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昨日のように遠い日 少女少年小説選
定価 ¥2,200
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商品詳細
内容紹介 | //付属品~カラー・リーフレット2枚(漫画「眠りの国のリトル・ニモ」、「ガソリン・アレー」)付 |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2009/03/26 |
JAN | 9784163275208 |
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昨日のように遠い日
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昨日のように遠い日
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商品レビュー
3.6
21件のお客様レビュー
タイトルにまず掴まれる。 “つい昨日のことのように鮮やかなのに、もう戻れない遥か遠い日 ”というノスタルジー。 いやむしろ、“濃密な今と明日を生きる少女少年には、過ぎた昨日はあっという間に過去になってゆく” 、という比喩なのか。 美しい響きの『昨日のように遠い日』という言葉に、...
タイトルにまず掴まれる。 “つい昨日のことのように鮮やかなのに、もう戻れない遥か遠い日 ”というノスタルジー。 いやむしろ、“濃密な今と明日を生きる少女少年には、過ぎた昨日はあっという間に過去になってゆく” 、という比喩なのか。 美しい響きの『昨日のように遠い日』という言葉に、あれこれ講釈をつけるのは無粋だ。そのままに味わいたい。 レベッカ・ブラウンの『パン』が読みたくて本書を手に取ったが、収録作はどれも面白い。 ダニイル・ホルムスが読めたのも嬉しい。ソ連当局に危険視されたという背景が、『うそつき』ではなるほどと感じることができる。「ホルムスの世界」も気になっていたけど、柴田元幸さんセレクト五編を読めたので満足。 スティーブン・ミルハウザーの『猫と鼠』はひねりが効いた秀作。 “つるつるの床の上で、猫と鼠は止まろうとして身を後ろにそらす。かかとから火花が上がるが、大きなドアが迫ってくる。ー鼠はドアを突き破り、鼠型の穴を残していく。猫もドアを突き破り鼠型の穴をもっと大きな猫型の穴で置き換えるー” おぉ、脳内でトムとジェリーのアニメーションが完璧に再生されていく。 鼠を捕まえる作戦はどんどんエスカレートして、それに比例して悲惨な結末が繰り返えされていくが、猫は一向に諦めない。 爪の半歩先を鼠は常にすり抜け、猫は毎回返り討ちでボロボロになっても、すぐにリセットされる。だってこれは毎週放送されるテレビアニメだから。 二人にそんな自覚はなくとも、何故にこんな生き方を強いられているのか?、という内省の声がする。繰り返しの日々からの解放への想いが胸に燻る。実にアニメらしい締めくくりが用意されて、ジ・エンド。 レベッカ・ブラウンの『パン』は期待に違わず、素晴らしい。 女子寄宿舎の中で繰り広げられる、崇拝と支配が混然とした少女たちの人間関係が、レベッカ・ブラウン独特の反復によるリズムで語られる。 憧れの対象に近づきたいという想いが募って、権威に挑戦することになるラストまで、このリズムが息苦しいほどに緊迫感を高めてゆく。あなたの真似をして、あなたの流儀でパンを食べるシーンは、ちょっとゾクゾクする。 でも僕は、キッチンで働く太った食事係の女の子が、あなたのために手付かずで取っておかれたパンを、なにげなく口に放り込むシーンが好きだ。 私とあなたとみんなで作り上げた神聖な世界を、気にもかけない女の子の存在が私に一線を超させるきっかけになる。 本書は、少年が権威主義な父親による日常を捨て決然と夢の中へ漕ぎ出すバリー・ユアグローの『大洋』で始まり、子供たちが一人また一人と老女の夢と記憶に溶けてゆくデ・ラ・メアの『謎』で締め括られる。 子供はいやおうなく大人になる。くぐり抜けるきつさが伝わってくる作品が印象的なアンソロジーだ。
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バリー・ユアグローの「大洋」はなんか・・・悲しかったな・・・ ダニイル・ハルムスは星新一的な・・・SSだけどもちゃんと爪痕は残してく、みたいな・・・ レベッカ・ブラウン「パン」まさかの女子校百合
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色々な海外作家の1つの作品を切り取ったようなかなり短い短編ばかりを集めたもので、タイトルに“少年少女”とあっても中身は純文学的で少年少女向けという意味ではなさそう。本当に一編が短いにもかかわらず、妙に気持ちをざわざわさせる印象深いものが多い。トム&ジェリーを純文学で表現するとこう...
色々な海外作家の1つの作品を切り取ったようなかなり短い短編ばかりを集めたもので、タイトルに“少年少女”とあっても中身は純文学的で少年少女向けという意味ではなさそう。本当に一編が短いにもかかわらず、妙に気持ちをざわざわさせる印象深いものが多い。トム&ジェリーを純文学で表現するとこうなるのか!と驚きの「猫と鼠」が中では異色。「大洋」「灯台」が好み。
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