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マルコヴァルドさんの四季 岩波少年文庫158
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2009/06/16 |
JAN | 9784001141580 |
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マルコヴァルドさんの四季
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商品レビュー
4
18件のお客様レビュー
話の内容自体はごく単純だけどシビアな表現で書かれた文章です。気分転換に気軽に楽しめるかと思って読み始めたら、意外と考えさせられることの多い短編集だった。 作者による解説によると「産業社会」というあまい夢だけでなく、「いなかの生活」というあまい夢も、攻撃の的となっているそうで、「昔...
話の内容自体はごく単純だけどシビアな表現で書かれた文章です。気分転換に気軽に楽しめるかと思って読み始めたら、意外と考えさせられることの多い短編集だった。 作者による解説によると「産業社会」というあまい夢だけでなく、「いなかの生活」というあまい夢も、攻撃の的となっているそうで、「昔にもどる」ことができないだけでなく、その「昔」自体が、じっさいには存在したこともなく、幻想にすぎないとのこと。 マルコヴァルドさんの自然に対する愛着は、都会に住む人だけが持つもの、都会で自分のことを「よそ者」と感じているマルコヴァルドさんこそ、ほんものの都会人、という作者の言葉にすごく納得できた。
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笑えるというか「こんなことしていいのかよw」という話が多かった。ラスト2話が怖い。中之条ガーデンの森の図書館で読んだ。
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「この本は、子どもの本なのでしょうか?若者むけの本?それとも、大人むけの本?」 ー作者による解説より 「マルコヴァルドさんの四季」というタイトルと表紙を見て、どんな内容のお話だと思いましたか? 私はマルコヴァルドさんという男性が四季おりおりの情景の中で何か素敵なものを見つけ、小...
「この本は、子どもの本なのでしょうか?若者むけの本?それとも、大人むけの本?」 ー作者による解説より 「マルコヴァルドさんの四季」というタイトルと表紙を見て、どんな内容のお話だと思いましたか? 私はマルコヴァルドさんという男性が四季おりおりの情景の中で何か素敵なものを見つけ、小さな幸福とふれあう物語を想像しました。 …これが遠からずも当たらず。 この本はマルコヴァルドさんとその一家が過ごす四季×5年分の20話を収めた短編集。 マルコヴァルドさんは、イタリアのどこか知らないけど都会の街で8人家族を養う大黒柱。 そしてどんな仕事をしているのかさっぱり分からないけど、低賃金労働者で家計は苦しい。 ひもじくて野生で生えてるキノコを採りまくろうとしたり、寒さに震えながら薪を買うお金がないから森で薪を調達してきたり、スーパーで他の客がパンパンにカートに商品を詰め込んでいるのが心底羨ましくて買う気はないけどカートを品物でパンパンにしてみたり。 そんなこんなで田舎から出てきたマルコヴァルドさんは、田舎の自然に思いを馳せ、都会の汚らしさにため息をつきながらも、その街で家族と暮らしていきます。 さて、その短編一話一話の展開なのですが、どれも一話ごとに起承転結がしっかりしていて皮肉と哀愁とちょっとした希望に富み、面白いのです。 ただ悲しいかな、物語の最初に街の中でマルコヴァルドさんが小さな幸せや生きがいを見つけることは、読む前の想像通りなのですが、ラストはいつも悲しい結末に突き落とされ、こちらは読みながら呆然とします。 …ええっ!?ここみんなで笑ってハッピーエンドじゃないんだ!!? 救いようがないとまではいかないけど、ちょっとつらい。 割と毎回、そんな感じ。シビアな終わり方も。 どんな展開でそうなるのかは読んでのお楽しみということにして…。 この、何かいいことを見つける→なんやかんや盛り上がりの展開がある→切ないラスト、という展開は、どうやら作者のカルヴィーノが意図的に織り成していたらしい。 完全に術中にハマる。 けれどあまり悲壮感なくページをめくり読み進めてしまうのは、マルコヴァルドさん含めマルコヴァルドさんの子どもたちがめちゃくちゃ逞しくて、次みつけた希望に目を輝かせられるガッツがあるから。 そしていつもマルコヴァルドさんが幸せだ、素敵だと思い焦点を当てるのは、街中のネオンでも喧騒でもなく、植木鉢でぐんと背を伸ばしている植物や、星が輝く夜空、きれいでおいしい空気。 そんなマルコヴァルドさんの感性は、「都会の暮らしにふさわしくない目」と解説などで表現されています。 なるほど、ふさわしくない。 たしかにそうかも。 でもそれと合わせて印象深かったのは、田舎から出てきたばかりのマルコヴァルドさんには都会の街の風景がキラキラして見えたということ。 これも対比として表現しているのかな。 個人の感想だけど、マルコヴァルドさんはちょっとなよっとした感じがあるけど、その子どもたちはめちゃくちゃパワフル。 自分たちは食うに困る生活を送っているのに、裕福だけど日々をつまらなさそうに送っている男の子を見て「恵まれない子どもだ」と感じるというタフネス。 一連の物語で輝いて主人公然としていたのは、案外子どもたちの方なのかも。 あとはこれが書かれたのは1950〜60年代初期というのに、古びた感じが一切しない。 つい去年書かれたばかりですよと言われても納得してしまいそうな新鮮さ。 マルコヴァルドさんが過ごす四季は、はちゃめちゃな展開もあるけれど、今の私たちの生活と照らし合わせて共感を呼ぶものだと思いました。 なんだかついまた読みたくなる、そんな本。 ちなみに特に好きだなーと思ったのが、 「高速道路ぞいの森」「牛とすごした夏休み」「毒入りウサギ」「月と《ニャック》」「けむりと風とシャボンの泡」「がんこなネコたちの住む庭」「サンタクロースの子どもたち」 です。 以下備忘録がてら目次をば。 春 都会のキノコ 夏 別荘は公園のベンチ 秋 町のハト 冬 雪に消えた町 春 ハチ療法 夏 土曜の午後、太陽と、砂と、まどろみと 秋 お弁当箱 冬 高速道路ぞいの森 春 おいしい空気 夏 牛とすごした夏休み 秋 毒入りウサギ 冬 まちがった停留所 春 川のいちばん青いところ 夏 月と《ニャック》 秋 雨と葉っぱ 冬 スーパーマーケットへ行ったマルコヴァルドさん 春 けむりと風とシャボンの泡 夏 都会に残ったマルコヴァルドさん 秋 がんこなネコたちの住む庭 冬 サンタクロースの子どもたち 作者による解説 訳者あとがき
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