ヒミツの遊戯 バンブーC/NAMAIKI SELECT

海野留珈(著者)

• 販売会社／発売会社: 竹書房
• 発売年月日: 2009/07/16
• JAN: 9784812471227

商品レビュー

2010/02/09

愛情豊かなストーリーにちょっとしたオマケ付き

[ＤＳＫ]

表紙で幾分損をしているように思う。確かにかつてはロリロリな画風だったし、今でもその名残はあるが、ここ最近はＯＬとか教師といったお姉さんヒロインの作品の方が多いので、買ってみたら「あれ？ちょっと違うな」と思う諸兄も出てくるように思う。

良い意味で変わらない、甘い物語ばかりである。ちょっとした秘密や悩みを抱えたヒロインが悶々としながら交際を続けるも、どうしても隠し切れない、あるいは話しておきたいと勇気を奮って秘めた想いを吐露、それを優しく受け止める主人公という展開が多くを占める。ハッピーな話ばかりで胸キュンな甘酸っぱさもあって良い。そして、本作収録の全８話（９編）の多くには、普段ならあまり見かけない結末が多いように思った。ちょっとしたすれ違いを乗り越えるまではこれまでと変わらないのだが、ここから距離を縮めたり理解し合った２人の「その後」が最後に描かれているのである。それを一言で言うなら「辱め」。外見にそぐわない意外な趣味や性癖を告白したヒロインの本当の想いを叶える主人公、と言えば聞こえが良いが、要は荒々しく責めたり、淫猥なポーズを取らせたり、貪るように求めたりといった、若干Ｍっぽい嗜好をほんの僅かだがＳっぽく満たしてあげる結末である。もともと甘いストーリーに反して意外に大胆な情交描写という作風なのだが、これによりいやらしさが少し加味されて、ちょっとお得なオマケを貰った感じがする。真っ白なピュアピュア路線を希望する向きには「ちぃ～とばかし余計だな」と思うかもしれないが、これはこれで悪くない。ただ、今回は「初めて」同士が結ばれるパターンが大半な割にヒロインが晒されるポーズが結構大胆というか、いきなりそれではちょっと可哀想では？という気がしないでもない。