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谷中村滅亡史 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2005/02/18 |
JAN | 9784003313732 |
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商品レビュー
3.4
7件のお客様レビュー
原稿の資料として読んでいた本。 二十歳やそこらでこれを書けるのがすごいなと思う。 ただ本人も回想しているように、悲壮感あふれる表現が過剰すぎ、文体が古いのを抜きにしても非常に読みづらかった。 作者が社会主義者であることもあり、当時の政府と財閥をかなり強く批判しているが(実際、言...
原稿の資料として読んでいた本。 二十歳やそこらでこれを書けるのがすごいなと思う。 ただ本人も回想しているように、悲壮感あふれる表現が過剰すぎ、文体が古いのを抜きにしても非常に読みづらかった。 作者が社会主義者であることもあり、当時の政府と財閥をかなり強く批判しているが(実際、言葉が強すぎて発禁になったらしい)、そのへんを割り引いても、谷中村民へのなしようはいくらなんでもひどいなと思う。 日露戦争から生還した谷中村出身の兵士が、帰ってみたら家族がいなくなっていたという逸話は本当に気の毒だった。 「谷中村の強制破壊に携わる仕事に応募するなとは言わないが、応募するなら支度金を出してやるから我が町から出て行ってくれ」(意訳)と言った古河町長はえらいなと思う。ひどい話が続く中で数少ないいい話だった。 原敬や陸奥宗光は、平民宰相とか不平等条約の改正とか、教科書的には立派な偉人のようなイメージだが、また違った風に見えてくる。 なお出版時にはすでに陸奥宗光は没しているものの、原敬は存命だった。 この本はいつか報いを受けよと言わんばかりの憤怒で幕を閉じるが、およそ一四年後、原敬は東京駅で殺害される。Wikipediaによるとこの暗殺事件にはいろいろな憶測があるようだが、犯人の中岡良一は原が政商や財閥重視の政治を行っていることに憤っていたようだ。 谷中村への仕打ちが直接の動機ではなくても、原はいくらか報いを受けたのかもしれない、などと思ってしまった。 なお足尾銅山を経営していた古河市兵衛、古河潤吉の跡を継いで古河財閥の三代目当主となった古河虎之助の旧宅が、現在の旧古河庭園である。 旧古河庭園はバラの名所として有名だが、ここにはいま「わたらせ」という品種のバラが植栽されている。どういった経緯でこの品種が選ばれたのか、とても興味深い。
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石牟礼道子「苦海浄土」の流れからたどり着いた本書。 足尾と水俣はひとつながりである、という喝破がそこにはあったわけだが、 耳目を疑う棄民政策が両者に共通している。 歴史を俯瞰して理解したいという思いを持っているが、一方で本書の如く ワンテーマで超没入的に書きなぐる作品というもの...
石牟礼道子「苦海浄土」の流れからたどり着いた本書。 足尾と水俣はひとつながりである、という喝破がそこにはあったわけだが、 耳目を疑う棄民政策が両者に共通している。 歴史を俯瞰して理解したいという思いを持っているが、一方で本書の如く ワンテーマで超没入的に書きなぐる作品というものも貴重。
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田中正造から足尾鉱毒事件を世に訴えるために是非書いてほしいと依頼され、若干二十歳でこの書を著した寒村師が社会を見る眼をどこで養ったのか、ただただ驚嘆するばかり。 NHKのドラマ『足尾から来た女』の予習のつもりで読みました。
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