もうすぐ

橋本紡【著】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2009/03/30
• JAN: 9784103007531

商品レビュー

2021/07/26

イヤミスとかホラーよりも正直読み終わったあとのモヤモヤが強い小説だったかもしれない。笑

橋本紡さんのほのぼのとした感じを求めて(好きとは言っていない)胎教に良さそうな本を選んだつもりだったら全然違った。

産婦人科医の訴訟問題て過去あったんだよね、確か。
それがあったからこそ書かれたような作品なのかな？

これが書かれたのがもう10年以上前だからっていうのもあるかもしれないけど。出てくる事例が胸糞すぎた。事実は小説よりも奇なり だから現実にあるのかもしれないけど。
出産の予約をしてなくて産むところがないとか、病院の説明のなさに対しても本人達の無知に対しても腹が立った。そして不妊治療で荒稼ぎする人…。まぁこれも本当にありえる話だし、これがめちゃくちゃ悪かと言われると言い切れないところも事実。だから余計腹が立ったのかな。

まぁ色んな考えの人が世の中にはいるんだろうな、と。
医療従事者であり、不妊治療を経て妊娠した妊婦の自分からしたらありえないことが多すぎて胸糞で萎えた。
出産は医療だし、病院で産むべきだと私は思います。
で、全く科学的根拠がない不妊治療についてはただの悪徳商法としか思えない。
タイミング法なんて不妊治療ともいえないレベルだと思ってるし、自然に任せるって考えの人も理解できない。
あと生理用品をみるだけで萎える男は今の世の中もいるの？という思いでした…。
長く付き合っていても(結婚生活においても)性交できる人の方が異常者だと思っちゃう…。一緒に生活する人が家族であり、性欲を感じる存在であるなんてけっこう無理じゃない？それが当たり前の表現になっているところもゾッとしたかな。

ただ現在の出産数と人工中絶数はわからんけどこの小説に出てくる数字には本当に驚いた。人工授精が保険適用になるらしいけど、産めない、産みにくい世の中であることは変わりないだろうね。私個人としては妊娠、出産しても、大してポジション変わらない職種だからあまり感じてないんだろうな。一般企業じゃそりゃあ大変なもんなんだろうな。仕事での成功も家庭での成功(幸せな家庭という表現がなんとなく嫌だった)も掴みたいっていうのは難しいのかもしれない。

あと35歳すぎて焦る女性ってそんなにいるの？周りを見ても自分含めて35歳までには、って思ってる人の方が多いと思ってた。これが10年の差？けど私が調べたやつだと確かまず29歳で妊娠率ガクッと下がってたんだよね。そこで確かにだいぶ落胆はしたかなー。ただ29歳までに産みたかったと言われたら全くそんなつもりはなかったからそれならそれで納得してたかも。
知らなかった、教えてくれなかったて思うか、無知な自分を責めるかは人によりけりだけど。
まぁ本当色々考えさせられる小説にはなりました。

2017/05/24

今は高齢化してるからと言っても、数字を見るとなんとも言えない気分。

結婚、妊娠、出産、…
当たり前だけど、すべてのものごとは終わりじゃなくて始まりなんだなぁ。

2016/02/28

2016/2/28

子供を産むことを何故「女たちの選択」とするんだろう？
産みたい、授からない、産めない。
自由を謳歌する30代の女性には痛いところを突かれる本だと思う。
2009年刊行の本で、7年経っても女性の悩みは全く変わらない。10年後でも20年後でも同じことで悩んで苦しむのかもしれない。