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ある徴兵拒否者の歩み トルストイに導かれて
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2009/08/24 |
JAN | 9784622074830 |
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ある徴兵拒否者の歩み
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商品レビュー
3
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」の参考文献より辿り着いた本、なので正直こんなにトルストイ愛に溢れているとは思わなかった。私自身トルストイは読んだことがないし、興味があったのは「徴兵拒否」のところなので、肩透かしを喰らったような、、、だが、戦争当時の詳細な日記は貴重な資料だと思ったし、なにより本全体に「自由・平等・平和」を切望する筆者の(そしてトルストイの)温かく実直な心根が溢れていて、それを感じることができただけでも手に取る価値はあったと思う。 やはり思ったのは、戦時下という特殊で過酷な環境にあることが、人を殺してもいい理由には欠片もならないということ。ましてや殺した人数を自慢し合うだなんて!遠藤周作の「海と毒薬」を読んでいても思ったが、彼らは戦争を理由に、人を殺す、虐げる、元々備わっていたその残虐性を、理性と良心を介すことなしに発揮した獣である。キリスト教の理念に基づいて、全人類を同胞と慕う筆者が、虐げられ殺される同胞と、それを楽しむ同胞を傍に、抱え込んだ心痛は察して余りある。 人間誰しもが"獣"になる可能性がある中で、筆者にそれを許さなかったのは、キリストの教えであり、孔子の教えであり、なによりトルストイの教えであったということ。彼らの教えを、いかに正しく日本に広め伝えるか、そのことに心血を注いだ生涯であったということ。この本はそういう本である。 いろんなことを考えさせられた。宗教は武器と一緒で、人を殺す理由にもなるし人を殺さない理由にもなる。つまり全て人間次第だということ。敬愛する叔父や学友と、筆者の信念のもとに成立する時局観、人生観を共有し得ない切なさ。戦後日本の教育現場で、憲法第九条について議論さえできない不自然さ。武者小路実篤が戦争支持者であったという衝撃。焚書坑儒に基づいて、国家からの圧政を防ぐために有効なのは、良書であるということ。これは国民の知る権利を支える公共図書館の役割や、図書館の自由に関する宣言の重要性までも連想させられた、、、トルストイの民話を教科書に!までは行き過ぎかなと感じるけれど、少なくとも北御門二郎訳でトルストイに触れてみたい、と思わせる力のある本だった。 主旨とは全く関係ないけど、海外文学に触れるたびに、表紙をなぞっただけで奥底まで攫えてないような違和感があって、それってやっぱり宗教観が関係してるよなって思ってたんだけど、「トルストイを読む前に聖書を読め」という牧師さんの一言で確定しましたね、、、やっぱ読まないと駄目かな聖書、、、辛いな、、、
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※このレビューにはネタバレを含みます
トルストイは明治大正世代の日本人に愛された作家のようだ。武者小路実篤の書いたものにトルストイの名前が出てくるのは知っていた。徳富蘆花と蘇峰がそれぞれ、ロシアのトルストイを訪ねたことがあったのは、たまたま旧居と記念館に初めて行って知ったことだった。そして、この著者はその徳富兄弟の故郷熊本県の田舎にてトルストイの生き方をなぞるがごとく、平和主義を貫き、後年をトルストイの翻訳にささげた。名前こそ有名な方だったが、著書を読んだのは初めて。まさにその徳富記念館の帰りに寄った、近くの図書館で出会った一冊だった。 ご存命の時には地元紙にも取り上げられたことがあるし、そういえばNHKのローカルでも特集されていたらしい。が、もったいないことに、その当時私はそれほどまでにこの人のことを知ろうとは思っていなかった。 キナ臭い世の中になってきて、不安が胸に渦巻く昨今だが、ただ一つありがたいのは、かの戦争を反戦で貫いた著者の言葉が非常に切実なものとして感じられることである。これはこの本の中で知ったことだが、冒頭に名前を挙げた武者小路実篤ですら、戦時中は戦争を肯定するような文章を書いていたという。 文中多数引用されている戦時の日記は、現代の若者に比べると使う言葉が難解で、正直ちょっと辛かった。電子辞書が欠かせなかったが、おかげで知らなかった語にずいぶん出会えた。 戦後にかかわる部分は、現在の状況の中、憲法について考えるヒントがいくつも提示されている気がした。今こそ、著者の生き方、主張を再検討する時期なのかもしれない。 なお、アマゾンの関係で他の出版社の物をレビューに上げているが、実際に読んだのは「知の塩社」のものである。
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トルストイ・・私はアンナ・カレーニナを20代の後半で初めて手にして没頭したことを覚えています。著者同様、ロシア語でよめたら・・とか何とか思い、すこしだけロシア語のテキストなどを購入して学んだこともありましたなあ~(笑)とおもいだしました。 北御門さん訳のトルストイ是非よんでみた...
トルストイ・・私はアンナ・カレーニナを20代の後半で初めて手にして没頭したことを覚えています。著者同様、ロシア語でよめたら・・とか何とか思い、すこしだけロシア語のテキストなどを購入して学んだこともありましたなあ~(笑)とおもいだしました。 北御門さん訳のトルストイ是非よんでみたいとおもっています。どんな文献、文学でも原本をどう感じ取るかは大変な作業だと思います。翻訳者の日本語が嫌いで読まなくなった外国文学も数多くありました。 そんな翻訳者の一生の話をあえてとりあげたこの本、みすず書房さん、とってもおもしろい発想ですねって感じでした。徴兵を拒否したトルストイ崇拝者の平和への問いと、トルストイ自身の分析をとてもわかりやすく明確な日本語でかいていただいているのでとても楽しく読めました。
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