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銀二貫
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銀二貫

高田郁【著】

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銀二貫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻冬舎
発売年月日 2009/06/12
JAN 9784344016835

銀二貫

¥440

商品レビュー

4.5

91件のお客様レビュー

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2025/10/17

なんという染みる話… 疲れた身体に優しく染み渡る…。和助の半分は優しさでできているに違いない。 ひまわりめろん師匠と、みんみんさんにご教授頂き、時代小説で色々と勉強しております。 本作は次は商人だ!との事でひまわり師匠からお勧め頂きました。 タイトルの『銀二貫』、てっきり名前...

なんという染みる話… 疲れた身体に優しく染み渡る…。和助の半分は優しさでできているに違いない。 ひまわりめろん師匠と、みんみんさんにご教授頂き、時代小説で色々と勉強しております。 本作は次は商人だ!との事でひまわり師匠からお勧め頂きました。 タイトルの『銀二貫』、てっきり名前だと思っていたら当時のお金の事だった!なんたる無知…。 調べた所、約300万から500万との事。命の値段としては適切かどうか分かりませんが、この銀二貫にはそれ以上の重みがある。 寒天問屋『井川屋』の主、和助は、大火で燃えてしまった街の守り神の天満天神宮を建て直す為に銀二貫を寄進する予定でした。 あげるつもりで貸していた大金を頭を下げて返して貰った帰り道、立ち寄った団子屋でなんと仇討ちの現場に遭遇。 討たれた数馬には10歳の子供、鶴乃輔がおり、瀕死の重症を負った数馬を庇い続けます。 このままでは鶴乃輔まで斬られてしまう!そこで和助は懐にあった銀二貫で仇討ちを買い、鶴乃輔を救います。 鶴乃輔は松吉と名を変えて井川屋に奉公に入る事に。 この銀二貫が最後に名言を生み出すのですが、人情の溢れる大阪問屋の話がなんと心に染みる事か…。 和助の商売に対する真摯な姿勢と他人を慈しみ慮る姿、これだこれ!日本の心! これこそが思いやり!思いやり予算てなんやねん!!(蘇る『軍事優先社会』への怒り) 人情物語や切ない恋愛物語、松吉の成長物語として非常に良く出来た作品なのですが、それと同じ位に無知な私は驚きの連続。 安栄7年(1778年)のお話なのですが、こんなに大火事が頻繁に起こっていたのですね。 当時は今のように化学物質で火を消せないので、一度燃え広がるとそれこそ街丸ごと焼けてしまう勢い…。 和助のように店を持つ者にとっては恐怖でしかない。実際に作中では何軒ものお店が焼け落ちてしまいました。 まるで天災のように扱われている火事。 その火事から守って頂けるように、商人達は天神さんをそれは大事に信仰しているわけです。 そして今は当たり前にスーパーで買える羊羹や、心太を作るために、先人の方はこんなに苦労と努力を重ねていたとは…。 いや普通に考えればそうなんですが、改めて詳しく読んでみると凄い修羅の道… 現代の寒天の作り方を見てみましょう。 まず原料となる紅藻類をアルカリ処理、水洗いして異物を除去。そして煮沸し硫酸や酢酸で微酸性にして抽出。その後、ろ過、冷却によりゲル化させてから凍結乾燥することで糸寒天や角寒天の出来上がり。 これを当時は全て人の力だけで行う訳です。 しかも極寒の地で。 きつい、きついでぇ!!ポテチ2年分貰ってようやくやっても良いかレベル!(時給換算したら奴隷並み) 松吉は先ずこの寒天作りを修行してから井川屋に入るのですが、元武家の子息であった松吉は逃げ出すだろうと言う番頭の善治郎の予想を裏切り、物凄い胆力でやり遂げます。 この善次郎が誰よりも天神さんに寄進する事を願っていたので、そのお金で買われた形になった松吉にどうしても思う所があったのです。 でもね、一生懸命頑張ってる人はきちんと誰かが見てくれているんですね。 松吉…なんて健気な良い奴なんだ!! 父の死を乗り越えてこんな素晴らしい青年に育つなんて、もう和助のお陰。 全ては半分が優しさで出来ている和助のお陰。 最後の一声までが和助イズム。こんなご老人になりたい! 大阪商人の歴史と火事と戦ってきた先人の歴史を垣間みる事が出来て、しかも人情物語にぐっとくる。 1冊で何粒も美味しい良作でした。 こうなると火消しを描いた『ぼろ蔦』シリーズが読みたくなってくるんですよね。 どうやって火消しをしていたのか謎なので。 ひまわりめろん師匠、ばっちり商人枠も堪能致しました、ありがとうございます♪

Posted by ブクログ

2024/02/27

人の縁の大切さが描かれた作品。物事の達成、とりわけ新規開拓には並々ならぬ努力はもちろん、周囲の助けが必要なのだと感じた。そうした縁を繋げられるか切れてしまうかはその人の誠実さ次第なのかも知れないと思った。ラストは穏やかな気持ちになれる大団円だった。

Posted by ブクログ

2023/03/11

いい話だった。地道にコツコツ頑張る主人公をとても応援したくなる。なかなか本来の目的のために使われない銀二貫だが、そこから始まるストーリーに人の温かさを感じ、読んでいて心地よい。 食べ物の描写がすごくおいしそうで、寒天食べたくなった。

Posted by ブクログ