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漱石と倫敦ミイラ殺人事件 完全改訂総ルビ版 光文社文庫
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漱石と倫敦ミイラ殺人事件 完全改訂総ルビ版 光文社文庫

島田荘司【著】

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漱石と倫敦ミイラ殺人事件 完全改訂総ルビ版 光文社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2009/03/20
JAN 9784334745684

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商品レビュー

3.9

39件のお客様レビュー

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2024/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わったあと、ホームズと漱石と、そして島田荘司の作品を「他のも読んでみようかしらん」となる作品であると思う。 正直著者の他の作品を読んでいる方であれば、甲冑が出てきた辺りでなんとなくトリックの肝自体は気づけてしまうような気もするが。 ただ最後の別れのシーンの美しさも然ることながら、未来の小説家に向けた特別エッセイは何故かは分からないがとても心に染みた。 「経験から言えることですが、世の中のことがすっかりわかるまで、書くのを待たなくてはならない理由なんてなにもありません。いくつになってもわからないことはあるし、若い頃にはよくわかっていて、次第に失われる世界や知識もあります。また物語というものは生き物で、もしもそれが傑作なら、書くという行為自体がわからない部分をあなたに教えてくれます。読者にとって意味深い物語は、世の中の仕組みを何も知らない頃に書いたものであっても、不思議に矛盾は現れないものです。それは、あなたという純粋な魂を通し、天の誰かが、世の中に対して語っているからです。もしもあなたがこの本を読み、へえこんな世界もあるんだ、面白かったな、と思ってくださったなら、ちょっと書くことも考えてみてください。あなたの内側に、あなた自身も知らない、巨大な書く能力が潜んでいるかもしれません。ぼく自身小学生の頃、自分の内部に物語を書く力が潜んでいるかなんて、考えてもみませんでした。野山を駈けめぐったり、絵を描いたり、野球をやったり、模型を造ったりする力はあると思っていましたけれどね。」

Posted by ブクログ

2023/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

んんんこれは評価が難しい。 いや面白いことは面白かったのだが。 夏目漱石の渡英時期・下宿先がホームズの活躍時期・ベイカー街に近しかったことから、両者が邂逅する物語。 夏目視点とワトスン視点が交互に描かれるが、同じ出来事なのに描写が大きく食い違う。 特に夏目視点のホームズは酷いの一言で、完全な狂人、しかも周囲はそれを踏まえて腫れ物のような接し方。 ここに何か大きな仕掛けがあるのかと読み急いだが、そうではなかった。 中でもショッキングなのが、モリアーティは架空の人物だとワトスンに言わせたこと。頭がおかしくなる前のホームズの活躍は確かだがモリアーティ関連はワトスンの創作だと言う。最後まで読んでもこれは覆らなかった。 シャーロキアンには噴飯ものではなかろうか。それとも、世の中にはホームズパスティーシュが溢れ過ぎていて、なんでも来いという心境なのだろうか。 冒頭で、「夏目視点の描写には少々脚色がある(意訳)」という注釈があるのを加味しても説明がつかない。 ワトスン視点の描写があまりに本家の再現度が高いため、かえって「夏目視点の方が真実なのでは?」という錯覚に陥らせてしまう。しかし夏目視点の方も夏目優位に書かれているはずと考えなければ公平ではない。 この作品を読んで自分が夏目寄りに感じるのは、自分が夏目作品の教養がないために夏目の作風を感じ取れていないのかもしれない。それがわかったら、「夏目視点の描写も大概嘘っぱちだろうなぁ」なんて感覚で双方を面白おかしく読めるのだろうか。 とにかく、作者がなぜこのような書き方をしたのか意図が読めない。 正直、作者が島田荘司という信頼のおける大作家でなければ駄作と断じていただろう。 しかしこのようにつらつら感想を纏めていると、こう考えを巡らすことにこそに意味があるのかもしれない。 なお、最終章は文句なしに素晴らしく、こんなにも戸惑うのに読後感は爽やかという不思議な作品だった。

Posted by ブクログ

2023/10/20

英国に留学中の漱石がホームズに協力して難事件を解決するというワクワクする伝奇推理小説。奇数章を漱石、偶数章をワトソンが執筆するという形式で、ホームズの人物像が両者で若干違うのが面白い。漱石好きも楽しめて娯楽度も高い傑作

Posted by ブクログ

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