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井上靖全詩集 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 1983/07/25 |
| JAN | 9784101063294 |
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井上靖全詩集
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
『北国』『地中海』『運河』『季節』『遠征路』の五つの詩集と、その後に書かれた著者の詩を収録しています。 著者の詩は、そのほとんどが散文詩であり、宮崎健三の「解説」にも書かれているように、いくつかの詩は著者の小説作品のなかにかたちを変えて取り入れられています。著者も『北国』の「あ...
『北国』『地中海』『運河』『季節』『遠征路』の五つの詩集と、その後に書かれた著者の詩を収録しています。 著者の詩は、そのほとんどが散文詩であり、宮崎健三の「解説」にも書かれているように、いくつかの詩は著者の小説作品のなかにかたちを変えて取り入れられています。著者も『北国』の「あとがき」で、「私にとっては、これらの文章は、詩というより、非常に便利調法な詩の保存器であり、多少面倒臭い操作を施した詩の覚書である」と述べています。興味深いのは、著者の小説作品の文章から、そのエッセンスを結晶化して詩が生まれたのではなく、逆に本書に収められているような凝縮されたことばから、リーダビリティの高い著者の小説が生まれたということです。著者の小説の文章は、つい何気なく読まされてしまう、といった感じで、ごく自然にその作品世界のなかに読者を招き入れるようなものに感じられるのですが、そうした著者の文章がもつ魅力の一端が、本書に収められた詩を通して垣間見ることができるように思います。 もうひとつ気づいたこととして、著者が西域やヨーロッパに足を運びそこでの感銘をつづった詩編に、ドメスティックな匂いが強く感じられることがあげられるように思います。著者の歴史小説に対しては、そこにえがかれているのはどこまでも近代人にすぎないという大岡昇平や呉智英らの批判があることはよく知られており、わたくしもそうした見かたにかなり同調していたのですが、むしろ現代日本人らしい大時代的な大陸へのロマン的なあこがれを臆面もなく語っているところに、現代日本という場に根ざした著者の作品世界の魅力を見るべきなのかもしれないという気もします。
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雷雨 白人とカナカ土人との混血は美人ということになっている。理想的なことを言えば、それにチャイナの血が八分の一混じることだ。そんなことを、そのイタリアの中年のサキソフォン吹きは言った。そして彼は自分の説の正しさを証明するために、私と一緒に街を歩きながら女たちを物色した。なるほど...
雷雨 白人とカナカ土人との混血は美人ということになっている。理想的なことを言えば、それにチャイナの血が八分の一混じることだ。そんなことを、そのイタリアの中年のサキソフォン吹きは言った。そして彼は自分の説の正しさを証明するために、私と一緒に街を歩きながら女たちを物色した。なるほどホワイトとカナカの混血児は眉の鋭い高貴な顔を持っており、それにチャイナが加わると、それは正確に八分の一かどうか判らなかったが、憂いを帯びて優しく見えた。 途中で夕立がやって来たので、私たちはずぶ濡れになって街を駈けた。雨は雷鳴を伴って、一晩中太平洋上の小さい島全体を叩いた。美人というものが合成される同じ正確さで、雷雨も亦、私たちの綴った冒涜の方程式に依って作り出されたのだ。(p.98)
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好きな作家さんというのは、作家の感性が好きなんだなあって思いました。 詩のひとつひとつの感覚が大好きです。共感できるし。 すごく暖かでいい詩集でした。 モチーフは小説と似通っていて、アジアの遺跡やら砂漠の風景、異郷への憧れ、山、自然、星や月などが多かった。 井上靖さんが、これらの...
好きな作家さんというのは、作家の感性が好きなんだなあって思いました。 詩のひとつひとつの感覚が大好きです。共感できるし。 すごく暖かでいい詩集でした。 モチーフは小説と似通っていて、アジアの遺跡やら砂漠の風景、異郷への憧れ、山、自然、星や月などが多かった。 井上靖さんが、これらのものに触れて感動したからこそ、小説が生まれたわけですね。 amazonでは新品を売っていないみたい。絶版なのかな? 是非手元においておきたい一冊です。 折に触れて読むと、違う部分でグッときたりするんだろうな。そういう読み方をしたい本。 詩というのは、一つの事物に対する感覚を、どれだけ美しく表現するか。 短歌のようなものですね。好きかも。 少しずついろんな詩も読んでいけたら。
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