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コピーフェイスとカウンターガール(3) ガガガ文庫
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コピーフェイスとカウンターガール(3) ガガガ文庫

仮名堂アレ【著】

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コピーフェイスとカウンターガール(3) ガガガ文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2009/09/23
JAN 9784094511581

コピーフェイスとカウンターガール(3)

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商品レビュー

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2009/09/24

最後まで『コピーフェイス』が効いていた完結編

第1巻で早希が入学したと思ったら、続く第2巻で半年くらい過ぎて早苗先輩の大学祭、そして本巻ではさらに半年ほど進んで良平くん卒業しちゃうよー、やけに進行が早いなぁ、と訝しんでいたら完結だった。それでも『コピーフェイス』、すなわち同じ顔の姉妹、同じ顔の親戚という題材でシリーズ化できた...

第1巻で早希が入学したと思ったら、続く第2巻で半年くらい過ぎて早苗先輩の大学祭、そして本巻ではさらに半年ほど進んで良平くん卒業しちゃうよー、やけに進行が早いなぁ、と訝しんでいたら完結だった。それでも『コピーフェイス』、すなわち同じ顔の姉妹、同じ顔の親戚という題材でシリーズ化できただけでもめっけものか。最後までテーマに即した物語の上に良平と早希、理屈ばかりこねる不器用な2人にもようやく春が訪れた上手な完結編である。 今回は良平と腐れ縁な友人【明石明】とその彼女【樹樹里】(この2人、本巻1冊のためだけにキャラデザインされたのね……絵師さんご苦労様)との卒業旅行に行く、インドア派な良平達にしては珍しい話。裏を返せば、珍しいことだからこそ早希の隠れた想いが滲み出てもいる。そして、旅行先では明石達と良平達のペアが対比として表現されていく。いわゆる体育会系と文化系、行動派と慎重派、肯定的と否定的、感情と理論などなど、言うまでもなく前者が明石達で後者が良平達であるが、直情的な、つまりおバカな行為の連続に見える明石達に呆れと反感を抱きながらほんの少しばかりの羨望もあるようなないような複雑な心境を垣間見せている。まぁ、イマドキの特定の若者らしい理屈っぽさなのであるが、フツーに考えれば明石達の振る舞いの方が良くも悪くも若者らしく見え、ここにはマジョリティに対するマイノリティの斜に構えた見方の1つが表現されているのかもしれない。ただ、せっかくの旅行なんだからもっと弾けなよ!みたいなもどかしさも少し感じる。そして、ここにきて早苗先輩からのまさかの告白という事態が勃発するのだが、これまた若いのに何だか達観しているような猪突猛進さに欠ける理論武装が見られてイマイチ乗り切れない。なに、そのハーレム容認論?みたいな見解、それ、拡大解釈したら不倫もOKになるのでは?という感じ。ただ、これまでの展開には自分にも思い当たるフシがあったりするので何とも複雑。う~ん、このままでは……なんて思っていたら後半にそれを覆す展開が待っていた。続く早希の告白とその後の顛末はいかにもなドラマ展開ながら明石達にも良平の親戚達も相応に出番のある好展開を迎え、最後の最後に良平の答えが用意される結末を迎える。やっぱり恋は理屈抜きで真っ直ぐ進まなくちゃネ、というハッピーエンドと言えよう。単なるラヴコメならばこの後の物語も紡げられるのだろうが『コピーフェイス』という設定のためにこれにて終了、という気がして残念である。作者の新シリーズに期待しよう。その時はもう少しストレートで小難しい理屈抜きな物語をお願いしたい。

DSK

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