闇の中の猫 ミステリ・フロンティア

麻生荘太郎【著】

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2009/09/30
• JAN: 9784488017576

商品レビュー

2011/07/24

凝った構成と張り巡らした伏線。いかにも新本格らしい作品と片付けてしまえば簡単だが、作者のミステリーへの思いがそこかしこににじみ出ている。その点についてはジャンルの枠を越えた印象を残す。
ネット内のクローズドサークルで起こる連続殺人。殺人予告の書き込みを残すメンバーは第一の被害者。なりすましているのは誰か。そして犯人の本当の狙いは何か。仕掛けがあるのは次々と語り手が変わる構成から予想がつく。残念ながら犯人の見当を付けるのも難しくなかった。ただ意欲的な作品であったことと作者の気持ちにこの評価。

2010/05/02

うーん…。
よっぽどでないと★２つとか付けないんですけど…。
１４１ページの「わたしの仕事は図書館司書。地味なわたしにぴったりの仕事だ。」という記述にカチンときちゃいまして…。
些細なことなんですけど。
確かに派手ではないですよ。地味です。
でもでも…誇りを持って働いておるのです。
否定された気がしちゃったのです。
馬鹿にされた気がしちゃったのです。
心が狭いなあ。僻み根性丸出し。
しかし、この二文は決定的でした。
…二度とこの著者の作品は読まねえ！
医者がなんだーッ！ちきしょーッ！（遠吠え）

2010/03/02

シリアルキラー事件を扱ったミステリ。チャットから発生する事件と現実の人物の関係等々、いろんなものが入り組んでスリリングな展開。犯人当てミステリとしてはアンフェアですが、こういうのってきっとあり。
誰の中にもいる「猫」が何を示唆しているのか。ややぞくりとさせられました。あれが一人じゃないってのはねえ……。