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苦しいけれど、離れられない 共依存・からめとる愛
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2009/05/02 |
JAN | 9784022505859 |
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商品レビュー
3.4
10件のお客様レビュー
dispower=パワーの収奪 enabler=酒を飲むことを助長する人 という概念を初めて知った。 共依存がアルコール依存症男性を支える妻という文脈から発生し現在の共依存という概念に落ち着いた流れがよく分かった。従来女性に唯一許された支配の方法がケアだったという出発点は悲しい。...
dispower=パワーの収奪 enabler=酒を飲むことを助長する人 という概念を初めて知った。 共依存がアルコール依存症男性を支える妻という文脈から発生し現在の共依存という概念に落ち着いた流れがよく分かった。従来女性に唯一許された支配の方法がケアだったという出発点は悲しい。 何より具体例が凄まじい
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著者が読んだ様々なフィクションの作品と、今までカウンセリングを介して出会った人たちとの記憶が混ざり合い、ずーっともの語りを聞いているような不思議な読書体験だった。 かなり陰鬱な話もあるのだが、それでもあたたかな暖炉のある部屋で聞いているような感じ。 あと、やはり物語には力が...
著者が読んだ様々なフィクションの作品と、今までカウンセリングを介して出会った人たちとの記憶が混ざり合い、ずーっともの語りを聞いているような不思議な読書体験だった。 かなり陰鬱な話もあるのだが、それでもあたたかな暖炉のある部屋で聞いているような感じ。 あと、やはり物語には力がある。フィクションであれ当事者の言葉であれ。
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知人から借りて。 共依存とは、2人の人間が相互に縋っている(水平な関係)状態ではなく、立場を利用した支配・被支配(垂直な関係)であることを明確にしている。 「共依存」という、アメリカから輸入されたこの言葉の歴史――例えば「アルコール依存症の夫」の妻が、暴力などに悩まされても「夫...
知人から借りて。 共依存とは、2人の人間が相互に縋っている(水平な関係)状態ではなく、立場を利用した支配・被支配(垂直な関係)であることを明確にしている。 「共依存」という、アメリカから輸入されたこの言葉の歴史――例えば「アルコール依存症の夫」の妻が、暴力などに悩まされても「夫は私無しでは生きていけない」と言って離れない傾向を指した事が始まりとされる。 しかしその傾向――共依存が性別を問わず起こる。 そこに手段の男女差はあれど、共通する意識がある(アルコール依存症の夫は妻への暴力・DV、アルコール依存症の妻は無力化し夫に世話をしてもらう)。 それは社会的に『献身的な愛』とみなされるが、一方が力で支配したり、無力化することで支配されたりしている力関係があることを指摘。 それを2000年代(ゼロ年代)のドラマや映画における人間関係を例に挙げて解説。『嫌われ松子の一生』『冬のソナタ』『男はつらいよ』など。 そして場合によっては、親子、母子間に負の連鎖として受け継がれてしまうことも取り上げる。 それがAC(アダルトチルドレン)であり、ひいてはヤンキーやキレる子供たちなどのルーツではなかろうか…… この本には、この支配からの具体的な脱出方法については記されていない。 その足掛りになりそうなものは、キャリル・マクブライド『毒になる母親』(http://booklog.jp/item/1/4864101191)を参照。 『毒になる母親』には、後半にあったアダルトチルドレンのかなりタチの悪いケース…母親が親の任を放棄し、子供にそれをリアルに押し付けたものに似た事例をも垣間見る。 アルコールや諸々の依存症に関してはデイミアン・トンプソン『依存症ビジネス――「廃人」製造社会の真実』(http://booklog.jp/item/1/4478022925)を参照。 依存症は病気ではなく習慣であり、依存症が生まれる要因として、入手しやすさ(手っ取り早く多幸感が得られる、身近にある、安価である)があることと共依存はどうしても関連がある。 そのロジックから考えると、「共依存」の発生原因――家族という身近さ、親近感=入手しやすさ故という事か? ギー・コルノー『愛することに「臆病な人」の教科書』(http://booklog.jp/item/1/4062641038)では、性的な児童虐待が起こりうる原因に、力関係だけでなく遺伝的な親近性が高いゆえに「理解してもらえる」という勝手な解釈から起こりうるとも指摘していた。 「依存症」も「共依存」医学的な用語ではない。 だが、個人に留まらず社会的な負の連鎖を垣間見る言葉として、興味深いとも思う。
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