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10万年の世界経済史(上)
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日経BP社/日経BP出版センター |
発売年月日 | 2009/04/27 |
JAN | 9784822247416 |
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商品レビュー
3.4
30件のお客様レビュー
産業革命以前はマルサスが唱えた通りの社会で、長期的な生活水準に変化はなく、人口増加率も技術の進歩も小さかった。一方で、個人が経済的成功を収める能力や性質は高まっていたという内容。 産業革命の要因を1800年直前のイギリスにおける制度的、経済的な変化に求める試みは、ことごとく失敗...
産業革命以前はマルサスが唱えた通りの社会で、長期的な生活水準に変化はなく、人口増加率も技術の進歩も小さかった。一方で、個人が経済的成功を収める能力や性質は高まっていたという内容。 産業革命の要因を1800年直前のイギリスにおける制度的、経済的な変化に求める試みは、ことごとく失敗している。経済成長の制度的前提条件は、イギリスなどの国々では1200年までにすべて整っていた。 イギリスで産業革命が始まったのは、石炭産業や植民地、宗教改革、啓蒙運動などではなく、社会が安定し、人口の伸び率が低く、経済的成功をおさめた富裕層の子供の出生率が著しく高かったことを背景に、中産階級的な価値観の浸透が進んだため。中国や日本の社会も勤勉、忍耐、実直、合理性、好奇心、勉学などが重んじられる中産階級的な価値観の体現へ向かっていたが、上流階級の出生率がさほど高くはなかったため、子供たちが大挙して社会階層の梯子を下るような現象は起こらなかった。 1800年以前のマルサス的経済では、物質的生活水準が上昇すれば社会の出生率は増大し、死亡率は減少する。人口が増加すると物質的生活水準は下落すると仮定すると、一人当たりの所得は、長期的には出生率と死亡率が等しくなる最低生存費水準に向かう。技術水準が上昇すると短期的には所得が増大するが、それによって死亡率が下がり、出生率が上昇するため、人口が増え、所得は最低生存費水準に戻ってしまう。 技術の進歩率は、所得に占める地代の割合に人口増加率を掛けたもので計算できる。この計算式から推定した技術進歩率は、西暦1000年までが0.001~0.01%、西暦1250年~1750年までが0.02から0.045%だった。産業革命直前までの1750年間を通じた技術進歩率は、合計で24%だった。 マルサス的経済の時代にも社会の基本的な特質は変化していた。 1800年までに利子率が現在の水準に近くまで下落し、労働時間も現在の水準まで増加した。読み書きや計算能力が一般に広まり、個人間の暴力が減少した。浪費的、衝動的、暴力的で余暇が好まれた社会から、倹約や用心深さ、話し合い、勤労などが尊ばれる社会へ変化し、中産階級化が進んだ。 現在の狩猟採集・移動農耕民に関する報告では、時間選好率や個人間暴力の発生率が高く、労働量が少ないことが強調されている。新石器革命後のアメリカ大陸では、忍耐力があり、将来の消費量が増えることを期待して待つことができる人、長時間の労働を好む人、生産利益を得るための収穫高や、それに必要な生産要素の量を計算できる人が経済的成功を収めるようになった。中世以降のイングランドでは、資産を蓄えた人や技術を身につけた人、読み書きを学んだ人など、当時の経済制度の下で成功を収めるタイプの人々が世代ごとに増えていった。産業革命へつながる農耕社会の道のりの中で、人間は近代的な経済界への適用性を生物学的に高めていったと考えられる。
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イングランドをメインとして現代社会がなぜ形成されたのかを論じている ほとんどがデータの紹介で、わかりやすい結論がまとまっていないためかなり読みづらい マルサスの罠の社会(人口増加と賃金増加はどちらかしか成り立たない)が長く続いて、一人当たりの所得が増えない社会いたことはわかった...
イングランドをメインとして現代社会がなぜ形成されたのかを論じている ほとんどがデータの紹介で、わかりやすい結論がまとまっていないためかなり読みづらい マルサスの罠の社会(人口増加と賃金増加はどちらかしか成り立たない)が長く続いて、一人当たりの所得が増えない社会いたことはわかったけど、データの比較が多すぎて難しい
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説をいろいろならべて述べていて、結論がなかなか出ないのでわかりづらい。 産業革命以前のマルサス的経済の時代、産業革命はなぜイギリスで起こったか、なぜ現代の世界では国家間で経済格差があるのか、とかいろいろわかる。 銃・病原菌・鉄とかに連なる話でもある。
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