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単純な脳、複雑な「私」 または、自分を使い回しながら進化した脳をめぐる4つの講義
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単純な脳、複雑な「私」 または、自分を使い回しながら進化した脳をめぐる4つの講義

池谷裕二(著者)

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単純な脳、複雑な「私」 または、自分を使い回しながら進化した脳をめぐる4つの講義

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日出版社
発売年月日 2009/05/09
JAN 9784255004327

単純な脳、複雑な「私」

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商品レビュー

4.4

186件のお客様レビュー

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2024/08/18

深い。 しかも話が面白い。 学生相手に話を分かりやすくすることのリスクを考慮した上で(そのリスクや批判についてもあとがきで述べている。)、脳や脳科学の面白さ、不思議さを、とてもうまく表現している。 理解が深いからこそ、大事なところを落とさずに細かいところを削ったり、平易な言葉に直...

深い。 しかも話が面白い。 学生相手に話を分かりやすくすることのリスクを考慮した上で(そのリスクや批判についてもあとがきで述べている。)、脳や脳科学の面白さ、不思議さを、とてもうまく表現している。 理解が深いからこそ、大事なところを落とさずに細かいところを削ったり、平易な言葉に直したりできるんだろうなあ。ホンモノの知性を感じます。 脳に関する雑学本、としても楽しめる。 けど、それだけじゃない。 大きなテーマとしては、タイトルにある通り、この複雑な思考、「私」を「私」たらしめる思考、自分自身にも理解しきれないほど重層的な思考をもたらす脳の仕組みはとてもシンプルで、単純な仕組みで成り立っていることを教えてくれる。 この複雑な思考回路の「設計図」は誰にも描けない。けど、単純なルールに基づく計算をひたすら繰り返すことで、複雑な出力を生むことを、モデル化した実験で見せてくれた。 最も驚いたのは、自由意志についての話。 例えば「手を挙げる」という動作をする時、手を挙げようとする意志よりも先に、脳は手を挙げる準備をしているのだと。脳が先に準備をして、その後で手を挙げようとする意志が生まれるのだとしたら、それは僕の意志なのか。僕らに自由意志はあるのか、僕らは脳の奴隷なのか。 この議論に対する脳科学実験からの結論は、「自由は、行動よりも前に存在するのではなく、行動の結果もたらされるもの」である、と。 手を挙げたいという欲求は意志とは無関係に、自動的に湧き上がるが、その欲求に対して「手を挙げない」という自由が残されている、と。 深い。 面白い。 人に勧めやすい本。 しかし面白い話題が多すぎて、大きな感動やカタルシスに達しなかったともいえるかも。

Posted by ブクログ

2024/07/13

『記憶というと、脳の中に保管された文書が、コンピュータのデータのように、そっくりそのまま保管されるように考えている人もいるかもしれないけど、実はそんなことはない。すごく曖昧で柔らかい方法で貯えられているんだ。しかも、このふたつの例のように、記憶が呼び出されるときに、その内容が書き...

『記憶というと、脳の中に保管された文書が、コンピュータのデータのように、そっくりそのまま保管されるように考えている人もいるかもしれないけど、実はそんなことはない。すごく曖昧で柔らかい方法で貯えられているんだ。しかも、このふたつの例のように、記憶が呼び出されるときに、その内容が書き換わってしまうこともある』―『第二章 脳は空から心を眺めている』 随分前に池谷裕二の著書を養老孟司が褒めていたのを読んだというあいまいな記憶があるのだけれど、あるいはそれは福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」についてだったかも知れない。でも確かそんな言葉に誘われて「進化し過ぎた脳」を手に取ったように覚えている(2005年2月17日に購入した記録が確かに残っている)。ところがこの頃は感想文を書く習慣を一時的に止めていた時期なので、読んで何を思ったかを思い出す術もなく、記憶を手繰れない。それでも、養老孟司や福岡伸一の著書のように生物というものを一気に俯瞰するような視点へ論を展開するような文章ではなくて、地道にコツコツと積み上げて行きながらいつの間にか思いもしない地平に至るというような文章だった記憶はある。そして、今更ながら二冊目の本を読んでいる。 『私がとくに強調したいことは、サイエンス、とくに実験科学が証明できることは、「相関関係」だけだということです。因果関係は絶対に証明できません。「いやいや、私は因果も証明できるぞ」という立場の人、いますか? もしいたら徹底的に私と議論しましょう。プロの立場から言わせていただくと、「脳は相関が強いときに、勝手に"因果関係がある"と解釈してしまう」ものなんですね』―『第一章 脳は私のことをホントに理解しているか』 本書は、著者の母校で高校生を相手にした講演(+特別講義)を採録したものなので、書き下ろしの文章よりも更に丁寧な論の進め方となっている。と言っても、難しい話を極端に単純化して判り易く説明するようなこともないし、判っているという思っていることが実は曖昧なことであることもきちんと説明する。その姿勢はテレビ番組などでの著者の発言の印象と多分に重なる。きっとそういう説明をしてくれる人が好みだから、無意識に本書も手に取ったのだろう。とにかく、読んで好感の持てる一冊であることは間違いない。 脳科学の研究には自分も畑違いながら昔から興味があり、養老孟司、茂木健一郎、ロジャー・ペンローズ、ダクラス・ホフスタッターなどを読み漁ってきたので、著者が説明する実験の内容や、自己言及の罠などの話題は一応知ってはいた。けれど、それらの個々に解明された事実が全体像の理解に対してどのような意味を持つかという視点は、本書で初めて教えられたような気がしてならない。更にいうなら、ニューラル・ネット・ワークの仕組みや科学における相関、因果律の問題などはデータの分析を主務としていた時代に散々考えてきた話だけれど、そこから「ゆらぎ」「ランダムさ」を介して「統制」された動きが生じるという話などは本当に意外だった。巻末近くで脳科学は学際的学問だと著者が述べているけれど、むしろジグソーパズルのピースを一つひとつ吟味し全体のどの位置に当たるのかコツコツと積み上げるような仕事ぶりをする著者であるからこそ、その学際的成果が生まれるのだろうとも思う。切り出したネズミの脳細胞のスライスのニューロンの発火を観測する下りから、ベキ則(あるいはフラクタル的特性(そう言えばフラクタルも自己言及的))が出現し、1/fゆらぎ的な心地良さが見い出される下りなど、ものすごく刺激的だ。 そして、一般書であるにもかかわらず、一つひとつの事実提示に対して参考文献を付けて来る律義さ。毎日百を超える論文を読むという著者ならではとも思うけれど、その丁寧さが好感を生む源泉なのだろうと思う。久しぶりに自分でもシミュレーションのプログラムを書いてみたくなった。

Posted by ブクログ

2023/04/29

私たちの意識は何か、脳科学の視点を交えて講義形式で考えを広げている。そんな感じの本。 自分はAIに少し興味があって知能とは何かという問いを考えるために本書を手に取りました。 人間について、意識について、認識について疑問を抱いてるひとにおすすめの一冊です。 人間の意識というの...

私たちの意識は何か、脳科学の視点を交えて講義形式で考えを広げている。そんな感じの本。 自分はAIに少し興味があって知能とは何かという問いを考えるために本書を手に取りました。 人間について、意識について、認識について疑問を抱いてるひとにおすすめの一冊です。 人間の意識というのは自分の中に他人(自己を含む)を生成することで生じてるものなのかもね。 五感の中で受容体の種類が一番多いのはどれか、自由意志は発生か抑制どちらの分類になるか、などのお話が面白かったです。 人生で一度は読みたい良書だと個人的には感じました。

Posted by ブクログ

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