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セミたちと温暖化 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2009/12/24 |
JAN | 9784101164748 |
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セミたちと温暖化
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商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
本当に動物、とりわけ昆虫が好きな方なんだな、というのが伝わってくるエッセイ。 自然と人間社会の関わりについて、興味を持った昆虫の生態について、昨今の地球環境の変化について…など、筆者が「なぜ?」という疑問にどう向き合い研究してきたかが書かれている。 圧倒的な探究心と観察力…さすが...
本当に動物、とりわけ昆虫が好きな方なんだな、というのが伝わってくるエッセイ。 自然と人間社会の関わりについて、興味を持った昆虫の生態について、昨今の地球環境の変化について…など、筆者が「なぜ?」という疑問にどう向き合い研究してきたかが書かれている。 圧倒的な探究心と観察力…さすが研究者…。 各エピソード、少し短すぎるかな?という印象。 稲垣栄洋の「生き物の死にざま」に少し似てるけど、より筆者の嗜好が強く出てる印象。 こういったトピックスにもともと関心のある方は楽しめるけど、そうでない人にはオススメしにくいかも?と思い★2つ。 ●メモ 春の数えかた 虫:それぞれの種ごとに「発育限界温度」が決まっており、温度の累積で春を数える。 例)7℃の虫の場合、その日の気温から7℃を引いた温度を毎日足し合わせていき、一定の値に達すると卵から孵ったり蛹になったりする。 鳥:日の長さ(明暗の周期)によって春の到来を知る。 つまり、地球温暖化が進めば、生物たちの春の数え方に食い違いが起こる可能性が生じる。 祈祷師の話 蛙の皮膚はきわめて精密にできていて、湿度に関してとても敏感である。 なかなか雨季がやってこないと、人々は祈祷師に雨乞いを頼むが、祈祷師は蛙を捕まえてくるように言うのだそう。蛙が一匹でも微妙な湿度の変化を感じ地中から姿を現したら、雨季の到来を示すものだからである。
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人間の直接の祖先は類人猿である。森に住んでいた大型類人猿は、本来は草食動物であった。しかし彼らは牛などのように徹底して草ばかり食うのではなく、木の葉も食い、植物の芽も食べ、果実も食べ、たまたま出会った虫も食うという、いわば雑食的な食べかたをしていた。人間の体の雑食的なしかけはこの基礎の上にできあがってきたのだろう。(p.93) 鳥たちが動いたり、餌を食べたり飛びまわったりすることがさえずりと関係するかもしれないと考えて、餌をやる時間を一定にしたり、強制的に運動させたり、いろいろなこともしてみたそうであるが、それはさえずりの開始にかんけいがなかった。さえずりの始まりは、暖かくなるかどうかではなく、早く夜が明けるかどうか、つまり日の長さによってきまるのだということが、こうしてはっきりとわかったのである。 生物の活動が昼夜の長さ、いいかえれば明暗の周期(光の周期)によってきまる現象は、「光周性」と呼ばれている。 植物の花がいつ咲くか、動物がいつ繁殖するか、いつ冬眠に入るかなど、いろいろなことが光周性によってきまることが、今ではよくわかっている。小鳥は光周性によって春の到来を知り、さえずり出すのである。 その一方、多くの昆虫は暖かさで「春を数えて」いる。(p.222) 一方では、都市の水源確保や洪水防止のために、山や森を損ねてダムを作り、そしてそれが海や浜を荒廃させることになっていた。 そしてまたその一方、役に立たない雑木林を伐採して、材が高く売れるスギやヒノキのような有用木の植林を広げ、豊かな森を貧困化させてしまった。そのため食物に困った大型動物たちが、農地や人間の居住地に現れるという状況が全国各地に生みだされて、今度は人間たちが困っている。いったんそのようになってしまうと、その対策は一朝一夕には立てられない。 すべて森林が果たしていた重要な役割に気づかずにいたことの結果である。(p.242) 換気と雨季で気候がまったくちがう地方では、作物の作付けを始める時機を知ることは、人々にとってきわめて重要な問題である。なかなか雨季やってこないと、人々は祈祷師に雨乞いを頼む。そのとき祈祷師は必ずカエルをつかまえてこいと言うのだそうである。カエルが一匹でも微妙な湿度の変化を感じ、地中から姿を現したら、それはまずまちがいなく雨季の近々の到来を示すものだからだ。カエルの感覚によって祈祷師の信用が保たれるのである。(p.259) 重要なのは、そこにはいつも理系と文系の減少がからみあっていることである。 世界最古の環境破壊の一つとされるアラル海問題も、その発端は旧ソ連政府のきわめて政治的な、つまりまったく「文系」の発想にあった。そこに自然科学や技術といった「理系」的な問題がからんでいって、その文系的な発想が具体化されていったである。そして政治、経済、社会主義国家の理念と名誉などという文系的なものがさらに関わってきて、問題はどんどん複雑になり、あげくの果てに悲惨な状況に立ち至った。それはまさに、地球という自然を支配して生きようとする、「人間文化」そのものが生みだした悲劇であった。(p.269)
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studio-Lの事務所で雑談をしていたときに山崎さんに紹介してもらった一冊。環境に対する視点がおもしろく、文章もうまくて参考になりました。パークレンジャーやアウトドアが好きな人、僕のようなガイドをしたりする人も読んでみると、案内する際に集まってくれた人に環境や生き物のことをおも...
studio-Lの事務所で雑談をしていたときに山崎さんに紹介してもらった一冊。環境に対する視点がおもしろく、文章もうまくて参考になりました。パークレンジャーやアウトドアが好きな人、僕のようなガイドをしたりする人も読んでみると、案内する際に集まってくれた人に環境や生き物のことをおもしろく伝えることができるかもしれないな、と思いました。
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