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「フラフラ」のすすめ 15歳の寺子屋
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2009/07/16 |
| JAN | 9784062155861 |
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「フラフラ」のすすめ
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ノーベル賞を受賞した益川敏英さんの15歳の寺子屋。フラフラしてもいい、興味を持ったことにあちこち足を踏み入れればいいんだよ、という考えから来ている題名。益川さんの場合、物理、数学、科学などの間をフラフラしていたわけだから、決して一般人が想像するフラフラではない。 フラフラの仕方がとてもかっこいい。 益川さんの教えは主に3つ。 人生の基礎力を鍛えよう。 世の中の動きに関心を持とう。 平和の大切さ。 これだけの天才の方が、すべての教科の基礎力をしっかり学ぶことが大切と言われてい。その理由も、子供たちにもわかりやすく書かれてあった。 以下、備忘録。抜粋。 ◯夢中になる対象は、その時その時で変わっていいから、何にでも首を突っ込んでフラフラしてください。 ◯高校時代までの先生というのは、知識を教えるから教師としての価値があるのです。でも、大学の先生にとっては、知識の有無はさほど重要ではなくて、研究とは何か、その方向性を示すことが重要だったのです。「わからないことがあったら、自分で調べ、自分の頭で考えるんだ」と、目から鱗が落ちました。56 ◯激変の時代を生きていくには、今後、20年先、30年先を見通せるだけの視野の広さと、多様に変化していく社会に対応できる基礎的な知識を身に付けることだと僕は考えます。理科系の人も、文化系の人も、どんな科目もしっかりと基礎を学ぶよう心がけてください。日本語の勉強にあたる英語の「study」の語源には「知る楽しみ」という意味があるそうです。僕はこの「study」にこそ本来が学ぶことの意味が込められていると思います。自分の知らないこと、知りたいことが理解できるようになるというのはとても楽しいことだからです。ですから、僕は皆さんには、学校の教室を勉強する場ではなく、新しい知識を「study」しながら吸収していく場として考えてほしいと思います。68 基礎知識の大切さ 発明クラブの少年たちの発明を見せてもらった後、こんな話をした。「君たちの発明はなかなか面白かったけど、あれは科学遊びであって、その延長線上に科学があると勘違いしてもらっては困るんだな。現代の科学は想像を絶するほど進歩しますから、きちんと基礎から勉強してほしいな」70 今皆さんが学校で学んでいる事は、社会に出ていくための下準備なのですが、その下準備の中にぜひ「世の中の動きに関心を持つということも加えて欲しい。89 日本が進んでいく方向に賛成するのも反対するのも、それは皆さんの自由です。ただ、自分の意見をはっきり言えるだけの力を養っておいて欲しい。自分の意見をはっきりと言えるように、世の中の動きを理解するための基礎力も、今のうちから是非身に付けておいて欲しいのです。89 あまり早い時期に人生の目標を設定する必要はありません。フラフラと迷いましょう。大切なのは、自分から第一歩を踏み出すことだと思います。そしてその瞬間に1番重要だと思えることに、全力でぶつかってみることです。
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880 益川 敏英 1940年、愛知県名古屋市中川区生まれ。実家は、家具製造業、砂糖問屋などを営む。名古屋市立向陽高校を経て、58年、名古屋大理学部に入学。67年、名古屋大大学院博士課程修了。73年、京都大理学部助手の小林誠氏とともに、CP対称性の破れとクオークが6つあることを...
