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マイトレイ/軽蔑 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅱ-03
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2009/05/30 |
| JAN | 9784309709550 |
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マイトレイ/軽蔑
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マイトレイ/軽蔑
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商品レビュー
4.5
16件のお客様レビュー
お互いの考えていることが100%分かると思う。そんなことは有り得ないと歴史が言っていても、私たちだけは特別だと思う。人生にたったひとりの人だと思う。それは、何年たっても変わることの無い確信だと思う 終わりを告げられた時に、読んでいたのが「軽蔑」だった。「このままではあなたを嫌い...
お互いの考えていることが100%分かると思う。そんなことは有り得ないと歴史が言っていても、私たちだけは特別だと思う。人生にたったひとりの人だと思う。それは、何年たっても変わることの無い確信だと思う 終わりを告げられた時に、読んでいたのが「軽蔑」だった。「このままではあなたを嫌いになってしまう」と言われた時、私はもう嫌われているんだな、と思った。たったひとりだと思った人に嫌われる。分かりあっていたことが分からなくなる。ずっと一緒だと思った人が日常から消えていく。「軽蔑」にはそういうことが男の視点で書かれていて、特に洞窟のシーンは、深く昏い海に沈んでいくように読んだ 「マイトレイ」の方はよく覚えていないんだけど、「私は神を信じることはできないが、宗教を信仰する人たちの敬虔さには敬意を示さずにはいられない」というエリアーデの態度に、敬意を示さずにはいられない
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私が読みたいと思ったのは、『軽蔑』だったが、手に入れられたのはこの本だったので、どちらも読む。 【マイトレイ】 文化と宗教の違いから、自由な国であれば簡単に恋をして結婚できたものの、反対があり、壊れていく。 出会った場所が悪かった。 マイトレイの努力も叶わず、悲劇。気の毒。可哀想に。 【軽蔑】 もうこれは、愛の謎を解こうとするある男のサスペンスだ。 男が必死に謎解きをしている。私には見えているから面白かった。もちろん、笑う面白さではない。(ただ、フッと笑ってしまうところはある。だって、空回りがすごいから) 。 軽蔑が誤解から生じていたとしても、やっぱり、軽蔑になる。リッカルドにそんなつもりはなかったのだとようやくわかったとしても…エミーリアの感情的な移動は覆せない。 嫌だなと思っているのにすすめられる行為、やられる行為、意見しても結局は却下される行為。エミーリアの気持ちを尊重せず、自分の思い通りに妻を操作している感じがわからないのだろうか? こういう行為が重なっていき、あぁこの男はこういう人なんだなと失望していく。愛情は目減りしていき、もう愛してないに到達する。触られるのも嫌になる。心は氷になる。 議論だってしたくない。戻るつもりがないんだし、話し合いで軽蔑した相手をまた愛するなんて不可能。絶対に巻き返されることのない関係。 こんなひどい状態であるのに、尚、リッカルドがまだ自分に都合のよい幻想を抱いたり、関係を修復して前の状態に戻せると思っている。エミーリアにとって軽蔑している部分が何度も修復しようとしているリッカルドの態度に出現する。 その度に読んでて「だから、それがダメなんだよ!バカなのか、この男は!」と何度もリッカルドに突っ込みたくなった。エミーリアがもう愛してないのよ!というリッカルドへの感情、軽蔑は理解できる。 リッカルドは『オデュッセイア』の解釈をめぐって、最終的に軽蔑が何から出てきたのか気付いたが、後の祭り。 悲劇が起こる。そのためにエミーリアとの修復ができなくなったと思っているようだが、違う。エミーリアが生きてても、どうやっても修復不可能だと思う。 リッカルドには気の毒だが、もう他の女を見つけて、同じような過ちをしないようにした方が前向きだと思う。
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221115*読了 マイトレイも軽蔑も、どちらもある一人の女性を巡っての男性の回想録。 しかもどちらも実話が基になっている。 マイトレイは、ヨーロッパからインドへ渡り、現地で働くアランと、インド人であるマイトレイとの恋物語。 何かと制限があり、思うままに恋愛ができないインドで二...
221115*読了 マイトレイも軽蔑も、どちらもある一人の女性を巡っての男性の回想録。 しかもどちらも実話が基になっている。 マイトレイは、ヨーロッパからインドへ渡り、現地で働くアランと、インド人であるマイトレイとの恋物語。 何かと制限があり、思うままに恋愛ができないインドで二人は愛し合ってしまった。 若いからこその過ちといえばそれまでだけれど、当時の二人にとっては、ただただ夢中で、夢のような時間で、そこからの絶望は死にたくなるほどだったのだろう。 異文化に触れ、傾倒していく様子に、私も引き込まれました。 軽蔑は、ある夫婦の妻側が夫を軽蔑し、関係が破綻していくという話。 随分と前に書かれた話だし、日本とイタリアで場所も違うけれど、この女性が男性に抱く軽蔑に共感。 どんなに愛していても、軽蔑するようになってしまうきっかけってあるし、一度軽蔑してしまったら、もう修復不可能だと思う。 カプリの別荘で過ごす場面の描写が美しかったり、夢想的であったりしてよかった。 自分が女性だからか、男性側に感情移入することはほぼなくて、女性側の気持ちを想像して、分かる分かるとなってばかりでした。
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