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自動車産業 危機と再生の構造
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2009/10/10 |
JAN | 9784120040641 |
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昨年(2008年)9月に起きたリーマンショックの影響で大きな逆風が起きた結果、今年1Qの自動車関連業界へ与えたマイナス影響は凄まじいものでした。前年比較で半分程度の業績だったことから、今年はどのような年になってしまうのだろうかと心配でしたが、7月頃からの回復は思ったよりも早かった...
昨年(2008年)9月に起きたリーマンショックの影響で大きな逆風が起きた結果、今年1Qの自動車関連業界へ与えたマイナス影響は凄まじいものでした。前年比較で半分程度の業績だったことから、今年はどのような年になってしまうのだろうかと心配でしたが、7月頃からの回復は思ったよりも早かったようです。この本では、自動車業界の将来展望について書かれており、特に新興国においては中国よりもインドのようが成長のポテンシャルは大きいと思いました。 商売で扱う中での一つとして自動車を捉えている中国と、産業としてとらえているインドとの差なのでしょうか。日本市場の成長が期待されない中で、インドや中国及びその周辺諸国の成長性が大いに重要になっていくことがこの本によって理解されました。さらに工場の生産システムについて、実際に工場を見学することで的確なコメントがなされていると思いました。 以下は気になったポイントです。 ・世界全体保自動車保有台数(2007年末)は、乗用車・商用車合計で、9.48億台(p10) ・ビッグスリー没落の原因、1)短期的利益と金融、M&Aによる浮利の追求、2)製造戦略の誤り(SUVへの特化)、3)環境技術の軽視、4)戦略立案、IT技術の活用は進化するが、日常レベルの工場改革、フレキシブル工場の建設、多能工育成の軽視、5)年金(レガシーコスト)問題、である(p22) ・トヨタの販売金融小会社(トヨタ・ファイナンシャル・サービス)の売上は、2005~2007年までGMACを上回っていた(p27) ・GM,フォードは日本車との激しい競争を避けるために、乗用車の本格的開発に取り組まなかった、これは膨大な開発費と工場投資がかかるエンジン開発に力が入らなかったことを意味する(p39) ・さらに工場生産システムは、ひとつのモデルを長期かつ大量に生産する見込み生産のため、量産効果をあげるために工場稼働率を一定レベルに保つためにリベート等の実質的な値引きを定着させた(p40) ・グローバル戦略、グローバルソーシング戦略は、表面的なコストダウンはあったものの、ブランド価値の工場、設計開発の柔軟対応、部品品質や技術力の統合性がおろそかになったため、失敗した(p43) ・自動車の設計、製品コンセプトが異なる(クライスラーとベンツ)と、プラットフォームや動力・伝達系の設計、調達、品質管理の仕方、工場での生産システムが異なってくる(p49) ・現在は、現地工場での利益が上がってきているので、輸出で稼いた利益を現地工場へつぎこむ段階から、現地生産車が現地市場で稼ぎ、為替変動に左右されず利益が出せる体制に変わってきている(p57) ・中国は外貨保有の4分の1は、化石燃料の輸入に消費され、まもなく半分になる(p80) ・中国のエネルギー消費構造(@2005)は石炭が主力(62%)、石油への依存度は18%、2030年には20~22%になるが、絶対値では2~3倍になる(p124) ・インドは、小型トラクターの生産台数は、世界で1,2を争うほどである(p132) ・インドの乗用車市場は、小型車市場が主力であるが、韓国では全く育っていない、見栄っ張り傾向による大型高級車志向は依然大きい、中国も中大型車中心(p143) ・ナノは、10万ルピー(2000ドル)という廉価設定をした、ガソリンエンジンは624CCの直2SOHC,ディーゼルエンジンは700CCクラスのコモンレール式、変速機は4MTとCVT、価格設定はマルチ80V(マルチスズキ)の20万、2輪車の5万ルピーの市場に影響を与える(p157) ・現代自動車は、インドでは3位の位置づけ、1998年生産開始と後発ながら、2006年に生産:30、販売:19万台を記録、2007年には第二工場の稼働により60万台、2009年までにR&Dセンター建設予定(p161) ・ホンダはインド市場には、比較的競争の緩やかなミッドサイズセグメントから市場参入する選択を行っている、コンパクトカーへの参入をさけて、上級クラスの投入によってブランドイメージと販売基盤の獲得を優先している(p163) ・トヨタは、ホンダの戦略と異なり、スズキ・タタ・現代がしのぎを削っているA2コンパクトセグメントに投入する予定(p167) ・インドは当面の量的成長のスピードでは中国に劣るが、中長期的には技術力の質的高度化によって、環境技術を含むグローバル競争力を備える可能性はある(p173) ・マレーシアにおいて、日本車は新規購入価格は高い(プロトンの2倍)が、中古車の下取りを考えると、購入をする人が一定割合はいる(p189)
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