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サンネンイチゴ 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2009/06/25 |
JAN | 9784043790036 |
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サンネンイチゴ
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商品レビュー
3.5
7件のお客様レビュー
『オタクっぽい地味な中2女子』、うちの娘にそっくりだと思いチョイス。 家庭環境がまるで違う3人のちょっとハラハラを含んだ日々のお話。 親目線でいうとサボリに深夜の外出、犯罪者を追いかけるなど絶っ対にNGだけれども、主人公のように自分の殻を破れる日が来るといいなとは思った。 これを...
『オタクっぽい地味な中2女子』、うちの娘にそっくりだと思いチョイス。 家庭環境がまるで違う3人のちょっとハラハラを含んだ日々のお話。 親目線でいうとサボリに深夜の外出、犯罪者を追いかけるなど絶っ対にNGだけれども、主人公のように自分の殻を破れる日が来るといいなとは思った。 これを読んで本人に響くものがあるのか気になるところ。
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昔、途中まで読んでた気がする。 他の2作と比べてしまうと、ちょっと面白味に欠けるかな。男だからかな。
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「お年玉」に本をやる(盆の頃にも本をやる)同居人の弟のとこの子も、上は春には中学生になる。この正月は、小6が出てくる話はどうかなと笹生陽子の『きのう、火星へに行った』を選んでみたら(下の3年生には、暮れの収穫『かさぶたってどんなぶた』)、その母から「今にぴったりで、すごいセレクト...
「お年玉」に本をやる(盆の頃にも本をやる)同居人の弟のとこの子も、上は春には中学生になる。この正月は、小6が出てくる話はどうかなと笹生陽子の『きのう、火星へに行った』を選んでみたら(下の3年生には、暮れの収穫『かさぶたってどんなぶた』)、その母から「今にぴったりで、すごいセレクトでした」とメールがきた。 私も久しぶりに笹生陽子が読みたくなって、まだ読んでないのあったっけなーと、文庫の『サンネンイチゴ』を借りてきて読む。 主人公は中学2年のナオミ。担任は、体育会系の理科教師。体育会系のノリ、つまりはやたらに元気、やたらに単純、声がでかくて命令好きな南センセが、ほんまにうざい。勝手な思い込みで、生徒をいたぶったり、教室を支配したり。そして生徒のほうも、柴咲アサミをのぞいては、心にわだかまろうとも、表だってはほとんど何もできず。 文芸部員で、詩をこねくりまわしたりするナオミは、妄想の中では勢いよく挙手して、先生をたしなめる発言をしてみたりするのだが、現実は「センセの恨みを買っちゃあ、まずいもの。ここはひとまず穏便に」路線。 そう、南センセに「なにやってるわけ? さっきから。そこに立たれるとじゃまなんだけど」などとタメ口で文句言えるなんて、柴咲アサミくらいだ。さすが天下無敵のバトルマスター、おそるべし、とはナオミの心の中の声。 ナオミが、わざわざ関わるつもりのなかったアサミと話すようになったのは、ある日古本屋へふらりと入ったほんのわずかな時間のあいだに、自転車の前かごに入れていたサブバッグを盗まれたせいだ。しかも、最初にたすけてくれたのは、文芸部長の野々村さんの噂によれば"アサミと付き合っている"という隣のクラスの手塚くん=ヅカちん。 そんなこんなで、アサミやヅカちんと話すようになったナオミは、わざと問題から目をそらす自分を、思い出さずにいられない。3年前、小学5年のときに起こったある騒動のことも、忘れたふりをしていたけど、ふりなだけで、決して忘れたわけじゃない。 「納得できないことをするのは死んでもいやだ」そう思って、ナオミはあのとき罰のランニングを拒絶した。球技大会の練習時にダブルブッキングしていた体育館のコート使用で不公平な裁定をした音楽教師の授業を、クラスの女子で集団ボイコットした。その教師は学年主任を連れてもどり、ボイコットに加わった女子たちは「やってていいことと悪いことがあるだろう」の説教をかまされた上に、罰に校庭のランニングを命じられた。 「みんなといっしょにやってはいけないことをしたのは事実だけれど、だからといって一方的に責められたんじゃかなわない。十一歳の小学生にとっては、あれが精一杯。体育館での一件でどれほど不快な思いをしたか、理路整然と訴えることができればとっくにそうしてた。」(p.74) ランニングせずに帰ったナオミは、翌日には職員室に呼び出されてシメられ、反省文を書かされた。さらには親まで呼び出されて面談された。「あんたみたいなことしたの、クラスでたっったの一人でしょ? はずかしいったらありゃしない」と母親に言われて、ナオミは自分の立ち位置を思い知り、自分への希望を失った。 自分はひとりだ、と思っていたナオミ。でも、そのナオミの行動を、アサミはずっと見ていたのだという。3年前のあのとき、アサミもランニングせずに帰ったのだ。けれどアサミの父が地元の名士の資産家だからか、あるいはアサミが大人に対して強く出られる子どもだったからか、ナオミひとりが先生にシメられ、自分にはなんのおとがめもなかったことを知ったとき、アサミは大人のずるさにがっかりして、そしてナオミの行動にほれていたのだった。 アサミやヅカちんとつきあうようになって、自分をみつめるナオミ。思ったことはなかなか言えないままではあっても、同級生との関係も、先生に対する態度も、親や弟とのあいだも、すこしずつ変わっていく。14歳なりの浅はかさもあるけど、そうやって失敗もして、こわい思いもして、それでたぶんナオミは自分のことがちょっとずつ好きになっていったと思う。書く詩も、変わっていく。 言いたいけど言えない、うまく表現できないもやもやがうずまく14歳の、内言と行動が、なつかしいような感じだった。 (1/27了)
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