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匂いの人類学 鼻は知っている
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匂いの人類学 鼻は知っている

エイヴリーギルバート【著】, 勅使河原まゆみ【訳】

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匂いの人類学 鼻は知っている

定価 ¥2,200

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ランダムハウス講談社
発売年月日 2009/07/27
JAN 9784270005132

匂いの人類学

¥1,980

商品レビュー

3.7

9件のお客様レビュー

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2024/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

嗅覚を疎かにしたり過剰に祭り上げない方が良いっていう話。 文体も軽くとても読みやすい。 五感の一つであり、とても身近な感覚の筈なのに良い香り・無臭・臭いくらいしか意識しておらず、「ひとの目、驚異の進化」と同じくやっぱり人間の感覚って面白いと思える本。 p. 22 「研究所の棚には、奇妙で、たいていは嫌な匂いがする香料の瓶が何百本も並んでいるのだから、駆け出しの調香師が、おじけづくのもわかる。けれども、センスのいい学生にしてみれば、その嗅ぎ分け方を習得する仕事は、実際には最初に思っていたほど難しくない」。このふたりの専門家に言わせれば、秘訣は具体的な認識の技能を磨くこと、つまり、新しい心的カテゴリーとそこに新しい匂いをなじませる方法について学ぶことらしい。調香師になるために学ぶのは、調香師らしい匂いの嗅ぎ方ではない。調香師らしい考え方なのだ。 p. 130 一般に認められている匂いの影響力は、おもに暗示の力に起因している。たとえば、オフィスがカビ臭いのを有毒カビのせいだと思い込むような負のプラシーボ効果は“シックハウス症候群”を悪化させる可能性がある。他方で、アロマテラピーの流行は正のプラシーボ効果で説明できる。アロマテラピーを利用する理由のひとつは、気分を高めることにある。たとえば、ラベンダーには一般的にリラックス効果が、ネロリには興奮作用があると言われている。だが、最近の調査で、正のスピンによって、こうしたラベンダーとネロリの効能を完全に逆転しうることがわかった。ラベンダーの香りには“リラックス効果がある”と説明すると、被験者は実際にリラックスし、心拍数や皮膚コンダクタンスの変化が測定された。ところが、“興奮作用がある”と説明するとーアブラカダブラー被験者は本当に興奮し、それが測定結果に現れたのだ。ネロリの場合も、同様の逆転が起こった。アロマテラピーで正のプラシーボ効果を起こすには、ちょっと手を振りさえすればいいのだ。 p. 260 彼らはよく知られた万能クレンザーの柑橘系の匂いを、その場にさりげなくただよわせた。その匂いを吸い込んだ被験者は、たいてい、匂いにも実験の意図にも気づかなかったが、掃除に関連する語を比較的すばやくリストから選び出し、習慣的な行動について尋ねられると掃除に関連する行為を挙げる傾向が強かった。さらに、彼らは被験者に砕けやすいクラッカーを食べさせた。すると、クレンザーの匂いにさらされた被験者には、クラッカーのかけらを掃除したり、それ以外のものを片づけるといった行為をより多く見せる傾向があった。サブリミナルな嗅覚刺激は掃除に関する精神的ネットワークを活性化した。だが、その結果、言葉や行為に表れた効果は、すぐさま利用できるようなものではなかった。被験者が自発的にプランド名を口にすることはなかったし、クレンザーに飛びつくこともなかった。クラッカーの屑掃除を促したくらいでは、とてもマインドコントロールとは言えない。

Posted by ブクログ

2023/04/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「嗅覚」に関する様々なトピックがまとめられた本。人類学は人間に関する学問の総称なので、タイトルはドンピシャ。原著はWhat the Nose Knowsで、これはそのまま日本語版の副題「鼻は知っている」に採用されている。原著が外国語の本が和訳されると、タイトルは読者を惹きつけるために原著とかけ離れたものがつけられることも多いのだが、この本はちゃんと原著のニュアンスをきちんと踏襲していて好感がある。 匂いに関連する話であれば何でも良し、みたいなところがあり、序盤は調香師の話、嗅覚障害の話、嗅覚と味覚の関係など、雑多な話が展開される。雑学として面白い部分もあるが、各章の間のつながりはあまり強くない。 後半、7章ぐらいからは嗅覚から想起されるイメージや、嗅覚をトリガーにして感情をコントロールできないか、という過去の試みが多く紹介される。ハリウッドでは1900年代初頭、映画館で映像と合致するような匂いを館内に放ち、視覚効果をさらに高める工夫があったらしい。1960年代までは試行錯誤が続けられていたらしいが、それ以降は映像と匂いを融合させる取り組みは衰退したらしい。こういう、歴史の中に埋もれたネタを知ることができるのも、この手の特定のテーマに偏った本ならでは。 後半は、嗅覚の今後の発展について、科学的な知見や研究結果がまとめられて締めくくりとされている。分かっているようで未知の部分も結構ある分野のようで、この先の研究結果次第では数十年後ぐらいに続編が出るのかもしれない。本書の日本語版が刊行されたのが2009年。2030年ぐらいに、新たに分かったことがまた本になってくれたら面白い。

Posted by ブクログ

2016/06/29

2016年6月19日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「故郷(ふるさと)」。

Posted by ブクログ

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