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スーザンソンタグ【著】, 木幡和枝【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NTT出版
発売年月日 2009/09/28
JAN 9784757141988

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商品レビュー

4.8

7件のお客様レビュー

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2023/12/02

遅まきながらソンタグのエッセイを読んだのだけれど、予期していた理知的で高飛車な人というイメージを裏切る実にホットなエッセイ/批評が並んでいると思った。大量に情報を詰め込むことで対象を微細に分析し、浮かんだアイデアをつぶさに書き留めて煩雑になることを恐れない。そして、そのアイデアの...

遅まきながらソンタグのエッセイを読んだのだけれど、予期していた理知的で高飛車な人というイメージを裏切る実にホットなエッセイ/批評が並んでいると思った。大量に情報を詰め込むことで対象を微細に分析し、浮かんだアイデアをつぶさに書き留めて煩雑になることを恐れない。そして、そのアイデアの羅列はいまに至るもその強度を失っていないことにも戦慄さえ感じる。ここまで見渡せていたのはソンタグがアメリカの中だけで閉じられていた視野の持ち主だったからではなく、世界を見渡して高いところから語れる人だったからだ。この見識、侮れない

Posted by ブクログ

2019/01/26

 さて、難儀な本である。難解というのとも違う、ジェイムス・ジョイスやプルーストやドストエフスキーとも違う。911が起きて数日後にソンタグが書いた文章が「ザ・ニューヨーカー」に載って、彼女は全米から大変なバッシングにさらされ、殺害予告まで受けた。支配的な空気に当然口を開けないアメリ...

 さて、難儀な本である。難解というのとも違う、ジェイムス・ジョイスやプルーストやドストエフスキーとも違う。911が起きて数日後にソンタグが書いた文章が「ザ・ニューヨーカー」に載って、彼女は全米から大変なバッシングにさらされ、殺害予告まで受けた。支配的な空気に当然口を開けないアメリカ知識人のうちでもっとも気骨のあったひとり。本書にも掲載されているその時の短い文章にはまっとうなことしか書かれていない。けれども日常会話だけではこうはいかない。書くことが思考をたすけ言葉を鍛える。そうして練られた言葉は難儀なものとなろう。 「まず、リスク、危険のことからお話ししましょう。罰を受けるリスク。孤立するリスク。傷つけられたり殺されたりするリスク。嘲笑されるリスク。   私たちはみな、何らかの意味で、徴集されているのです。忠誠心について考えを異にする多数派に背き、彼らの不興をかう、非難を受ける、そして暴力を招く。そういったかたちで隊列を乱すのは、誰にとっても容易なことではありません。正義、平和、和解を旗印に私たちは寄り添い合っています。これらの言葉によってつながっている共同体があります。多数派に較べればたぶんずっと小規模で微力な、同じような考えをもった人たちの新しい共同体が。そうした共同体に突き動かされて、市民的不服従の公然たる表明として、私たちはデモや抗議を行います。練兵場や戦場へ駆り出される代わりに。  自分の同類(トライブ)と歩調を合わせない。彼らよりも先へ行って、思考としてはより広がりがあるけれど、数のうえではより小さな世界へ踏み込む。疎外や離反に慣れていない、あるいはそうした姿勢を取ることに不安を感じる人にとっては、複雑で困難な道筋です。」(「勇気と抵抗についてーオスカル・ロメロ賞基調講演」より)  通勤通学のかばんに常にソンタグを入れ携行し、電車でスマホにさわらないでソンタグを読む。半年あるいは一年、一冊を毎日。たとえばそうやって読んでみない? ぼくはこの本をある女性にあげた。(もうひとりあげた気もするがいま思い出せない。)彼女のあたらしい人生を応援する気持ちで。たぶんそのひとはあげたソンタグを読んでいないだろう。実際のところ、手元にあれば本は読まずとも良い。模範にするならイメージだけでも有効だから。ただぼくはそのひとの、ソンタグにあるような資質をとても好ましく思っていたのでこの本をあげたのだった。つまりぼくはその若い友人に模範を見ていた。 「作家がすべきことは何かあるか、としばしば質問される。最近のインタビューではこう答えた。「いくつかあります。言葉を愛すること、文章について苦闘すること。そして、世界に注目すること」。  言うまでもなく、これらの意気のよい語句が口をついて出たとたん、ほかにももっと作家の美質として意識にのぼることがあった。  たとえばーー「真摯であること」。それはこういう意味だった。ーー「けっして冷笑的(シニカル)にならないこと」。このなかには、愉快(ファニー)であることもあらかじめ含み入れて発言した。」(「同じ時の中でーー小説家と倫理研究」(第一回ナディン・ゴーディマー記念講演)より)  そういえばちょっと前にむかしの芥川賞の選評を読んでいたら、村上龍がこう書いていた。  「本来文学は、切実な問いを抱えてサバイバルしようとしている人に向けて、公正な社会と精神の自由の可能性を示し、「その問いと、サバイバルするための努力は間違っていない」というメッセージを物語に織り込んで届けるものだった。ダメな文学は、「切実な問いを抱える必要はない」という「体制的な」メッセージを結果的に送りつけてしまい、テレビのバラエティのような悲惨な媒体に堕してしまう。」(第142回芥川龍之介賞選評より。この回、受賞者なし)

Posted by ブクログ

2017/10/09

ソンタグ「同じ時のなかで」 nttpub.co.jp/search/books/d… この人の本をもっと早く読めばよかったな。ハードル高かったんだよなー スーザンソンタグ「同じ時のなかで」読んだ。初ソンタグ。超よかった。こんなに読みやすいだなんて、気後れしていた数年が惜しいぜ。...

ソンタグ「同じ時のなかで」 nttpub.co.jp/search/books/d… この人の本をもっと早く読めばよかったな。ハードル高かったんだよなー スーザンソンタグ「同じ時のなかで」読んだ。初ソンタグ。超よかった。こんなに読みやすいだなんて、気後れしていた数年が惜しいぜ。この読みやすさは文章自体の強さなのか翻訳の質なのか。時事絡みの内容もいいけど創作への言及が特に好きだ(つづく ただ、時事関連の発言や批判を読むとそれが誰のでも、内容に同意したり触発されたりしながらも、大国の行政と国際権力の傘の下にいるどこまでも知識層の余裕の副産物じゃないか、といつもどうしても思ってしまう。人文分野やエッセイのほうが好きだな、個人の「思索」の出力として読めるから(おわり

Posted by ブクログ

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