数学戦士 マセマティカ王国の秘法

ビーコム【著】, クラムゼリー【作画】

• 販売会社／発売会社: オーム社
• 発売年月日: 2009/09/25
• JAN: 9784274067662

商品レビュー

2015/02/07

とりあえず最初に僕なりに考えた数学レベルを5段階で表します。（☆5と☆4の違いが微妙ですが、一括りにするならば数学が好きと言える人です。）

☆☆☆☆☆大学レベル。
☆☆☆☆　数ⅢCの応用問題が解ける。
☆☆☆　　高校までの基本問題が解ける。
☆☆　　　嫌いではないが苦手意識あり。
☆　　　　数学という言葉を聞くだけで脂汗。

上記の分類に従うと僕は☆2のレベルです。数学得意じゃないです。中学1年のときに1次関数でつまづいて、「なんでそうなるのか」と深く考えない、先生に質問しない、無論補助教材を使って理解するといったこともしなかったので、そのままずるずると苦手意識の沼に浸かり続けました。
そんな僕が数学の本を手に取った理由は、森博嗣の小説を読んだからです。S＆Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズを一気に読みました。この3つのシリーズを読み終わってから感じたことは、もちろん全てが繋がったことを知れたという快感もあったのですが、不思議と「数学を勉強したいなあ」という気持ちがぶわっと出てきたのです。
数学初級者にわかりやすいような本はないものかとあれこれ探していたところである書評サイトで偶然本書『数学戦士』のレビューに出会いました。僕は多くの場合本はネットで買うことが多いのですが、買う前に一度図書館でどんな内容なのかを確認してから、買うようにしています。思っていたのと違ったとがっかりするのが嫌だからです。ただ、今回はレビューを読んですぐに「カートに入れる」ボタンを押しました。主人公と一緒にクエスト形式で問題を解いていくというのがおもしろそうだと感じたからです。
本書は論理・証明問題を扱っていて、問題のレベルは数学レベル☆2の僕でも楽々ではないですが、放り出したくなるぐらい難しくはないです。
ただ、問題（作中では「試練」と呼ばれています）が1章につき1問という点と解説が充実しているとは言い難い点が、本書の評価に影響しています。（120ページぐらいの薄い本なので致し方ないと慰めています。）
なので、問題を解きたいと思っている人よりも、証明にはどんなものがあるのかなあと思っている人のほうが、本書には合っているかもしれません。ただ最初の一冊という位置付けではないと思うので、数学レベル☆1の人はもちろん、僕と同じぐらいのレベルの人は数学に対する苦手意識が薄まってから読むことをオススメします。