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医学探偵ジョン・スノウ コレラとブロード・ストリートの井戸の謎
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本評論社 |
発売年月日 | 2009/07/10 |
JAN | 9784535585416 |
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医学探偵ジョン・スノウ
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商品レビュー
3.7
6件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
期待していたよりずっと堅実というか地味な読み物だった。「医学探偵」とか煽りすぎ。そもそも小説仕立てですらないし。 ヴィクトリア女王のお産辺りが面白かったかな。チラッとクリミアの天使・ナイチンゲールも出てきます。
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中古で出てくるのを待ってたんだけどなかなか出ず、図書館で借りて読んだ本。しかし、新書でもいいから買って本棚に置いておこうかな、と思えた本。 タイトルだけ見ると、ジョン・スノウという探偵が医学分野の謎や犯罪に立ち向かう推理小説のようにも見えてしまいますが、ジョン・スノウはれっきとした実在の人物で、いわゆる「疫学の祖」と呼ばれる人です。 19世紀にインドで発生し、世界各地に伝播しては万単位の死者を出したコレラの災禍と、その原因を特定するために尽力したジョン・スノウの軌跡が丹念に書かれています。 序盤はコレラの歴史、当時の病気の感染経路として一定の地位を占めていた瘴気説のこと、今の常識で考えるとおぞましいとも思えるようなコレラの治療法、医療への不信感から医師が一般大衆に襲われた事件、当時の人が医者になるための修業の積み方など、19世紀のイギリスの医学界の実体が細かく紹介されています。丁寧とも言える一方、時に話が若干、散らかってしまって読みにくいと感じた部分も少しあったのが難点と言えば難点。 スノウが出てくるのは、だいたい本全体の3分の1が過ぎたあたりから。しかも、時系列に話が展開するので仕方ないですが、出てきてからもしばらくはコレラを追っかけてません。むしろ、彼が麻酔に強い関心を持ち、エーテル麻酔で生活を経験を積んでいくことなんかが紹介されてたりします。スノウが麻酔科医だったということを、この本を読んで初めて知りました。 中盤以降は、スノウがコレラが水に起因する病気であるという考えを発表し、それが見事なまでに全力で無視されたこと(権威ある医学誌であるランセットも黙殺したという事実が書かれてますが、当時の常識からしたらスノウの説は完璧に異端だったのだということも、読み進めれば理解できます)、コレラが蔓延していた当時のロンドンの上水道システムが現在の開発途上国以上に劣悪だったこと、疫学調査にうってつけの条件が神の配剤のようにスノウに与えられたこと、その条件下でコレラの伝播について検証し、改めて水が原因であるという確証を得て論文を発表したこと、それが再び無視されたこと、他人がスノウの業績を盗用しようとしスノウの友人たちがそれに反論したこと、最終的にはスノウの死後に彼の論が事実であることが認められたこと、などが一気に紹介されていきます。 中盤以降のスピード感は爽快である一方、しかし旧態依然の常識に固執する当時の医学界がスノウの論を完全に無視する態度にイライラさせられたりもします。 最終章では、スノウの説が正しいことが立証されたのち、19世紀末にコッホがようやくコレラの原因であるコレラ菌を確認したこと、当時葉原因が判明したものの治療法は確立されなかったこと、そして現在でもコレラは予防に力点が置かれており、治療法は脱水対策ぐらいでコレラの地誌的病原性の前では人は無力なままであり続けていること、などが述べられています。考えてみたら確かにコレラは対症療法しかないわけで、疾患の原因が同定されるということと治療法が確立されるというのは全く別の次元なんだな、というのを改めて感じさせられました。 スノウの緻密な調査方法や業績にばかり目が行きがちですが、脇道で紹介されている当時の医療事情や、よく知られている人たちの小話なんかも面白い。当時は医者になるための正式なルートがなく誰かに師事して学び、臨床を重ねていけば免許や認証がなくても医師を名乗れたこと、スノウがコレラ対策をしていたのと同時期に日本で発生したコレラに緒方洪庵が対応していたこと、瘴気説はフローレンス・ナイチンゲールが生涯を通じて熱烈に支持していたこと、スノウの疫学調査の時期と同じくしてウィーンではゼンメルワイスが産褥熱について調査をし医療従事者こそが感染源であると見極めていたことなどは、それだけでちょっとした本が書けてしまいそう。 この本から、さらに関連分野の本に飛んでいくこともできそうです。疫学、麻酔、感染症あたりに関心がある方ならぜひ読んでおいて損はない。
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図書館で借りた本。ロンドンに実在した内科医ジョン・スノウの生涯を描いたノンフィクション。ロンドンに蔓延する感染症の感染源をつきとめていく、今ではふつうだが当時としては画期的な調査をおっていく。地味におもしろい読み物。
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