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六号病棟・退屈な話 他五篇 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2009/11/13 |
JAN | 9784003262269 |
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六号病棟・退屈な話 他五篇
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商品レビュー
4.6
15件のお客様レビュー
この作品のタイトルは『退屈な話』ですが、読んでみると退屈どころではありません。とてつもない作品です。 地位や名誉を手に入れた老教授の悲しい老境が淡々と手記の形で綴られていきます。 『魔の山』で有名なドイツの文豪トーマス・マンが「『退屈な』とみずから名乗りながら読む者を圧倒し去る物...
この作品のタイトルは『退屈な話』ですが、読んでみると退屈どころではありません。とてつもない作品です。 地位や名誉を手に入れた老教授の悲しい老境が淡々と手記の形で綴られていきます。 『魔の山』で有名なドイツの文豪トーマス・マンが「『退屈な』とみずから名乗りながら読む者を圧倒し去る物語」とこの作品を評したのはあまりに絶妙であるなと思います。まさしくその通りです。この作品は読む者を圧倒します。 そしてあのトルストイもこの作品の持つ力に驚嘆しています。ぜひおすすめしたい名著です
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- ネタバレ
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『六号病棟』が面白かった。 この作品の主題とも考えられるテーマは狂人とは何かという問題だ。イワン対社会、アンドレイ対社会やイワン対アンドレイなど様々な視点が見れる。しかし彼らの抱える問題の根本は社会に対する不満だ。アンドレイは知識を持つ人を探し不誠実ではない社会にイライラし、イワンは病棟自体の存在に憤怒している。町の人が未知な「病状」を「狂気」として区分け既知に帰ることでその未知に対する恐れを改善できる。このため、社会的に「正常」と異なる思想を持つものは「病気」や「狂人」と名付けられ社会から切り離される。 育ちや教育が個人の考え方にもたらす影響、生きる事とは何かと狂人とは何かの三つのテーマを扱う作品だ。
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チェーホフの中短篇集。『脱走者』『チフス』『アニュータ』『敵』『黒衣の僧』『六号病棟』『退屈な話』の計7篇を収録。チェーホフは医師でもあったので、これら全て医業関係の作品が収められています。 ちなみに以前の版のタイトルは、『退屈な話・六号病室』。タイトルの2篇のみで訳者も異なり...
チェーホフの中短篇集。『脱走者』『チフス』『アニュータ』『敵』『黒衣の僧』『六号病棟』『退屈な話』の計7篇を収録。チェーホフは医師でもあったので、これら全て医業関係の作品が収められています。 ちなみに以前の版のタイトルは、『退屈な話・六号病室』。タイトルの2篇のみで訳者も異なります。『六号病棟』も『六号病室』になっており、訳文も古いので、新しい方を読んだ方がいいでしょう。 収録作は全て好みでした。特に良かったものを以下に。 『敵』は、息子を亡くしたばかりの医師が、けたたましく玄関のベルを鳴らされ、無理矢理往診を求められます。状況が状況だけに、散々断っていましたが根負けし、嫌々遠路はるばる往診にいけば何と…。偶然の不幸の巡り合わせが、どちらも生涯忘れられない日になったと思うと、とても面白かったです。 『黒衣の僧』は、精神が病んでしまったがために、自ら作り出した幻影と語り合うことができるようになった男の悲劇。普通って何だろうと考えさせられました。 誰にも迷惑かけていないのに、人と違った考えや行動というだけで、普通になるように矯正させられる主人公の苦悩が胸に響きます。 『六号病棟』は、病院敷地内の一角にある、精神病患者のみを収容した建物でのお話し。 哲学好きの院長が、自分の考えを議論できる相手が、たまたま長年病棟に収容されている患者にいて、仕事をほっぽり出して議論に没頭していたことから、話しが暗転していきます…。これを読むと、世間が決めつけている正しいと思われることも、本当にそうなんだろうかと考えることが大切だと思いました。それと、自分がもしこういう状況になったらと思うと怖い話しですね。 『退屈な話し』は、自分の命が長くはないと悟った、老医学教授の手記。手記という前提なので、身内のゴタゴタがひたすら書かれています。箴言めいた言葉も多くて楽しめました。最後は切なかったです。
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