- 中古
- 書籍
- 文庫
十一月の男 新潮文庫
定価 ¥484
330円 定価より154円(31%)おトク
獲得ポイント3P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1985/10/25 |
JAN | 9784102165089 |
- 書籍
- 文庫
十一月の男
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
十一月の男
¥330
在庫なし
商品レビュー
3
1件のお客様レビュー
フリーマントルがデイリー・メールの外報部長を辞して、作家専業に身を転じてからの第一作であり、"チャーリー・マフィンシリーズ"が始まる直前の1976年の作品でもある。四年に一度、11月に実施される米大統領選挙に絡んで、KGBが巡らす陰謀を背景に、大富豪ホラスを陥...
フリーマントルがデイリー・メールの外報部長を辞して、作家専業に身を転じてからの第一作であり、"チャーリー・マフィンシリーズ"が始まる直前の1976年の作品でもある。四年に一度、11月に実施される米大統領選挙に絡んで、KGBが巡らす陰謀を背景に、大富豪ホラスを陥れるための作戦のカギを握る老スパイ・アルトマンの苦悩と闘いを描くスパイ物。念入りな人物造形とねちっこいまでの心理描写はフリーマントルらしさでもあるが、読者を選ぶ作風でもある。彼の初期作品は、人を道具扱いする諜報戦の持つ非人間性の告発、その世界に生きる者の苦悩を描く、丁度グレアム・グリーンやジョン・ル・カレなどに通底するものだ。チャーリー・マフィン以降は娯楽性も加味した作品も増えてくるが、本作品はうらぶれた老スパイが抱える過去と、現在も続く悲劇が印象的で、物語の色調は暗いし結末も救いがない。話の筋は想像力で補わなければならず、何が進行してるのか解説してくれるわけではないので、工作戦の把握に骨が折れる。当節風のテンポのよい娯楽小説を求める人は手に取らない方がいいだろう。
Posted by