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もののはずみ 角川文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2009/06/24 |
JAN | 9784043908011 |
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もののはずみ
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商品レビュー
3.8
16件のお客様レビュー
物に対しての愛情が半端ない! 一つの物から筆者の類まれなる想像力やインスピレーションで物語を広げていく エッセイとあったが、物語だと思った 小川洋子に近い、柔らかい文章でスラスラ読み進められた
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学生の頃に読んだフランシス・ポンジュの『物の味方』を想いだした。小説のように彫琢を凝らした文体ではないが、サラッとしていて、それでいてフランス風のエスプリを持った、ちょっと小粋なエッセイだ。「もの」は、あくまでも「物」であって、それ自体は生きてはいないのだが、ここでのそれらは何と...
学生の頃に読んだフランシス・ポンジュの『物の味方』を想いだした。小説のように彫琢を凝らした文体ではないが、サラッとしていて、それでいてフランス風のエスプリを持った、ちょっと小粋なエッセイだ。「もの」は、あくまでも「物」であって、それ自体は生きてはいないのだが、ここでのそれらは何と生命感に溢れていることか。とりわけ2匹並んだ犬(本来は互いに無関係だったもの)のおもちゃのコンビの絶妙なこと。まさに「幼稚園の頃からの友だちみたいにたたずんで」いる。そして、ガラクタ市で売っている人たちとの掛け合いもまさにパリだ。
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はたから見ればただのがらくたに過ぎない中途半端な物たちに惹かれる著者が、主にフランスで出会った物たちについてペンを走らせた好エッセイ。 スライド映写機、珈琲ミル、陶製のペンギン、木製のトランク、ドアノブ、キッチンスケール、木靴、ビー玉etc. 年代物の高価な骨董品ではなく、2...
はたから見ればただのがらくたに過ぎない中途半端な物たちに惹かれる著者が、主にフランスで出会った物たちについてペンを走らせた好エッセイ。 スライド映写機、珈琲ミル、陶製のペンギン、木製のトランク、ドアノブ、キッチンスケール、木靴、ビー玉etc. 年代物の高価な骨董品ではなく、20年から100年くらい前の使われなくなったものたちである。 「物心」という言葉があり著者はそれに心思いを馳せる。 もののはずみで買ってしまったものたちは、著者と心を通わせ世界を広げるための力となっていく。 堀江敏幸さんの文章は、小説にしてもエッセイにしても独特の静けさを持っていて大好きだ。 芥川賞作家であり、明大教授の堀江さんは毎日多忙な生活を送ってらっしゃると思うのに、彼の描く世界はまるで時がゆっくりと再生しているようで、その静謐の中に贅沢な空間を見出す。 劇的主題を持つわけでもなく、強烈な光を放散するでもなく、レトリックに凝るわけでもない。 静かに時を流し、静かに独創的な世界を作り上げる。 その白き静けさに堀江さんの文章を読んでいるとゆっくりと満たされていくのだ。
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