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斜線の旅
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | インスクリプト |
発売年月日 | 2009/12/25 |
JAN | 9784900997288 |
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斜線の旅
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商品レビュー
4.7
6件のお客様レビュー
著者は1958年生まれ。翻訳者、詩人。比較詩学研究、コンテンツ批評、映像文化論を専門とする学者さん。 本書刊行当時に一度手に取ったのですが、その時は通読できず。なんとなく、また手にとり、今回は最後まで読みました。 『風の旅人』という雑誌に連載された旅行記・滞在記を中心に...
著者は1958年生まれ。翻訳者、詩人。比較詩学研究、コンテンツ批評、映像文化論を専門とする学者さん。 本書刊行当時に一度手に取ったのですが、その時は通読できず。なんとなく、また手にとり、今回は最後まで読みました。 『風の旅人』という雑誌に連載された旅行記・滞在記を中心にまとめられた本です。仕事が終わって家に帰ってきてから寝るまでの短い時間で、途切れ途切れに読み継いでいくのにちょうどいい本でした。 ”そんな風にかけ離れた土地が誰かの生涯において突然に、長い斜線を引くようにしてむすびつけられることには、どこか人を魅了するものがある。その旅は征服の旅、侵略の旅、探究の旅、抵抗の旅、強いられた旅、無根拠な旅、放埒な楽しみの旅、いろいろな性格のものでありうるだろう。だが客観的な善悪の判断、有意義無意味の区別を超えて、遠い連結にひめられた魅力は、否定しがたい。(中略)いまもぼくらの旅のすべてが、その背後に多くの倫理的な問題を隠しつつ、見たことのないものを見たい、思ってもみなかった何かを知りたい、見て、知って、自分のものにしたいという気持ちに立って、構想され、実現されてゆく。” p14 旅というのは、どこかとどこかの土地を、欲望によって結びつけるものであるという指摘から本書ははじまります。欲望の良し悪しはひとまず留保されます。 しかし、この本のあちこちで、良し悪しは問われ続けます。旅そのものに対してというより、もっと広く、ヒトの営みについて。植物伐採、資本主義、インターネット、芸術、大学。それらについて論じられたあと、本書の最後で、また旅についての著者の思いが述べられます。それに同意するかどうかはあまり重要ではなく、旅をする人それぞれが、旅の持つ意味を考えるためのきっかけとしてこの本を味わえばいいのかなと思いました。旅をしにくくなっているコロナ禍に再度手に取ってよかったです。
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旅行記と思い、手にした本。 旅行記だが、「普通」の旅行記とは一線を画する、引用の多さが印象的だった。 この本を読んで、旅行には行きたいがなかなか行けない大人の抱える物理的な束縛感をどういなして、それとどうつきあっていけばいいのか、というのを考えさせられた。
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菅 啓次郎著『斜線の旅』読了。単なる旅行記とは一線を画する物凄く深い余韻。余韻、また余韻。圧倒的な文章力と経験を伴った博識さをもって語られる物語。浅学な僕には理解の難しいくだりもたくさん。辞書を何度もひきつつ、google検索も駆使しながらの素晴らしい読書体験でした。
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