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倫理的な戦争 トニー・ブレアの栄光と挫折
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2009/11/20 |
JAN | 9784766416879 |
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倫理的な戦争
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商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
ブレアがなぜイラク戦争に参戦することになったのかを、彼の政治観、コソボ戦争での成功体験、当時の国際秩序等から鮮やかに描き出した一冊。
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本書はコソボ・イラクの歴史、ブレアの判断の過程を追いながら「正しい戦争」について考えさせる。ブレアにとっては両者とも「倫理的な戦争」であり、少なくとも過去繰り返された正義の皮を被った帝国主義戦争とは違ったものであった。しかし、「倫理的な戦争」は常に「正しい戦争」であるとは言えない...
本書はコソボ・イラクの歴史、ブレアの判断の過程を追いながら「正しい戦争」について考えさせる。ブレアにとっては両者とも「倫理的な戦争」であり、少なくとも過去繰り返された正義の皮を被った帝国主義戦争とは違ったものであった。しかし、「倫理的な戦争」は常に「正しい戦争」であるとは言えない。むしろ、「正しい戦争」であることは稀有であろう。戦争以外の手段は検討されたか、戦争に際しての手段は適当だったか。 コソボにおいては事態の深刻さが明らかであり、それは国際的に認知されていた。手段の適当性への疑問があるものの、正当化され得るものであった。一方イラクでは、事態の深刻さが「大量兵器」によって粉飾されるなど、当初から正当性が疑われるものであった。そのもとでは、如何に主観的正義を唱えようとも無意味なのは言うまでもない。 戦争においては秘密はつきものであり仕方がないものもある。しかし、参戦における判断過程、特に参戦を必要とする状況の深刻さと参戦によってもたらされる効果についての検証は、主観的正義抜きに検証されて然るべきであろう。本書のような「歴史書」はまさにそのような記録を残すことの必要性を訴えている。
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1997~2007年までイギリス首相を務めたトニー・ブレア首相に焦点を置き、コソボ空爆からイラク戦争に至るまで彼がどのような信条と環境の中で決断を行ったかが詳細に記されている。 就任当初より倫理的対外政策や国際コミュニティの結束を説いたブレア首相。彼の政治・外交倫理はサンマロ合...
1997~2007年までイギリス首相を務めたトニー・ブレア首相に焦点を置き、コソボ空爆からイラク戦争に至るまで彼がどのような信条と環境の中で決断を行ったかが詳細に記されている。 就任当初より倫理的対外政策や国際コミュニティの結束を説いたブレア首相。彼の政治・外交倫理はサンマロ合意とそれ以降のESDPの発展に寄与し、またコソボやイラクに対する空爆に対しても成果を上げていた。これらは国際協調のうちに軍事行動を行うことで成功したのであり、イギリスはこの間アメリカとヨーロッパの懸け橋として機能していた。 しかし、9.11テロ以降、特にアフガン戦争以降のアメリカはいわゆるネオコン勢によって単独行動主義に走っていく。アフガン戦争に好意的だった欧州各国もイラク戦争には消極的であり、アメリカと欧州の間でブレアは苦悩することとなる。 最近の事象であるにも関わらず、豊富な資料を用いてあたかもパズルのピースを繋ぎ合わせていくかのように構成される論説には敬服する。若干イギリスよりの見解ではあるが、キーパーソンに焦点を絞り政策決定の過程を追った良書。
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