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文庫版 邪魅の雫 講談社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2009/06/11 |
| JAN | 9784062763714 |

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文庫版 邪魅の雫
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商品レビュー
3.9
121件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
誰にでも、自分勝手で醜い感情や欲望はある。他者への嫉妬や憎しみといった負の感情、そしてそんな自分を認めたくないという気持ちもまた、人間らしさの一部なのだと思う。 本作は、そんな複雑な感情を抱えた真犯人と、「簡単に人を殺せてしまう凶器」の存在が重なったことで、悲劇が連鎖していく物語だった。 序盤は被害者にも、その周囲の登場人物たちにもあまり感情移入できなかった。しかし最後まで読み終えた今振り返ると、百鬼夜行シリーズの中で最も真犯人の動機に共感できた作品だった。 動機だけを要約すれば、「想い人を他の女に奪われたくない」という嫉妬に過ぎないのかもしれない。けれど、人に対して抱く後ろめたい感情や、自分でも認めたくない醜い思いは、程度の差こそあれ誰もが持っているものではないだろうか。 作中では真犯人が警官たちに向かって、「聖人君子ぶってまともそうなことばかり云ってるけど、警察官に邪念はないの? 嘘を吐かないと云うの?」と問いかける場面がある。実際、中盤では青木や益田たちも邪な気持ちや後ろめたさを抱く様子が描かれており、その積み重ねがあったからこそ、この言葉には強い説得力があったように思う。 そしてラスト。榎木津に叱られ、ようやく素直に泣くことができた真犯人の姿に、私も思わず涙してしまった。百鬼夜行シリーズを順番に読んできたが、涙が出たのは本作が初めてだった。「素直になれ」と言われて初めて感情を解放できた真犯人に、自分でも気付かないうちに感情移入していたのかもしれない。 また、前作に登場した大鷹の心情が描かれていたのも興味深かった。空気が読めず、「なぜ急にそんな行動を取るのか」と周囲を戸惑わせる人は現実にもいるが、本作ではそうした人物がどのような思考回路で行動しているのかが丁寧に描かれている。もちろん「なんて馬鹿なんだ」と思う場面も多い。それでも、目の前の情報や曖昧な印象だけで勝手に思い込みを膨らませてしまうところは、自分を含め、多くの人にも当てはまる思考なのではないかと考えさせられた。 百鬼夜行シリーズの中でも、人間の弱さや醜さを最も身近に感じられる一作だったと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いやはや、連続して6人の被害者が出る殺人事件が発生するのに、それぞれが嘘や勘違いに誘導された独立した、でも連鎖した事件だった。しかも首謀者の人間は、罪に問われることがない。 1300ページもあるのに、止まらないし、途中で飽きない。中禅寺が長いこと語る内容が、決して本筋とは関係ないんじゃないかなと思いきや、それぞれのキャラクターを形作るのに寄与したり、あとあと回収されたりと、作品としての美しさがある。 入院中というある程度まとまった時間で一気に読めた。また次の作品はいいタイミングを探して読みたい。
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京極夏彦先生のファンで、百鬼夜行シリーズは姑獲鳥の夏から全て読んでいます。 前作は少し物足りなさを感じてしまい、今作はどうかなと思いながら読み始めましたが、すぐに物語の世界観に没入することができました。 登場人物が複雑で混乱しながらも、一気に読み進めてしまいました。 今回の犯人の...
京極夏彦先生のファンで、百鬼夜行シリーズは姑獲鳥の夏から全て読んでいます。 前作は少し物足りなさを感じてしまい、今作はどうかなと思いながら読み始めましたが、すぐに物語の世界観に没入することができました。 登場人物が複雑で混乱しながらも、一気に読み進めてしまいました。 今回の犯人の動機に同情できる部分もありましたが、嘘を騙って事件を誘発するやり方にモヤモヤしながら終盤を迎えたところで、榎木津の最後の台詞がとても痛快でスッキリと読み終えることができました。 また今作では警察チームのバディ感というか、チーム感も楽しむ事ができました。特に山下さんは過去作では取っ付きづらい印象がありましたが、今作では「ザ・中間管理職」の親近感があるキャラになっていて、事件が起こる度に疲労困憊していく様子に、いつの間にか山下頑張れ!!と応援しながら読んでいました。
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