妄想彼氏事典

フォレストページ【編】, 妄想乙女研究会【著】

• 販売会社／発売会社: ぶんか社
• 発売年月日: 2009/04/01
• JAN: 9784821142255

商品レビュー

2014/07/19

脳内にある理想の彼氏…それが妄想彼氏。

人には語れない脳内彼氏を語ろう！　という状態。
区分わけされた男性を紹介してみたり
現実の人達をランキングしてみたり。
イラストもすごいと思いましたが、対談内容がすごい。
半分くらい分かってしまった自分は
もしかしたら妄想彼氏を持てるかも？

しかし、そんな前半は序の口でした。
後半になっていくにしたがって、どう突っ込むべきか
悩んでしまうほど楽しい内容盛りだくさんｗ
リレー小説までついて、かなり大変な物体でした。
一人で読まないと、変な人…と見られる事請け合い！

2009/07/19

取り寄せ先：立川市立柴崎図書館（受取先：府中市立片町図書館）

本書を大きく分けるとネットユーザーのオーディエンスたちが妄想した「理想の彼氏」像を下地にして展開されるパートと、妄想ゆえの用語などを羅列したパートに分けられる。そしてそこにあるのは、オーディエンスが考える理想の彼氏のイメージについてのランキング・投稿イラスト紹介・アンケート・携帯メールの中身・有志による座談会（とよべるかさておき）・ぶしつけなインタビュー・イラスト化した「彼氏」の日常とデートコースを妄想しました的ななにかといったあんばいである。

全体を通じて感じるのはどことなくわかりきった内容と、どことなく少女文化を色濃く残したなにかが通底した概念としての「彼氏」が混乱状態に落とし込まれた状態であることの現状報告を聞かされているような気分である。ものすごくつまらない報告を聞かされているようなものだ。

そうした点を踏まえて、課題として考えることは多数あるがそのなかで考えるとしたら主に2点。
一つ目は、東急線沿線自治体中心の目線が目立つこと。別段代々木公園（渋谷区）でなくてもいいし、コスモワールド（横浜市西区）である必要性もない。なのに、なぜそれをモデルコースとして位置付けるのだろうか。私には推測することが難しい（というのも、理想の彼氏に付与されるイケメンさと東急沿線でなければいけないということとのあいだにどのような違いを見出せばいいのか）。
二つ目は、この作品の中に流れる異性愛主義の目線である。前提として異性愛になっているがために、たとえば「男性による理想の彼氏像」という想像が最初からはじかれてしまう。つまり、妄想という行為に線引きがなされているのだ。その結果、ある程度オチの予想可能な結果に終始し、なんだかつまらないものとなってしまったのが悔やまれる。

本書に足りないのは、ある理想像からしか語れないという欠陥をいかに誤魔化すかという少々情けない力量が無いということだ。お世辞でもいいから少し暴走を控えるようなまねはできなかったのだろうかと思えてならない。