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フッサール現象学の生成 方法の成立と展開
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京大学出版会 |
発売年月日 | 2009/11/20 |
JAN | 9784130160292 |
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フッサール現象学の生成
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著者の博士論文であり、フッサールの思索の歩みを、その方法がどのように成立したのかという観点からたどる試みです。 ただし著者は、カントの批判哲学のように一定の方法論的意図に基づく哲学的反省は、フッサールの現象学の形成過程には存在しないと考えます。著者によればむしろ、「事象そのもの...
著者の博士論文であり、フッサールの思索の歩みを、その方法がどのように成立したのかという観点からたどる試みです。 ただし著者は、カントの批判哲学のように一定の方法論的意図に基づく哲学的反省は、フッサールの現象学の形成過程には存在しないと考えます。著者によればむしろ、「事象そのものへ」と向かっていくなかで、その学的認識のための方法が自覚され、それによってふたたび事象へのまなざしが動機づけられるといったしかたでフッサールの思索は展開していったとされます。本書ではこうした観点に立って、初期から『イデーン』にいたるまでのフッサールの思索の形成過程を追いかけ、とくに「現象学的還元」と「本質直観」が、彼の思索のプロセスのなかからどのようにして生まれてきたのかを明らかにしています。 つづいて著者は、『イデーン』第2巻の原草稿などを読み解き、発生的現象学の形成過程を明らかにしていきます。同時に、その当時のフッサールがディルタイから受けた影響についても、比較的立ち入った考察がおこなわれています。ここでの議論はやや専門的な内容であり、一般の読者にはなじみにくいように思えるところもありますが、著者の解釈するフッサールの思想そのものは非常に明晰に語られています。 さらに著者は、発生的現象学の諸問題をとりあげ、みずからの解釈を提出しています。「生き生きした現在」については、反省はそれに追いつくことができないというパラドクシカルな性格を強調するヘルトの解釈に対して、「原自我」における「内的な自己感触」についてのフッサールの考えに、存在論的なアプローチと認識論的なアプローチが統合されているという解釈が示されます。また『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』に関しては、学問的認識の歴史的「起源」を問うフッサールの議論から、現在において哲学的思索をおこなうわれわれみずからがその営みの学問性を遡行的に問いなおすことが求められているという議論をみちびいています。 原自我についての解釈に関しては、これでほんとうに問題の解決になっているのだろうかという疑問がのこるのですが、全体を通じて明晰な議論と解釈がつらぬかれている研究書だと感じました。
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