880 益川 敏英 1940年、愛知県名古屋市中川区生まれ。実家は、家具製造業、砂糖問屋などを営む。名古屋市立向陽高校を経て、58年、名古屋大理学部に入学。67年、名古屋大大学院博士課程修了。73年、京都大理学部助手の小林誠氏とともに、CP対称性の破れとクオークが6つあることを予言した論文を発表し、その後、この理論はつくば市の高エネ研による実験などで裏付けられた。東京大原子核研究所助教授、京都大基礎物理学研究所教授などを歴任し、2003年、退官。現在は、京都産業大理学部教授。08年、「小林・益川理論」による物理学への貢献で、ノーベル物理学賞を受賞した。 父は家具職人の修業をしていたころ、電気技師を目指して、早稲田大学の通信教育を受けていた時期がありました。小学校しか出ていなかったため、数学のサイン、コサインのあたりでつまずいて、結局、断念したのですが、電気や機械技術などの知識は豊富で、科学全般に強い関心を持っていました。近所でも「もの知り」で通り、 「下町のエジソン」なんて呼ばれていたこともあったらしいんです。本人もそれが自慢で、ぼくに向かってあれこれ知識を披露していましたよ。 本がギッシリ詰まった棚の中から適当に抜きだして、パラパラと頁をめくります。 すると突然、震えるような感動がわいてきました。それまで、本といえば教科書しか開いたことのなかったぼくでしたが、開いた頁に載っているカラフルな図版や、びっしり書きこまれた文字を見て、いままで感じたことのない胸の高ぶりを覚えたんです。 学校では授業中も授業と関係のない本ばかり読んでいました。ぼくは授業中に眠るということができません。いまでもそうですが、聞いている話がつまらないと、ついついべつのことを考えてしまうんです。で、机の中に本を置いて、読書。さすがに小説はマズいと、数学の参考書や化学の問題集などを読んでいました。英語の時間は読書もしたし、「内職」にも精を出したなあ。授業がはじまるやいなや、数学の問題集を開き、問題を解きながら時間を潰していました。 このころから古本屋に熱中しはじめます。図書館通いだけでは物足りなくなったんです。鶴舞公開の近くに三、四報の古本屋があり、そこをぜんぶ載いてから、さらに足を延ばし、市内の古本屋をじっくり見て回るのが大きな楽しみになりました。 で、そのおカネを握りしめて古本屋にすっ飛んでいくんです。小遣いのほとんどが本代に消えました。当時愛読していたのは、戸鵬配歩や脊川歡之作の小説でしたが、数学や物理や化学の古本を買いこむこともありました。いまのように本や雑誌が大量に出回っている時代ではなかったので、戦前に書かれた理科系の本が古本屋の店先にころがっていたりしたんです。それも、とびっきりの安さで。 「あこがれ」という点では、数学の授業で「昔、こんなすごい人たちがいたんだ」 先生が話してくれた何人かの数学者たちにも、ぽくは強く心を惹きつけられました。 そのひとりがフランスの数学者、エヴァリスト・ガロア(一八一一〜三二年)です 二年生の終わりになって大学進学を決意したのは、もっと数学や物理の勉強をしてみたいと思ったのが最大の理由ですが、大学に行けば、父から「店を継げ」とうるさく言われなくてすむから、という気持ちも少なからずありました。 しかし、父はぼくの大学進学に反対です。母がぼくの味方をしてくれたおかげで、 なんとか大学受験の許可はおりましたが、受験は一回だけ」「名古屋を出ることはあいならん」という条件がついてしまいました。 父はぼくが大学生になってからも、家業を継がせることをあきらめず、大学時代の四年間も、言いあらそいが絶えませんでした。ようやくあきらめてくれたのは、大学院にすすみ研究者としての道を歩みはじめてからのことです。 議論に熱中するあまり、「おまえとは絶交だっ!」なんてケンカ別れをしても、 二、三日するとまた平気で議論していました。そんなふうにして生まれた信頼関係は、一生続くほど強い絆を育んでくれます。みなさんも、ぜひ、友だちどうしで議論することの大切さや楽しさを、これからの学生生活で身につけてほしいですね。 なぜ、この程度のことが発明王エジソンにわからなかったのでしょうか。それは彼が高等教育を受けておらず、交流の仕組みを理解する数学的な知識がなかったからです。エジソンの失敗は、科学の世界ではいくら天才的な頭脳の持ち主で、鋭いヒラメキを持っていても、基礎的な知識がないとうまく活かされることはない、ということを教えてくれます。基礎的な勉強をしていなかったエジソンが「発明王」になれたのは、彼が、科学がまだ未発達だった十九世紀の人間だったからなんです。
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「将来したいこと、夢がみつからないのが悩み」という子どものために図書館でかりた。 中学生に、ノーベル賞受賞した物理学者の益川さんがどう響いたかわかりませんが、語りかけるような文章が子どもにはよいと思った。 基礎知識の大切さ、戦争と科学について、一番心に響いたのは、最後のページの言葉。 「大切なのは一歩踏み出すことだと思います。そして、その瞬間にいちばん重要だと思えることに、全力でぶつかってみることです。 みなさんが、これから本格的に歩みはじめる人生には、つらいことや悲しいこともあるけれど、、楽しいことだっていっぱいあるります。ですから、自分の努力を惜しみなく注ぎ込み、努力することが楽しいと感じられる道を、ぜったいに発見してください。」
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