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ジョルジュペレック【著】, 塩塚秀一郎【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2010/01/10
JAN 9784891767501

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商品レビュー

3.4

12件のお客様レビュー

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2018/11/21

タイトルは「跡形もなく消えてなくなること,消し去ること」の意。 主要な登場人物が次々に姿を消していくが、 何故消えなければ、あるいは 消されなければならなかったかという真相に辿り着くまで、 奇妙な言語遊戯が繰り広げられる。 不眠症の男が幻覚に苛まれながら小説の構想を練っていたが...

タイトルは「跡形もなく消えてなくなること,消し去ること」の意。 主要な登場人物が次々に姿を消していくが、 何故消えなければ、あるいは 消されなければならなかったかという真相に辿り着くまで、 奇妙な言語遊戯が繰り広げられる。 不眠症の男が幻覚に苛まれながら小説の構想を練っていたが、失踪。 友人たちは彼が残したテクストを読み解いて 行方を探そうとするが、 手掛かりが増える度に却って事態は混乱していく。 勘のいい人は途中でカラクリに見当がつくらしいが、 凡庸な読者は 訳者のあとがき兼解説に接して初めて「おお」と 膝を打ったのだった。 これは作者がある企図に基づいてルールを設定し、 その効果を最大限に発揮するためのストーリーを 構築して書かれた小説、とのこと。 なので、御都合主義的な展開や結末の呆気なさに ポカンとしてしまうが、 富豪の屋敷の老メイドによる幻想文学的な話中話など、 楽しめる箇所も多々あった。 ついでに言うと、キャラクター達のドタバタぶりに、 ある種の映画に似た雰囲気を感じたのだが、 作者は『地下鉄のザジ』の レーモン・クノーが中心となった文学集団「ウリポ」のメンバーで、 作中にクノーの戯文を登場させている等、 なるほど接点があったのだと納得。 また、Wikipediaによると、 父方の親類にポーランド出身のイディッシュ語の作家 イツホク・レイブシュ・ペレツがいる、とのことだが、 そういえば、先日、沼野充義【編】『東欧怪談集』で ペレツの「ゴーレム伝説」を読んだばかりだった。 読了後、表紙(装幀)を見直して、 作品のエッセンスが見事に抽出されていることに感嘆。

Posted by ブクログ

2018/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長らく、同じ「e抜き」のギルバート・アデアによる英訳しかないと聞いてたけど、日本語訳はイ段抜き! ただ、そういう前知識なしに内容だけで楽しめたかと考えると疑問かも。この制約に気づかないで読了しちゃうかも。そういう意味だと、筒井康隆「残像に口紅を」は説明なしに何やってるかわかるトコが一枚上手。

Posted by ブクログ

2015/09/08

全編eを使わないで書かれた小説を、”い”段抜きで訳したもの。 登場人物たちが何かの欠落を感じて様々な解釈、捜索を行い、その正体に気づくと次々と消えていくというストーリーだが、普通の小説と思って読むとかなりハチャメチャで難解。「eの不在」を楽しむ作品なのだろう。 そのあたりのことが...

全編eを使わないで書かれた小説を、”い”段抜きで訳したもの。 登場人物たちが何かの欠落を感じて様々な解釈、捜索を行い、その正体に気づくと次々と消えていくというストーリーだが、普通の小説と思って読むとかなりハチャメチャで難解。「eの不在」を楽しむ作品なのだろう。 そのあたりのことが訳者あとがきに詳しく書いてあって、本書の凄さや訳者の苦労がよくわかった。よく書いたしよく訳したものだと思う。

Posted by ブクログ

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