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熱い風
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2009/08/26 |
JAN | 9784087713190 |
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熱い風
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商品レビュー
3.3
11件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
唐突に死んだ男。彼に愛されていたと信じたい女。 男の足跡をたどって旅をするうち、本当は愛されてなどいなかったのではないのかという思いが彼女の胸を埋めていく。 設定はいい。 そういうことってありえるよなぁ、と思う。携帯ひとつで個人と個人がつながる現代ならば、こんな唐突な別れは起こりうる話。愛する人の死を知らずに、無為に時を過ごしてしまう可能性も。 だけど、次々に彼女の胸を押しつぶしていく不信感が、彼の友人の話によってすべてすっきりと晴らされるというラストは、それまでの描写がうまいだけに、ちょっと納得できない。 なぁんだ、そうだったんだ~♪ で終わる話なら、これほどまでに長い「振り」は必要なかった。 友人の登場のしかたも、あまりにも都合がよすぎる。彼の言葉に嘘はないの? なんて、ひねくれた私は疑ってしまう。 辛辣な言い方をさせてもらえるなら、ヨーロッパ、それも素人の行かないレアなヨーロッパを旅してみたくなった作者が、出版社の経費で「取材旅行」し、それをもとに書いたような作品。 悲しみにくれているはずの主人公なら目に入らないような「旅の描写」がとても多い。(こんな情報あなたご存知だったかしら?みたいなドヤ顔の) 小池先生、ヨーロッパは楽しかったですか? ……なんて言ったら怒られちゃうんだろうなぁ。 だけど、私にとってはそれ以上でも以下でもない作品だった。小池ファンの皆さん、ごめんなさい。
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彼の中には、いつも、虚無の暗闇が潜んでいた。目をこらしていないとわからないほどの小さな闇だが、それがどこまで深く彼自身を支配しているのか、わからなかった。 私はその虚無の中に、ぎゅうぎゅうに、いやというほど我が身を詰め込み、私自身で彼を埋めつくし、以後、彼が一切の孤独やさびしさを覗きこまずにいられるようにしてやりたい、と願った。そんなことができるわけもないのに、そうできるなら、何を捨てても怖くないと思った。 そんなことばかり考えていたせいか、そのうち彼と性を交わすたびに、私は世間一般の男と女とは逆のことを感じるようになった。彼の性器が私を埋めるのではない、私の性器が彼を埋めている、という感覚である。 彼の中の欠落している部分を私が埋め尽くしていく。埋めて埋めて埋め尽くして、それでも足りずに、彼自身をのみこんでしまう。彼自身を私の子宮の奥深く、隠してしまう。 世界で一番安全な場所に彼を導き、彼に休息をとらせるために、穏やかな眠りにつかせるために。
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海外に一人で行ったことがない人には,この話の核心が解らないかもしれない。 一人で外国の街を彷徨い歩く。 「私はハイネケンと一緒にグリーンサラダを注文した。」 オランダとオランダのビールハイネケンが好きな人なら,ここに安心を描写していることが解るかもしれない。 その前振りで,ヤンの登場と,家の紹介が続く。 死因がよくわからないところが謎だが,小池真理子風の終わり方だと思った。書きすぎて,嫌味が残るよりはいい。
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