだがわかる気がした。
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